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ある街の、平日の昼下がり

やらかした。
タクシーの車内に、ボールペンを落とした。
赤/黒ボールペン+シャープペンシルのマルチなやつ。

見つからないかもな〜と思いつつ、タクシー会社に電話。
運良く車内にあってホッとしたけど、
手元に戻すためには郵送(着払い)か、直接取りに行くの二択。
もう一個の選択肢は、「処分してください」だけど、
1年も使っているし、折角見つかったのだから。
これも何かのご縁だろうということで、選択肢からは除外。

さてこの二択、どちらも費用が発生するけど、選んだのは後者。
正直、往復の電車代でもう1本ペンが買えてしまうんだけど〜〜〜しょうがない。
降りたことのない駅、行ったことがない街へ行くのは好きだから。


赤い電車に揺られ、降り立ったすぐそばに、小さな商店街。
大きいスーパー、チェーンのカフェ、ファーストフード店。
コンビニ、個人経営のラーメン屋さん、スナックもちらほら。
生活感が溢れてて、とても心地いい。

無事ペンをピックアップし、お腹がすいたのでランチをこの街で取ることに。
どこもあまりピンと来ず、入ったのはチェーンのパン屋さん。
普段なら選択肢に入らないだろうパン屋さんにテンションが上がり、
ドリンク、サラダも付けてお会計は1,000円越え。
イートインスペースには、喫煙席1人、禁煙席1人、禁煙席に私が入って、3人。

図書館で借りた本を読むか・・・と、のんびり過ごしていたんだけど、
14時を過ぎた頃から続々とお客さんが増え始める。
私の席から確認出来るだけで、3人から12人には増えていた。
禁煙席はほぼ満席。
お客さんはいわゆるシニア世代、人生の大先輩達だ。

お友達同士で会話を楽しむ方々、読書をしている方、お店の外を眺めている方。
スマホを見ている方は、いなかったような気がする。
きっと、皆さんご近所さんなんだろう。

この街の、平日の昼下がりの景色に、とてもよく溶け込んでいる。
まるで、パズルのピースがカチッとはまる様に。
それを眺める、よそ者の私。
よそ者だけど、その完成された空間がなんだか居心地がよくって、
帰るのが惜しかった。



上京して、東京に住んでこの春で16年目になる。
たった今指を折って数えて驚愕したのだけど、
人生のほぼ半分を過ごしたことになる。まじか。

去年引っ越した、今住んでいる街は人の行き来が多くて、
パズルはいつも未完成だ。
いつか、私もどこかの街の、ピースになるんだろうか。

なりたいような、なりたくないような。
ピースになった暁には、そこでnoteを書こうかしら。

#日記 #エッセイ #自分を元気にするnote #タクシー #忘れ物

読んでくださりありがとうございます!