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ドイツ生活🇩🇪「ロシア人から見たドイツ」男女間経済格差など

昨日オフィスに行き、
同僚とみんなでランチに行く機会がありました。

(カバー写真はフランクフルトの高層ビルの一部)

あまり話したことのない同僚の隣で色々話を聞き、
面白いと思ったのでシェアさせていただきたく思いました。

ドイツの集合庭園/農園、年会費を払って場所の一部を借り、ガーデニングをしたり野菜や果物を育てたりします。人気なのでなかなか空きの区画がないらしく、権利を手に入れるのがものすごく大変だそうです。

同僚は30代前半の女性で、ロシア出身ですが、
12歳の時にご両親に連れられてドイツに来たそうです。

!これは全て彼女の視点で語られた・彼女が見聞きしたことから感じたことなので、現実と少し違うことがあるかもしれません。
が、ロシア人から見たドイツ、という視点が面白いと思ったので紹介させていただきます。

まず、ドイツの学校が早く終わることから会話が始まりました。

ちなみに、これは会話の中からではありませんが、
ドイツは連邦制のため,初等中等教育について、16の州がそれぞれ所管しています。そのため,州ごとに違いがあります。
なので、途中で違う州に転校などするとカリキュラムが違い、
色々と問題があるようです。
また、州によって学力レベルが高いところと低いところなどがあるようで、格差も問題になっているようです。

さて、小中学校に当たる初等中等教育は義務教育ですが、
ほとんどの学校は午後13時に終わります。
(調べたところ、全日制の学校を増やそうという動きも一部にあるようですが、まだ全体の5%程度だそうです)

なので、共働きの家庭は大変なようです。
一応、学校の後に芸術・スポーツなどのアクティビティの面倒を見てくれる組織が地域にあるようですが、学校とは繋がっていないので、何かしらお金がかかります。
また、ランチを用意している学校は少ないらしく、
両親が用意しないと食べるものがありません。

季節定番の白アスパラガスと、フランクフルト名物の「グリーンソース」7種類の草が入っています。


ここで私たちの会話に入るのですが、
それでは共働きは難しいではないか、というところからです。
また、離婚した女性が貧困層に陥る可能性がドイツでは(でも?)かなり高いらしく、なぜかというと社会の仕組み的に、女性の、男性パートナーへの経済依存度が高くなるようになっている、というのが彼女の言い分でした。

まず、ロシアから12歳の時にドイツに来た彼女は、
「ドイツは伝統やシステムが、女性がフルタイムで全力でキャリアを積むのに難しい環境にしている」という印象を持っているそうです。

(ちなみに彼女のご両親は、ソビエト連邦が崩壊した際に、国内政情が怪しくなったため、彼女を連れて知り合いをつたってドイツに移住したそうです)

ロシアでは、(特に彼女の記憶と知識のある限りでは)
女性も男性も全く同様に教育を受け、働くそうです。
因みに彼女のお母様もお父様もエンジニアで、二人は大学で出会ったそうです。
「女性でエンジニアって珍しいけど素晴らしいね!」というと、当時の「流行り」だったとのこと。
当時はみんながエンジニアになったので、職が足りなかったとか。
今はエンジニア不足で引く手数多と思いますが・・

とにかく、ロシアの社会主義と、
彼女によると「国自体がドイツのように豊かでないので」
皆が一斉に働かないと経済が成り立たないということで男女構わず皆一生懸命働いていたとのこと。

スーパーで夫が買ってきたバラの花

彼女が思ったのは「ドイツは(ロシアに比べて)昔から豊かだったので、男性が働くだけで、家族を養えた」ことから、女性が頑張ってフルタイムで働きキャリアを追求する「必要がなかったこと」が、
伝統的に男女間のある種の不平等を生んだのではということでした。

また、彼女からすると「ドイツ人の友達と話していると、我々の両親の世代の女性は教育水準もあまり高くない」(おそらくロシアと比べて)ということに驚いたそうです。
文化的な背景なのか、伝統だったのか、とにかくこれも女性のキャリアを男性と比べて低位にとどめていたこと(結果として、女性の男性への経済的依存度を高めたこと)の理由の一つではないかと思っているとのことでした。

(ちなみに、今の40代以下は状況が全く違うと思います。
ドイツのお客さんの中にもたくさん第一線で働いている女性はいますし、30代のドイツ人の女性の友達も弁護士だったり、金融機関のバックミドルオフィスだったり、マーケティングやコンサルタントだったりと大活躍しています。)

マイン川沿い


また、ロシアでは、結婚後は家族の近くに住むことが、
政府から「強く推奨されている(いた)」そうです。
これは、結婚して子供が生まれた時に、
両親が共働きを続けられるように、
親御さんの近くに住んで助けてもらうという趣旨であるとのこと。
面白いなと思いました。

因みに、離婚した女性が貧困層、の話に戻りますが、
これはドイツの学校の仕組みも重要な役割を果たしているようです。
結局両親のうちのどちらかが子供の面倒を見ないといけない
(誰かがお昼ご飯を作り、13時以降の面倒を見ないといけない)
中で、必然的に、仕事の内容や時間が軽い女性がその役目を引き受けるケースがほとんどとの理解とのことでした。
そして離婚後もそれが続く・・
いつまでたってもきちんとしたフルタイムの職につけないと言います。

これが問題視され、ドイツでは学校の夏季休暇や冬季休暇の期間を短くしようという流れがあり、今では今では1か月ちょっとになっているようです(フランスでは例えば2か月ずつ、ただフランスの学校は終わるのがもっと遅い)。

ロシア人から見た、ドイツの教育制度と女性の社会進出に対するちょっとした「印象」や考え、面白いなと思いました。





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