畦道に宇宙
夜 田んぼと田んぼに挟まれた道の途中 風は静か
ひとりぽっち 僕は立っている 真っ暗闇の中で
これは瞼の裏なのか 目の前の風景か
まばたきしても なにも変わらない 真っ暗闇の中で
そこにあるはずの身体も 足の下の地面も
曖昧に不確かに溶けて 僕はひとときの宇宙飛行士
やがて瞳は 月の届ける青い僅かな光を
なんとか捉まえて ゆっくりと進んだ
夜 田んぼと田んぼに挟まれた道の途中 僕はわざと
持っていた懐中電灯 消してみたくなったのさ
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