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あっ、私のルームメイト‼

2003年9月、私はなんとか4年大に入学した。正直、20年も前になるとあまり詳しく覚えていない。そんな乏しい記憶を振り絞って、振り絞って…。

出てきた…。

私が入った寮は、寮の中で一番古い建物に増築した部分の部屋だった気がする。幽霊が出ることで有名な寮だった。私の部屋は3階くらいだったかな。

二人部屋で机とクローゼットが壁付けされていた。部屋に入ると、ルームメイトと思われる名前が書いた紙が、机の上に置いてあった。

入学時はオリエンテーションの嵐で超忙しい。英語が出来ない私にとっては、いつもアンテナを張っていないといけない状態。一人だと心細いから、ルームメイトと一緒に行動できたらいいなぁ~と甘い期待を抱いていた。

しかし、ルームメイトは何日たっても現れない。寮内のオリエンテーションのときすら現れない。何でだ?

日本から一緒に来た友達とランチの時に集合し、各自お互いのルームメイトについて教えあう。みんな楽しそうに教えてくれるけど、私のルームメイトはオリエンテーション期間、一度も現れなかった。

クラスが始まった。

私は先輩が言う通り、ESL(English as a Second Language)をメインにクラスを取った。もちろん GPA(Grade Point Average)成績の平均値を上げるため。

ここはアメリカ、しかも大学内にあるESL。レベル高いんだろうなぁ~と思いながら、クラスを取り進めていく。日本にいる時のESLとは全く違う。

あ~、アメリカ~ン ぽい。

とか思っていると、綺麗なお姉さんが入ってきた。ピチピチで、嫌な感じのしないフェロモンもふんわりと出てる感じの人。そして、ちょっとアクセント強めの口調。黒板に名前を書いた。

ん? ん? ん?

2、3度見直した。どこかで見たことのある名前だ。

あっ、私のルームメイト‼


机の上に乗っていた、紙に書いてある名前と一緒だ!
彼女は大学院生で、卒業に必要な単位を取るため、ESLのクラスを教えていた。

授業後、彼女に話しかけみた。彼女は私の存在にも気が付いているようだった。そして、忙しくて帰れないとか、彼氏と一緒に勉強してるみたいなことを言っていた気がする。

なるほど、帰ってこないってことね。了解です。

と心の中で呟いた。


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