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創作童話『はがき』 (後編)

こうみんかんの
5時の音楽がなった

そのとき 空から 大きな葉っぱが ゆらゆらおちてきて わたしの 手のひらでとまった

しかくい 切手のもようがあって はがきにみえた



ななめ前のおうちに住んでいる リッくんは 中学校に行ってない
紙を折って どうぶつを作っている

見たこともない そのどうぶつには つばさがあり
「ドラゴンだよ」
と おしえてくれた

リッくんにもらった紙を はがきのかたちにきる
毎日 絵をかいて 5本ゆびの木にかくした
青い花の絵がじょうずにかけたので
マーコさんにあげた
よろこんで お店にかざってくれた



ある日
「ハガキを売ってほしいという お客さんがいたのよ」
マーコさんとお母さんが うれしそうに話していた

わたしはドキッとして からだがふわっとなる
(マーコさん売るのかな お母さん助かるかな
でもおかねになるの いやだな・・・・)
こころが ぐしゃぐしゃした


「売りものじゃないんです、っておことわりしましたよ」
うれしくて 泣きそうになった
お母さんも ニコニコしてた

               

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