暴力

介護職員による、暴力や殺人事件などが報道されることがある。

イライラしてやった。

そんなニュースを見る度に、介護職員って最低だなって思ってた。

介護職員になってわかった事は、一方的に職員を悪者にするのもよくないなってこと。

まだ私が資格を取得する前の話だ。

車椅子を利用されてる居住者さんがいて、よく靴を脱いでしまうことがあった。

その度に職員が履かせるんだけど、無知な私は間違った履かせ方をしたんだ。

居住者さんの正面にしゃがんで、片足ずつ丁寧に履かせたつもりでいた。

ゴンッ！

居住者さんの爪先が私の顎にクリーンヒット。

「痛ってー💢」

叫んでしまってから、ハッとした。

「あー、びっくりした。大きな声を出してごめんなさいね」と平気な顔をして笑った。

他の居住者さんたちも最初は驚いた顔をしていたが、私が笑ったから「びっくりしたねー」と言って笑い合っていた

靴を履かせる時は正面にしゃがんではいけなくて、横にしゃがむべきだったのをその時に学んだ。

なので、これは完全に私が悪い。

それでもそうなってしまった時にその怒りを抑えられない人もいると思う。

やだ、行きたくない、やりたくない、いらない。

こんなのただのワガママと思うかもしれない。

ただのワガママかもしれないし、そうじゃないかも。

いきなり噛みつかれることもあるし、つねられることも、唾を吐かれることだってある、セクハラだって。

あなたは耐えられますか？

ご家族に伝えたって「うちの親がそんなことするはずがありません」って言われるんだよ。

仕事だから、お金をもらってるんだから、そう思って気持ちを切り替えるしかない。

暴力は許されないよ。

でもこういうことが積み重なると、いつか爆発しちゃう人だっているっていうこと。

報道されない現場の職員の声をわかってほしい。