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映画「君は放課後インソムニア」は曇天の晴れ間!

自家用車で縁石に乗り上げフロントバンパーに傷をつけてしまうような日。午後から見た映画は救いだった。午前中の落ち込みは数日は続いてもおかしくない事件。ほんとうにブルーだった。それが晴れ渡るなんて奇跡だと思った。

映画「君は放課後インソムニア」は、森七菜演じる「曲(まがり)伊咲」と奥平大兼演じる「中見丸太」が不眠をきっかけに交流を深める物語。原作コミックも人気で、アニメ化に続いて映画化もされたのでブームが起こっているといっていいだろう。

素晴らしい映画はたくさんあるが、見た後に心が快晴になることは一度もなかった。この映画は違う。ふたりのやりとりにキュンキュンするのである。そしてふたりが悩む不眠の原因を巡って繰り広げられる人間ドラマ(表現古い?)に思わず涙してしまう。

私の住んでいる地域の近くが舞台となったので、映画館に行ったというのが最初の動機だ。しかし、物語が進むにつれていつまでも見ていたい私自身に気付く。ふたりの感情表現もしゃれているし、それぞれの親とのやりとりにも感動する。

七尾市の街並み

中見が眠れなくなった理由、父親がこの子はわがままを言ったことがないと三度くり返す意図、全然そうじゃないと反論する中見の独白。どんと胸に迫ってくる。

なによりも、曲の爛漫さにすっかり虜になってしまった。
映画の筋としては、説明不足でついて行けないところや原作と離れている(らしい)為しっくりこない部分はある。伏線もすべては回収されていない。
でも、このふたりの紡ぎ出す世界の前には、取るに足らない事象なのである。原作至上主義の方に怒られるかもしれないが、ディテールよりも世界観が好きなのだ。

2回目も見に行きたいと思っている。ただし、それまでに原作コミックは読んでおかないとさらに深いところにはいけないだろう。詳細よりも世界観が好きと公言したのに矛盾しているようだが、より味わうために必要なことに違いない。

それほど、この映画に感謝している。


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