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春のお彼岸

みなさん、こんにちは。
ちばこです!

今は春のお彼岸中ですね。
明日は春分の日です。
お彼岸は、簡単にいうと「あの世とこの世が通じやすくなっている期間」なんだそうです。そこから、お墓参りをし故人を偲ぶ・ご先祖様に感謝する日にとなっています。私も、実家まではいけないのでお寺に行き御回向といった形で先祖供養を行なってきました。

忙しく働いていたり、一人暮らしだったりすると、こうした行事がついつい疎かになってしまいますよね。私も、実家を離れてからはこうした行事を大切にできずにいました。大人になった今も、わからないことの方がたくさんあります。

介護のお仕事をする上で大切なことはたくさんありますが、
私はこうした「暦」の行事も知っていきたいな、と考えています。
最近は、こういった話を「宗教かあ」と嫌悪する方が増えているように思います。
これは、私たちが「正しく学ぶ」機会を失ってきたことを示しているのではないでしょうか?

私は特定の宗教を信仰する人ではありませんが、周りのかたが信じてきたものは何なのか、この日本の文化を作ってきた思想はどんなのものなのか、といったことに興味があります。皆さんもご存知の通り、宗教と文化は切り離せないものであるからです。人々が文化を発展させるときに必ず身近にあったものなのに、悪い面ばかりが注目されて、知る機会さえ失っているのはなんだか勿体無いですよね。

私が台東区の介護施設で働いていた時、ご利用者様の多くの方が台東区の方でした。昔のお話を聞けば、浅草寺の観音様のお膝元で育ったのよ、と嬉しそうに語り、数々のお祭りのことを誇らしそうに話してくださいました。具合が悪くなれば手を合わせて観音様に祈り、具合が良くなれば観音様に感謝されていました。

生きる上で辛いことや苦しいこともあるし、自分ではどうにもならない時人は神や仏に祈ります。介護のお仕事は、死が身近にあるお仕事でもあります。「死」とは何か。ここと向き合うときに、仏教の教えや信仰は力を貸してくれるもののように私は思っています。

厳格に!!といったことができないので、私はいつもいいとこどり。
暦に乗っかって、まずは手を合わせてみよう。お寺に行ってみよう。
ご先祖様、と聞いて頭に浮かぶのは可愛がってくれたおじいちゃんとおばあちゃん。私の原点でもあります。一緒に作ったぼた餅を思い出して、また食べたいなあ…と子どもの頃の思い出を懐かしく思い出しました。

同時に、お仕事で看取ってきてたくさんの方の思い出も蘇ってきました。
腕の中で意識を失った方のこと。
元気だった方の呼気から香る匂いで死期の近さを悟った時のこと。
亡くなる当日の昼までプリンを口にしてくださった方のこと。
息を引き取る直前に「ありがとう」と伝えてくれた方のこと。
お別れを言う時間もなく、突然に亡くなってしまった方のこと。

たくさんの生があり、たくさんの死があります。
命を繋いできてくださったご先祖様に感謝して、命の終わりに関わらせてくださったたくさんのご利用者様に感謝します。

故人を偲ぶ、ってどんな感情なんだろう。
わからないまま手を合わせてみたら、ただただ感謝の思いが溢れてきました。

振り返り大切なことに気づく。
生きてる私たちにとって、とても大切なことなのかもしれません。

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