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介護に必要な資質(チカラ)②

介護に必要な資質とは何か。

私には、これだけは外せないし、これがあるから能力を高められる、と感じる資質があります。

それは「思いやり」です。

…普通ですか?(笑)

そう、普通の、当たり前の様に感じる「思いやり」という資質こそが介護の仕事にはなくてはならない、「思いやり」があるからこそ能力を高められる、必要不可欠な資質なのです。(これはもちろん、対人援助職全般に言えるものでもありますが)

では、「思いやり」とは何でしょうか?

思いやりは「思い遣り」と書きます。

「思い」を「遣わせる」
心を相手に重ねる
相手の身になって考える
察して気遣う
同情する
そんな意味合いがあります。

心を相手に重ねる、ということは相手がどんな気持ちでいるか考える、同じ気持ちになるということです。

相手と同じ気持ちになる、相手の身になって考える

これには3つのステップがあります。

1つ目に「相手と自分は違う」ということを知ること。
まずは違いを自覚しなければ、それは一気に思いやりではなく「押し付け」や「決めつけ」「偏見」「大きなお世話」気づかないところでの「虐待」になりかねません。
「思いやり」の第一歩は自分とは違う個人を認識するところから始まります。

これが、介護保険法第一条に規定される「個人の尊厳の保持」と「自立支援」につながります。

2つ目に「相手に興味を持つ」ということ。
相手の身になって考える、とは単に「どんな気持ちか想像する」ことではありません。
1つ目のステップにあげた様に「相手と自分は違う」人間なので、
その人がどんなことを大切に生きてきて、どんな経験をして、どんな人と関わりを持って、どんなふうに生きていきたいのか。今何を考え、何を不安に思い、何を望んでいるのか。
そんなことを会話の中で、あるいはご家族や周りの人とのお話の中で、面接の中で、あるいは提供された記録情報の中で、少しずつ理解を深め、察していく。
相手の身になって考えるには、相手に興味を持ち「知る」ことが大切なステップになってきます。

これが俗にいう「アセスメント」の基本になります。

3つ目に「自分自身」がたくさんの経験を重ね様々な感情を味わっていること。
自分自身が感じた事のない感情に人は「共感」することはできません。
身体には悪いと分かっていても、タバコを吸う時間が至福なんだよなあ。とか
自然に囲まれてぼーっとする時間が必要なんだよなあ。とか
毎日奥さんの顔を見ないと生きてる感じがしないんだよなあ。とか
自分の中の経験が増えれば増えるほど「あーそれ、わかる!」といった共感が生まれます。
共感は、人の心を強く動かす作用があります。

だから、介護職の人たちは仕事ばっかりしていないで、いろんな職種の人と関わりいろんな経験をし、人生を楽しむことこそが、大切なんじゃないかなあ。
と私は感じています。


思いやり
のこの3つのステップができる事。
これが私が考える介護職に必要な資質です。

考え方の入り口に立っただけのここまででも、ちょっと長くなってしまいました…
次回は、もう少し深掘りしていければと思います。

続く

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