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東京大学One Earth Guardiansとともに、100年後の酪農を考える

みなさん、こんにちは。牛ラボマガジンです。牛ラボマガジンでは「牛」を中心としながらも、食や社会、それに環境など、様々な領域を横断して、たくさんのことを考えていきたいと思っています。

東京大学に、「One Earth Guardians育成プログラム」というものがあります。これは、「地球からまなび、地球を守る」をコンセプトに生まれた、100年後の地球を考えるプロジェクトです。そして、100年後の地球を守るための人材=One Earth Guardians(地球医)を育てるプロジェクトです。

千葉ウシノヒロバは東京大学のこのプロジェクトと連携し、数か月にわたり、「100年後の酪農を考える」という取り組みを進めてきました。
今回はその取り組みについて少しお話したいと思います。

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100年後の酪農を考える

「100年後の酪農を考える」というテーマではじまったプロジェクトでしたが、コロナ禍でなかなか集まることができなかったこともあり、思うようには進みませんでした。ですが、落ち着いて深く思考できたとも思っています。

千葉ウシノヒロバは株式会社千葉牧場が運営しています。そして、株式会社千葉牧場には株式会社chicabiという親会社が存在しています。
この株式会社chicabiは、デザインワークを主とするクリエイティブカンパニーです。今回の取り組みは、千葉ウシノヒロバだけでなく、クリエイティブカンパニーとして100年後のために何ができるのか、そういったことを考える大きなきっかけとなりました。

100年後となれば、さまざまな変化があるはずです。社会のなかにはいまとは違う当たり前がたくさん存在しているはずです。そういった時代の変化のなかで、どうすれば酪農を残すことができるのか、そもそもなぜ酪農を残す必要があるのか、日本から酪農がなくなると何が問題なのか、酪農がなくなると地球はどうなるのか、など、本質的かつマクロな視点で考えを進めました。

一方で、酪農には身近な問題もたくさんあります。そのミクロな問題に向き合うことはとても大切です。ですが、かと言って、マクロな視点を持たなくて良いというわけではありません。私たちはついつい目の前の問題に向き合い過ぎてしまいます。One Earth Gurdiansとともに進めたこの取り組みは、私たちにマクロは視点を思い出させてくれました。

ウシノヒロバは公共的なコンセプトを持ちつつも、営利を目指す場所です。ビジネスをうまくまわさなくてはなりません。ですが、ビジネスばかりを考えて、コンセプトを見失ってはいけません。マクロな視点を持ちつつ、ミクロな問題に向き合う、私たちにはそんな態度が必要です。東京大学のみなさんとお話することで、マクロとミクロ、カルチャーとビジネス、そのバランスを取ることができたように思います。

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現世利益をこえて

ネイティブ・アメリカンのなかには「自分たちの行いのために子孫に負債を背負わせてはならない」という意識があるそうです。また、その達成のために、「7代先の子どもたちのことを考えて、物事を選択をする」という文化を持っているそうです。

これは、とても素晴らしいことだと思います。東京大学でOne Earth Gurdiansという「地球医」を育てる取り組みがはじまったことからわかるとおり、地球はいま傷ついています。私たち人間はもちろん、動物や植物などすべての生命体が豊かに生きつづけるためには、地球には資源が足りません。地球の手当てをする必要があります。まさしく「地球医」が必要な時代です。

もし私たちがみんなネイティブ・アメリカンのような意識を持っていたら、こんなことにはならなかったと思います。地球医など必要なかったのだと思います。ですが、私たちは地球をさんざん傷つけてしまいました。いま、地球に向き合うことが必要です。

私たちはウシノヒロバと紐付けてテーマを「酪農」としましたが、もちろん酪農がすべてだと思っているわけではありません。100年後の酪農を考えることをきっかけとして、現世利益をこえた未来への想像力を育むことを目指して取り組みを進めています。

昨今、「サーキュラーエコノミー」、「エシカル」、「エコロジー」、「リジェネラティブ」など、地球のことを考えるキーワードを耳にする機会が増えています。それは、顧客のニーズではなく、地球の要請によるものだと思います。私たちも、地球の要請に応えたいと考えています。

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ひとりの地球医見習いとして

このプロジェクトを通じて、さまざまなアイディアが生まれました。そのアイディアについてはまた別途公開できたらと思っていますが、地球のために顧客のニーズそのものを変化させていくような、そんな取り組みの実施を考えています。

しかし、この取り組みには大きな課題が残っています。

「顧客のニーズそのものを変化させるというのは、上から目線過ぎるのではないか?」

のような批判もありました。また、

「それができるのは経済的に豊かな国だけではないか?経済的に豊かではないこの国で、理想を求めるのは難しいのではないか?」

のような懐疑的な意見もありました。まっとうな意見だと思います。

だから、何をすべきかはまだ答えが出ていません。いつ出るのかもわかりません。数か月にわたり取り組みを続けてきましたが、まだまだ時間が必要なことはあきらかです。

ですが、なかなか答えが出ない問題に対して真摯に向き合い、いつか答えが出ると信じて考え続けること、それがいちばん大切な気もします。

One Earth Gurdians育成プログラムとの取り組みによって、私たちにも地球医という意識が芽生えました。まだまだ力不足ではありますが、小さくとも、私たちにもできることがあるはずです。

その態度を忘れず、私たちも地球医の見習いとして、これからも酪農や地球について考えて続けていきたいと思います。

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(執筆・編集:山本文弥)