見出し画像

多様性を認め合い、みんなでつくる優しい世界

みなさん、こんにちは。牛ラボマガジンです。牛ラボマガジンでは「牛」を中心としながらも、食や社会、それに環境など、様々な領域を横断して、たくさんのことを考えていきたいと思っています。

今回は「ダイバーシティ&インクルージョン(個々の違いを受け入れて、認め合うこと)」について考えてみました。
いま世の中は、いろんなものが多様化しています。政治的態度、エシカル、ベジタリアン、宗教、ヴィーガン、動物愛護、性別、恋愛、働き方、暮らし方など、少し思い浮かべるだけでもこれだけあります。

どうして多様化しているのでしょうか。そして、多様性を受け入れて認め合うことで、どのような世界が実現できるのでしょうか。私たちがいま感じていること、考えていることをお届けします。

🌱🐮🌱

マイノリティが表明できる社会になってきた

先述した通り、政治的態度、エシカル、ベジタリアン、宗教、ヴィーガン、動物愛護、性別、恋愛、働き方、暮らし方など、社会問題や価値観の捉え方が多様化しています。夫婦別姓であったり、働き方であったり、これまで当たり前とされていた常識が少しずつ動き出し、自らの意志で自由に選択できる流れが生まれはじめています。
「ダイバーシティ」や「多様性」といった言葉を、みなさんも最近よく耳にすると思います。では、なぜ多様性を受け入れる風潮が世の中に広がってきたのでしょうか。
私たちはまず、「ダイバーシティ = 多様性」を受け入れようという文化が生まれた歴史を調べてみました。

はじまりは1960年〜1970年頃。アメリカの大手企業のなかで黒人への差別があり、その黒人が訴訟を起こしました。結果、企業側が敗訴。多大な賠償金を支払うことになりました。そういった出来事から、企業内のリスクマネジメントの一環として、ダイバーシティへの意識が広がったと言われています。
1980年〜1990年前半には、マイノリティの労働力人口が増え、発言力が高まったことから、リスクマネジメントとしてのダイバーシティからCSR(企業の社会的責任)としてのダイバーシティへと変化し、人種や性別や価値観などの「さまざまな違い = 多様性」を受け入れる動きが活発になりました。1972年には日本でも、「男女雇用機会均等法」が定められました。こうして、個を尊重するダイバーシティの文化が世界的に広がっていったのです。

このように、もともとは労働環境における差別という社会問題をきっかけとして、多様化を受け入れる文化が醸成されてきました。それから数十年が経った2020年代の現在では、労働環境だけの話ではなく、「それぞれの人間が、それぞれらしく生きること」という、社会全体の問題として、さらに大きな話へと拡大しています。
その結果、これまで聞こえづらかった──言いづらかった──多様な意見が可視化され、政治的態度、原発問題、エシカル、ベジタリアン、宗教、ヴィーガン、動物愛護、性別、恋愛、働き方、暮らし方など、それぞれの声が表明できるようになったのかもしれません。

多様化をどのように考えていくのか

世の中の流れが変化し、多様化を受け入れる文化が醸成されている現代に生きる私たちは、多様化とどのように向き合っていけばいいのでしょうか。自分との違いを目の当たりにすると、ついつい否定したくなってしまうこともあるかもしれません。違いを受け入れることは、自分自身を否定することになるかもしれないからです。しかし、人間は本来それぞれが違うもの。違いを受け入れる寛容さが大切です。

画像1

そもそも本来人間は多様な存在です。生まれ育ってきた環境も違えば、慣れ親しんだ文化も違います。家族も違えば、友だちも違う。仕事も違えば、趣味も違う。好きなものも違えば、嫌いなものも違う。いろんな考え方を持っている人が集まるからこそ、可能性が広がり、世の中がおもしろくなっていくはずです。
それは、みんな頭では理解していることなのかもしれません。しかし今はまだ、「違い」について揉めたり、論争したりしてしまう時代です。
では、どのようにすれば、多様性を認め受け入れる寛容さを持てるのでしょうか。そこで必要になるのが多様なそれぞれが、それぞれを認め合い、一体感を持って動く「インクルージョン」の考えです。

ウシノヒロバでもこの考え方をとても大切に、多様化と向き合い、様々な取り組みを進めています。
例えば、ウシノヒロバや運営会社であるチカビのスタッフは、経歴も学歴も性別も性格もバラバラです。多様なスタッフで構成できるように、組織づくりをしています。
また、ウシノヒロバの施設内にあるサインや、予約時に使うホームページなどは、少しでも多くの人に伝わるよう——なるべく誰も排除しないよう——見やすさや使いやすさやわかりやすさを第一に考えてデザインしています。
そのほかにも、多様で客観的な外からの意見を取り入れるために、産学連携も積極的に行っています。
こういったダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組みは、今後も積極的に推進していく予定です。

違うまま、みんなで手をつなぐ世界

どんどんと深刻化していく社会問題。一つに絞った考えや、偏った価値観だけでは、解決することが難しくなってきました。そんな今だからこそ、「違い」をもつ個同士が、同じ方向へ向かって、力を合わせていかなければなりません。右と左、男性と女性、若者と老人、敵と味方、そうやって人間を安易に区別するのではなく、一人ひとりの違いから生まれる知恵や価値観を尊重し、活用していくのです。それが、「インクルージョン」の基本的な考え方です。

先日閉会したパラリンピック。その閉会式の演出にはまさにそのようなメッセージが込められていました。東京パラリンピックのコンセプトは「すべての違いが輝く街」でした。そのコンセプトの通り、さまざまな人々がカラフルな衣装に身を包み、カラフルな照明の中で、カラフルな街をつくっていきました。赤や青にどっちが良いはありません。黄色や緑にどっちが良いはありません。ひとつひとつが、世界を彩る大切な色です。人はそれぞれ、世界にとって大切な色を持っている。そしてそれが街を美しく輝かせている。それが、東京パラリンピックのメッセージでした。

恥ずかしながら、私はこれまであまりしっかりとパラリンピックを見たことがありませんでした。しかし今回の東京パラリンピックで、さまざな形のさまざまな競技があることを知り、さまざまな身体の障害があることを知り、さまざまな世界一があることを知りました。コロナ禍でのオリンピックやパラリンピックの開催には賛否がありましたが、たくさんの色を見せてくれたこともまた事実です。

誰もが素直にこころを開くことができ、そこから浮かび上がる一人ひとりの違いを、互いに認め合うことができるやさしい世界になってほしい。違いを否定し合って分裂するのではなく、違うことを認め合って、違うまま仲良くなれる世界になって欲しい。白と黒だけの世界ではなく、いろんな色に溢れたカラフルな世界になって欲しい。

そんな世界の実現を思い描いて、私たちも自分たちにできることからはじめてみようと思います。

🌱🐮🌱

牛が暮らすキャンプ場「千葉ウシノヒロバ」のホームページはこちら。
宿泊の予約のほかに、オンラインショップではオリジナル商品などを購入することもできます。
・ホームページ
https://ushinohiroba.com
・オンラインショップ
https://shop.ushinohiroba.com

SNSではウシノヒロバの様子や、イベントのお知らせなどを発信しています。ぜひご覧ください。
・Instagram
https://instagram.com/chibaushinohiroba
・Twitter
https://twitter.com/ushinohiroba

🌱🐮🌱

(執筆:中野 綾子、編集:山本 文弥)