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企業とSDGs、また、SDGsのその先

千葉ウシノヒロバ

みなさん、こんにちは。牛ラボマガジンです。牛ラボマガジンでは「牛」を中心としながらも、食や社会、それに環境など、様々な領域を横断して、たくさんのことを考えていきたいと思っています。

今回は「企業がSDGsに取り組むために必要なこと」について考えたいと思います。

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最近あらゆるところで目にしたり、耳にしたりする「SDGs」というキーワード。SDGsとは国連が定めた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことですが、少しわかりやすく言うと、「2030年までに達成すべきあらゆる社会課題の解決に向けた世界の目標」のことです。具体的には、「貧困をなくす」「安全な水を飲めるようにする」「男女平等な社会をつくる」「気候変動対策を行う」など、全部で17のカテゴリに分かれています。
 
特に、環境問題の解決に取り組んでいる企業は年々増加しており、私たちにとって身近な一例としては以下のようなものがあります。
 
・大手コンビニによる賞味期限間近の弁当や総菜の値引き・その弁当や総菜を購入するとエシカルポイントが付与される
・ペットボトル飲料のラベルレス化
・お菓子などのプラスチック製のパッケージを紙製もしくは再生プラスチックを使用したものに切り替える
・食品パッケージに文字を印刷する際に大豆インキを使用する
・コーヒーショップにマイボトルを持参すると割引を受けられる
など

他にも、「女性の働きやすさを改善する」、「サプライチェーンで排出される二酸化炭素の量を削減する」、「商品に再生素材を使用する」など、企業ごとにそれぞれの業種や状況に合わせてSDGsを推進しています。
これまでも企業のホームページ内に「CSR(Corporate Social Responsibility・企業の社会的責任)」のページを設けているところはありましたが、今では「SDGsのどの目標に取り組んでいるか」を示すことが多くなってきました。

ウシノヒロバとSDGs

ここで、ウシノヒロバにおける「SDGsの取り組み」をご紹介いたします。
 
一つ目は、以前に別の記事で紹介した、「トイレ」と「シャワールーム」のサイン(看板や案内、表示物などの総称)です。よくあるトイレのサインは、女性はスカートを履いているシルエットで色は赤色、男性はズボンを履いているシルエットで色は青色というものです。これは、「女性はスカートを履き、男性はズボンを履く」や「女性が暖色系で男性が寒色系」という既成概念、いわば無意識のバイアスに基づいてつくられています。

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そこでウシノヒロバでは、ジェンダーフリー(性に基づく役割や期待にとらわれず、自由に行動洗濯できるようにすること)の考えに則り、トイレのサインに色をつけないことにしました。

これは、性別による役割分担や区別から解放され、価値観を押し付けられることのないようにとの想いからです。トイレのサインという小さい選択かもしれませんが、トイレの利用者に小さな気づきを持ってもらえたり、訪れる人々が少しでも心地よさを感じてくだされば嬉しいです。
 
二つ目は「廃棄野菜を使った商品開発」です。1年を通していろんな種類の野菜が採れる千葉市ですが、いっぽうで流通しないまま廃棄される野菜も存在します。農業支援も行うウシノヒロバとしては、この「余り物」の野菜をどうにかできないかと考えました。今あるものを大切に使うのも、SDGsの考え方の一つです。
 
そこでウシノヒロバでは、廃棄野菜を使って新しい商品を開発しました。。食卓で満ぷくの幸せを感じてほしいという願いを込めた「満ぷく神漬け」。廃棄予定の野菜を新しい商品に発展させることで、余ったもの・今あるものを活かして新たな価値を創造することができたと思っています。

三つ目は、ウシノヒロバ内で出た生ゴミをコンポスター(コンポストを行う容器)に入れて発酵・分解させる「堆肥づくり」です。生ゴミを焼却処分すると多くのエネルギーが消費され、同時に二酸化炭素が排出されます。ただでさえ生ゴミは水分が多く燃焼効率も悪いため、どうにか量を減らせないかと考えて生まれたアイディアです。
 
コンポスターに入れた生ゴミは微生物によって発酵・分解され、時間をおくと堆肥になります。これを土壌に撒くことで、資源循環がなされていきます。先ほどの廃棄野菜と同じく、今あるものを活用した取り組みです。
 
まだまだ小さい取り組みではありますが、ウシノヒロバではさまざまなSDGsの実践をおこなってきました。トイレのサイン、廃棄野菜の商品化、生ゴミを使った堆肥づくりなど、それぞれは関連性が無いように感じられるかもしれませんが、全てその根底に流れるのは「未来の社会を明るくしたい」という想いです。
 
私たちは、こうした想いや目的に一貫性を持たせることがSDGsの取り組みには不可欠だと考えています。

企業にこそ知ってほしい、SDGsはじめの一歩

総務省のデータによると、インターネットの本格的な普及前の1996年と普及後の2006年を比較したとき、わずか10年で私たちがアクセスできる情報の量は530倍に増えたそうです。2022年の今では、さらに多くの情報があふれていることでしょう。そんな今の時代、検索一つでその企業がどういう考え方をしているか、実際の評判はどうかが瞬時にわかってしまいます。いくらホームページの中できれいなメッセージを発信したとしても、そこに実態があるか無いか、利用者は検索エンジンなどを利用してすぐに調べることができます。
 
つまり、見せかけのSDGsを行ったとしたら「SDGsウォッシュ(SDGsに取り組んでいるように見えて、実態が伴っていないビジネスのこと)」として、かえってマイナスの印象を与えかねないということです。消費者はインターネットやSNSをよく見ており、それを判断材料にしてあらゆる選択や決定をしているので、情報の出し方や見せ方を誤ると逆効果になってしまいます。インターネット上では幅広く手軽に発信できる分、誠実に、慎重になるべきでもあります。

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また、それは消費者に対してだけでなく、株主や投資家といったステークホルダーに対しても同様です。ヨーロッパではすでに「どれだけ環境に配慮して事業が行われているか」が重要な投融資の判断材料になっています。もはや環境に配慮しているのは当たり前で、その内容や質が問われるという段階まで来ているようです。
 いっぽう日本では「SDGsって何から実施すればいいのかわからない」という企業が多いのが現実です。
そこで、そのような企業の方々に、判断基準の一つとしてご紹介したいのが「JEIエシカル基準」です。
 
これは日本エシカル推進協議会が策定した、真にエシカル(倫理的、良心的)な取り組みをしているかどうかを判断するための基準です。SDGsが達成すべき大きな目標であるとすれば、JEIエシカル基準は目標達成へ向けた具体的な道筋を示すものといえます。
 
参考:JEIエシカル基準
https://www.wwdjapan.com/articles/1275493

例えば、「自然環境を守っている」「動物の福祉・権利を守っている」「事業を行っている地域社会に配慮・貢献している」などの8つの大項目をA+、A、B、C、Dの5段階の達成レベルで自己診断します。それによって、自社がどの程度達成できているか、自分たちで振り返ることができます。また、今後は、診断結果を日本エシカル推進協議会のホームページ内で公開していく予定もあるそうです。
 
この基準は、エシカルな認証を取得する前の中小企業や地域企業、自治体などをターゲットとしており、客観的に何がどれくらいエシカルなのかが一目でわかるようになります。
自社の中だけで取り組むと、SDGsに配慮しているつもりが見せかけの「SDGsウォッシュ」になっていたなんていう可能性もあるため、判断基準や認証制度を利用するのは有効でしょう。
 
企業がSDGsに取り組むにあたっては、何のために・どういうことをやるかを明確にし、社員の理解や協力を得て実践できる持続可能なものでなくてはなりません。内容は事業に直接関係のあるものだけでなく、ジェンダー平等の実現、働きがいの創出、教育を通じた次世代の育成など、さまざまな角度から取り組むことができます。

・何のために、どういうことをやるのか明確にする
・社員の理解や協力を得る
・JEIエシカル基準や認証制度など、客観的な指標を用いる
・人材育成やジェンダー平等の実現など、事業から離れて幅広く取り組んでもよい
 
このように社会のために行ったことが、企業のブランドイメージアップや売上アップ、投資家からの評価、優秀な人材の獲得などに繋がる可能性があります。また、社員のモチベーションが上がったり、他社との差別化につながったりとさらに幅広く好影響を与えてくれるかもしれません。
 
ただし、一度やったら終わりではなく、形骸化させずに続けていくことが重要です。会社にとっても社会にとってもプラスになるSDGs。社会に誠実に、「目的」や「想い」を明確にし、ぜひ前向きに取り組んでもらえればと思います。私たちウシノヒロバとしても、小さくともできる取り組みを続けていきます。

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(執筆:松本有樹、編集:山本文弥)