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「心を満たす」という分野で世界一を目指す。熱狂を合言葉にするAsobicaが思い描くビジョン

こんにちは、千葉道場ファンドです。

2022年7月26日、千葉道場ファンドは、カスタマーサクセスプラットフォーム『coorum(コーラム)』の開発・運営を行なっている株式会社Asobica(以下、Asobica)に対して追加出資しました。

前回は、Asobicaの代表取締役・今田孝哉さんと、千葉道場のキャピタリストである廣田航輝が対談。Asobicaのこれまでの歩みや、千葉道場からの出資が実現した経緯などを振り返りました。後編となる今回は、今田さんと廣田の関係性やコミュニケーションの取り方、これからAsobicaが実現したい未来像など、ざっくばらんに語っていただきました。

Asobica代表取締役・今田孝哉さん

お互いに真逆の人間性だからこそ、補完し合える

ーーそれでは、出資者と起業家という関係性から見て、お互いにどのようなコミュニケーションを心がけていますか?

廣田「こう言ったら語弊がありますが、私としては『何もしていない』という感覚です。それは、Asobicaというチームが自分たち自身の力でしっかりと前進しているからです。もちろん、前進するにあたって何か必要なものがある時にはサポートするようにしていますが。ファンドとしてやれることはやっているけど、基本的にはすべてAsobicaさんに任せる、という感覚でコミュニケーションをとっています」。

今田「廣田さんは『何もしていない』と言いますが、僕としては廣田さんは投資家目線を持ちつつ、かつ僕らに寄り添ってくれている感覚がすごく伝わってきています。これはある意味当然ですが、出資してくださる投資家の方々は、やはり投資家としての考え方に重きを置きますよね。もちろん、僕たち起業家側に寄り添おうとしている気持ちをお持ちなのも分かりますが、それでも意見や考えの中身は、投資家としての考えが色濃いです」。

「その点、廣田さんは『投資家はこういうふうに思うものです。なので、今田さんからはこういうアプローチをしたらどうですか?』といった具合に、僕たち起業家サイドの視点に立ったアドバイスをしてくださるんです。そうしていただけると、僕たちも投資家の考えや視点といったところをキャッチアップできるので、非常にありがたいですね」。

「お互いの人間性の部分からもお話しすると、僕は割と大雑把というか、攻めの姿勢が強いタイプで。廣田さんは逆に緻密で、守りが強いタイプなんです。お互いに真逆の人間性だからこそ、補完し合える関係性にあるんです。例えば僕が事業計画書を作って持っていくと、廣田さんは『投資家はこういうKPIを見たいよ』とか『こういう見せ方の方が分かりやすいよ』といった具合に、投資家目線から見た具体的なアドバイスをしてくださいます。そういった部分は僕にはないものなので、助かっています」。

廣田「私としては先ほども言ったとおり、今田さんが必要とされていて、かつ私ができることであればサポートさせていただきますし、私ができない場合はできる人を紹介します。これもいわゆる慣れ合いではなく、お互いに『やるべきことをやる』という意識があるからこそのアプローチ方法なのかもしれません」。

千葉道場のいう「視座を高めよ」には説得力がある

ーー千葉道場という場所に対しては、今田さんはどのような感想をお持ちですか?

今田「千葉道場には2つの強みがあると思っています。一つがやはり『視座を高めること』、そしてもう一つが、『視座の高いチャレンジをフォローする仕組みを構築していること』です」。

「実際のところ『視座を高めよ』という話は、割と多くの投資家の方がするものだと思いますし、1on1のコミュニケーションの中で視座を上げるように導こうとしてくれる方もいます。でも、個人的にはやはり視座を上げるためには視座が高い人と直接接触したり、切磋琢磨することが重要だと思うんです」。

過去の千葉道場勉強会の様子

「その点、千葉道場には未上場であってもトップクラスの時価総額を誇っているような凄い起業家の方々がたくさんいますし、僕と同じ世代の方もたくさんいます。より高い視座にいる人と直接コミュニケーションがとれ、かつ同じような境遇にいる人と磨きあえる環境が揃っているんです」。

「代表の千葉さん自身が、高い視座を持って様々な業績を成し遂げてきた体現者であることも、千葉道場における『視座を高めよ』の話の説得力のベースになっていると思いますし、そのための仕組みをきちんと構築・提供していることが、千葉道場の良さだと思っています」。

「それと、失敗に対して寛容というか、失敗したときに寄り添ってくれる姿勢も、他のVCにはない千葉道場のユニークな部分で、魅力だと思っています。普通であればファンドは、成功している投資先にフォーカスを当てたいですよね。でも千葉道場の場合は違って、失敗をしたところにも積極的に時間を使ってくれるんです。これはおそらく、事業の立ち上げだったり会社の経営だったり、色んなバッググランドの人がいるという千葉道場の特色の表れだと思います」。

廣田「その点は、千葉道場として大事にしている部分です。ファンドという仕組み上やはりうまくいっているところにリソースを割いてしまいがちになります。それはリターンを見込めるからであり、ファンドとしては大事なことではありますが、私たち千葉道場はそれだけを重視するのではなく、起業家を支えるためのコミュニティであることを大事にしたいんです」。

「だからこそ失敗というか、苦戦されている時には積極的にサポートしていく。こういう姿勢をコミュニティの哲学として持っています。もちろん、何でもかんでも助けますよ、という意味ではありません。良い方向に向かうように、せめぎ合いをしながら打開策を共に探っていこう、という感覚です」。

Asobicaは「心を満たす」という分野で世界一になりたい

ーー最後に、Asobicaとしての将来的なビジョンについて教えてください。

今田「1つ例え話を交えてお話します。僕の行きつけの焼き鳥屋さん、目黒にある『仲垣』というお店なのですが、実はもう50〜60回は行っているんです。ある日、社員に『どうしてそんなに仲垣に行くんですか?』と聞かれて。『確かに…』と思って改めて考えてみたんです」。

「そこで行きついたのが『仲垣にいる人が好きだからだ』という答えでした。想いを持ってお店をやられている店主さんや、生き生きと働いていらっしゃるスタッフさんたち。そういった『人』が好きなんだ、と思い至りました。つまり僕は、お腹を満たしたり舌を満足させたりするために仲垣に行っているのではなくて、心を満たすために行ってるんだなと改めて思ったんです」。

「僕は、こういった体験を世の中に増やしたい。例えば、つい何度も行きたくなるお店や、知れば知るほど愛着の湧くような商品を、もっと増やしていきたい。我々はあくまでプラットフォームを提供し支援する立場ですが、そのような形でブランドやサービスなどに共感し『情熱を捧ぐ』ユーザーを増やしていきたいと思っています」。

「そうすることで企業側にとっては当然、顧客や売上が増えることにもつながりますし、ユーザーの方の『熱狂』も増えることで、その人の『幸せ』にもつながる。coorumで支援する会社を増やせば増やすほど、社会にもたらす『熱狂』の総量が増えていく。これこそが、僕たちAsobicaがやろうとしているミッションなんです」。

「ネットショッピングが普及したことで、今世界は『モノ』で満たされているような状況です。ネットショッピングを使えば、ほとんどの人がどこにいても同じものを買えます。そうすると世界の人々が次に求めるのは、効率化や便利さではなく『心』の豊かさだと思っています。僕たちAsobicaは、そこに対してアプローチしていき、『心を満たす』という分野で世界一になりたい。これが、僕が思い描いている将来的なビジョンです」。

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