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カラーボール野球の備忘録(チーム発足の巻)

野球という競技は9人対9人で成立する競技である。
SNS動画で見たカラーボール野球は5人位で成立していた。
2人合わせても片手で足りる友人達を失った我々は2人で始動するしかない。

これが現実

2人でやる野球といえばキャッチボールしか思い浮かばない。
競技として成立させる為にどうすれば良いのかは分からない。
友達の増やし方はいつまで経っても分からない。

これも現実

その男は毎回そうだ、いつでも無計画でぶっきらぼうなのだ。

「おい聞いてくれ。ニホンマツタケファンクラブや。降ってきた。」

きっとその男は少数精鋭の友人達にお誘いを断られ続けて、頭と心が疲れてしまったのだ。若しくは現実逃避の過多により受診が必要な状態に陥ってしまったのか。

よく分からない単語を羅列し、バグってしまったその男は満面の笑みを浮かべているが一応ラリーを続けるという選択をした私は平静を装い聞き返す。

「何のクラブに松茸が降ってきたんだい?」

その後も意気揚々と語りかけてくる、その男の話を要約すると
[ニホンマツタケファンクラブ]はチーム名らしい。
競技ルールは考えていないが、楽しければ良いらしい。
松茸は好きではないらしい。
正式名称は[日本MATSUTAKEファン倶楽部]らしい。(どうでも良い)

チーム名というのはチームが出来上がってから命名するのではないか
2人でチームというのは如何なものか
そもそもダサさを凝縮した様なその単語の羅列はなんだ
ルールもなければ競技としての確立もできていないではないか

という心の声を押し殺して他のチーム名を提案するも、互いにしっくり来ないまま夜が明けた。キャンプを終えると同時に怪しい謎のチームが出来上がりカラーボール野球という未知の領域に足を踏み入れたのである。

焦げたお肉と山盛りのご飯、酸味が効いたビールそれに加えて奇怪なチーム名を消化しきれないまま朝を迎えると雲一つない冬の晴れた朝が出迎えてくれていた。

その奇怪なチームの会長にはその男が就任した。
私は庶務のメガネらしい。

会長の下にある数々の肩書きを通り越して庶務らしい。
2人しかいないのに。チーム発足人なのに。

夜中の思いつきで始まった放課後遊びの延長戦を際限なく楽しめる様に2人は準備を始めたのであった。

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