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訴えられた時の心構え

私は法律家ではないのでここでは具体的な手順については触れませんが、どんな書面を用意して、どのような流れで、その後どうなるのかという事はこれまでの経験からある程度把握しています。

 弊所にご相談いただく方の内、およそ90%の方がこれから訴える方、もしくは訴えられた方、つまり原告と被告です。かくいう私も会社を2つ持っている上に個人事業主時代も含めると20年近く経営をしていているもんですから訴えられたこともある被告人経験者です(笑)。もちろんどれも無罪でしたけどね。
 
これら90%の方のうち、特に「訴えられた方」が青ざめた生気のない表情でご来所された事が何度もあります。そりゃそうですよ、訴えられた、つまり「被告人」になることなんてそうそうない経験です。地獄の底に突き落とされたような、人生が全て終わったような感情に陥った方に、前述の通り私は法律家ではない事を申し添えた上で、こんなアドバイスをすることがあります。

今回は「訴えられた人」つまり被告人になっちゃった場合について書いてみます。

最も大事なのは自分の心を守ること。

1、訴状を見ていちいち凹まない!

 いきなりなかなか無茶な事を言うようですが、弁護士が作成した冷たい文書って怖いんですよね。わかります。でも弁護士が冷たいんじゃなくて、そういう書式じゃないといけないし、相手の弁護士だって原告を弁護しないといけないわけで、そりゃあなたを責め立てる文章になりますよ。そういうもんなんです。「そういうもんだ」「なに言ってんだか」くらいに思えたらいいんですが、相当なナーバスに陥る方がほとんどです。だから以下をよく読んでください。

2、被告人=犯罪者ではない

 多くの人が勘違いしていますが、「被告人」というのは書面上の呼称です。有罪が確定するまでの間だけの呼称であって、無罪であったり和解したら被告人ではなくなります。被告人になったからと言って前科がつくわけでも、いきなり逮捕されるわけではありませんし、犯罪者として扱われることもありません。
 自分が被告人になった、という事実に強烈なショックを受ける方がいますが、犯罪者という烙印を押されたわけでもなんでもありません。ただの呼び名です。

3、守らなくてはならないものの順位をつける

 一旦冷静になって、自分が最優先に守らなくてはならないものは何なのかをしっかり考えてください。家族なのか、同僚なのか、お金なのか、立場なのか、恋人なのか。あれもこれも全部守りたいというのではなく、「絶対に守らなくてはならない最優先のもの」を心の中にしっかり据えてください。

4、自分の反省点を認めた上で正義を論拠する

 火のないところに煙は立たないわけで、何かしらの失敗や不義理を働いてしまったのであれば、それはしっかり反省すべきです。しかし、まずは自分の都合の良い解釈で構わないから心の中に正義を植え付けてください。「だってあいつが悪いんだぜ!?」というのでも構いません。落ち込んで落ち込んで電車に飛び込むくらいなら、今はある意味の開き直りすら大事で、まずは自分の心を守ってください。

5、調停や裁判は「解決」するための場所

 裁判所って怖いですよね。裁判所に行く機会なんて好き好んで傍聴に行く以外でお世話になることなんてなかなかないです。私なんて書記官に書類出しに行くたびに空港よろしく全身検査されるので、1日に5回も検査された日がありました。
 調停や裁判は「解決するための機会」です。弊所で作成した鑑定書や音声をもって自分の主張をしっかり伝えられる場所なので、しっかり反論してください。そのためには上記の1〜4が本当に大事です。

6、楽しんでください

 原告からするとフザケンナという話でしょうが、前述のとおりまずは自分の心を守ることです。そうでなくては勝てる裁判も負けてしまいます。
弁護士ってこんな人なんだ〜!
裁判所ってこんな感じなんだ〜!
俺、被告人になったぜ〜!
私、いま得難い経験をしてるんだ!
・・・くらいに思ってむしろ楽しんだ方が今はいいです。


もちろん原告側で怒り心頭でご来所される方にも、なにか求められたら平等にしっかりアドバイスはしています。それはまた別の記事で紹介します。


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