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【戯言note】12月があまりにも可哀想じゃないですか

人間、さすがにそろそろ時の流れの速さに慣れるべきだ。もし地球の外から人類を観察していたら絶対にそう思うことだろう。

毎度毎度この時期になったら「今年は早かったねえ」「もう12月か、信じられない」あげくの果てには「こないだ新年になったと思ったらもう年末だってさ」と言う。50年60年生きていて多くの素晴らしい経験を積み重ねてきたであろう先輩方すら、この台詞を毎年読み上げる。

地球の公転速度はここ数百年では大きく変わっていない(はずである。文系にはちょっとわからないが。)

1.健気な12月

「まだ12月!?」と驚いているおじさんを見たことがない。おじさんに限らず、若者も見たことない。毎年毎年「もう12月!?」とびっくりされる12月の気持ちを考えたことがあるだろうか? 

思い浮かべてほしい。11か月間健気に控室で待ち続け、やっと訪れた出番に少し速足で集合場所に現れたところ、皆に「もう来たの!?」と驚かれた12月の顔を。律儀にクリスマスという大きなお土産を片手にぶら下げてきたのに「早いよ」と怒られたときの12月の表情を。あまりにも酷だ。12月が何をしたというのだ。

最後の出番からの優勝が不可能ではないことは昨日ウエストランドが証明してくれたじゃないか。


2.ただ一つのお願い

僕からの提案はただ一つ。時の流れの速さを受け入れ、世界全体で12月を歓迎する体制を整えようではないか。そのためには、1年の長さを短く見積もっておく必要がある。紅白歌合戦が終わり2023年になったら、まず一言目に「今年は短そうだな」と口に出そう。書初めに大きな文字で書いてもいい。

そしてこの記事を読んだ人から、まわりの人にも広めていってほしい。親戚に会ったら、「あけましておめでとうございます」のあとに一言。「今年は短くなるそうですよ」と言おう。

こうした小さな努力が12月の笑顔に繋がる。来る12月を歓迎する準備は年明けから始まっているのだ。来年の12月はみんなで、「やっと来てくれたね、12月。遅かったよ。」と言ってあげよう。BGMは前前前世がいい。

 なぜこんなに12月に肩入れするのだろう。決して、僕の誕生日が12月だからではない。決して。断じて。

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