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桃ちゃんとの生活

桃ちゃんとは、私の母です。
83歳になるおばあちゃんです。
老々介護になった両親を引き取りました。
ぽっぽじいちゃん(父)は、もう数年前に天界に召されたので
今は桃ちゃんと一緒に暮らしています。

桃ちゃんは所謂「良妻賢母」でした。
亭主関白のぽっぽじいちゃんにずっと寄り添い、良き妻良き母として
生きてきました。
ぽっぽじいちゃんは我侭で昭和一桁を絵に描いたような男でした。
でも、桃ちゃんのことは大好きで
私は殴られたけど、桃ちゃんのことを叩いたりすることはありませんでした。
ぽっぽじいちゃんは甲斐性のない人だったから
おうちは小さかった。台所も狭かった。
でも桃ちゃんはその小さくて使いにくい台所で日々ご飯を作り
私や兄弟をきちんと育ててくれました。
作るご飯は全て手作り。
お弁当も持たせてくれて、インスタントなんて使うことはなくて。

ぽっぽじいちゃんが寝たきりになったときも
本当に献身的に介護をしていました。
自分が倒れるまで。
桃ちゃんが介護疲れで倒れたとき、
自治体のケアワーカーさんと
時々預かってもらっていた特養の責任者の人が
「桃ちゃんほど献身的な奥様はいません。その方がボロボロになってしまうのは見るに忍びない。ぽっぽじいちゃんは預かります」
と本当だったら数年待ちの特養に数週間で入れてくれました。
自治体の決まりを曲げてまで守ってもらえるほど
桃ちゃんは献身的でケアワーカーさんや特養の人たちに慕われていました。

そんな桃ちゃんは、コロナで自粛生活に入ってから
刺激がなくなって、少しずつおばあちゃんになってしまいました。
物忘れがひどくなってきました。
単なる高齢の物忘れなのか、認知症によるものなのかわかりません。

でも、家族のために本当に身を粉にして生きてきた桃ちゃんのこれからを
記録しておきたくて、今回Noteを始めることにしました。
介護記録になるのかならないのかもわからないけど
桃ちゃんの今を残したいと思います。


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