見出し画像

【イベントレポ】防災銭湯に参加してきました

銭湯は裸・裸足でいるため、災害が起こってもすぐに逃げられない場合もあります。
過去の事例としても、浴室の天井が崩落したりと、銭湯ならではの被害もあり得ます。

個人的には、地域の自主防災会の役員をしていることに加え、最近は銭湯でアルバイトも始め、銭湯における防災は本当に向き合っていかなければと思っています。

ということで、銭湯にいる時に地震が発生したら、という防災訓練に参加してきました。
会場は大阪の銭湯、湯処あべの橋さん。

防災銭湯の内容

会場に着くと、関西の銭湯経営者の方々や、消防士さんたちの姿が。
阿倍野消防署の協力を得て開催されていて、かなり本格的な内容でした。

1.地震を想定し、浴室からロビーへの避難訓練
  (想定)
  大阪市南部で大阪市南部で震度6強
  周囲一帯が停電(非常灯以外の照明が消える)
2.初期消火のための消火器訓練

これらとは別で、従業員さんと消防士さんで、119番通報の訓練もしていたっぽいです。

以降は、避難訓練について書きます。消火器訓練も体験しましたが、消火器に関する情報はあちこちにありますので。

画像1

避難訓練の流れ

・事前にロビーで主催者より全員に流れやポイントを説明
・男湯は窓があって明るいため、窓のない女湯で照明を落として実施
(ただし、訓練で怪我をしては元も子もないので、最低限の照明はつけておく)
・男女の区別をせず、着衣のまま実施
1. 各自で脱衣所ロッカーに荷物を入れ、浴室内に散らばったら、照明が消えて地震発生の知らせ
2. オケやタオルで頭・首を守りながら脱衣所へ逃げる
3. 着替える想定をしながら脱衣所から荷物を取り出す
4. ロビーへ避難

照明が次々と消えていく瞬間は、(予め聞いていたのに)何となく不安な気持ちになりました。
本当の地震時だったら、とてつもない恐怖だと思います。

画像2

客としてやるべき、やった方が良いこと

災害時に自分が客の立場と、従業員の立場、それぞれで必要だと思うことをまとめます。
まずは客の立場だったとき。

■客としてやるべき、やった方が良いこと
慌てない
・オケやイスなど使えるものを使って、頭と首を守る
・従業員の指示に従う
・必要に応じて他のお客さんを手助けする
・逃げ遅れた時のため、室内の「安全な場所」がどこか、日頃から把握しておく

場合によってはパニックも起こり得るので、まずは慌てないこと。
日頃から、訓練に参加したり、お風呂に入りながらイメトレしておくだけでも、幾分かマシな気がします。

オケは頭にかぶってみると、ずり落ちてしまうのでずっと手で支えていました。片手が塞がった状態での避難することになります。

そして、後述しますが、従業員のやることがとても多いので、客の立場ではそのサポートができるといいかなと思います。
そのためにも、慌てず冷静でいられるようにしないと。。。

従業員がやるべき、やった方が良いこと

従業員の立場だと、やることはたくさん!!!(状況によりますが)
これが今回参加して一番衝撃でした。多いわ…

■従業員がやるべき、やった方が良いこと
・地震・火災の発生を大声で知らせる:ハンドベルも使う
・浴室にありったけのタオルを持って行き、お客さんに配る
・避難経路にタオルを敷く(怪我防止)、暖簾をはずす(見通し、通りやすさ)
・お客さんを誘導する:靴・サンダルなどを履いて。懐中電灯など使いながら。
・誘導・指示は具体的に「ここに」「自分のところに」など
 (NG:「あそこに」「中央に」など)
・逃げ遅れた人がいないか確認、いた場合は人数を把握(消防への引き継ぎのため)
・初期消火(でも自分の身を守ることを優先。無理なら119番へ)
・119番通報
・ボイラーや建物の被害状況の確認
動けるお客さんに手伝いなどを指示

一人でこんなには無理…と絶望しましたが、最後の「お客さんにも協力してもらう」という解決策をいただけたのが、今回の大きな収穫でした。
手伝ってもらえるような関係性を日頃から築いておいたり、的確な指示を出せるように状況を整理したり、ということも大事なんだと思いました。

タオルは、今回バスタオルを配ってくれたのが良かったと思いました。
厚みがあるから頭を守るのにも使えるし、最悪の最悪の状況だとバスタオル巻いただけで逃げ出すこともあるのかな、と。フェイスタオルだとかなりキツイ。

逃げ遅れの人数は、後で消防などから聞かれるということなので、把握を忘れないようにしましょう。(絶対忘れそうや…)

以上を踏まえて、準備しておくと良さそうなもの・ことは次のとおりかな、と。

■準備しておくと良さそうなもの・こと
・スタッフ用の靴、サンダルなどを番台の近くに(誘導中の怪我防止)
・懐中電灯
・ハンドベルなど(大きな音で非常事態を知らせるもの)
・バスタオル
・消火器の置き場所と使い方を把握
・店内各室で安全な場所を把握(逃げ遅れた場合の安全確保)

高齢者など災害弱者の避難

銭湯だからこそ、足の悪いお年寄りのお客さんも多いですが、災害時は従業員が個別に対応することはほぼ無理だと感じました。
他にも、怪我や病気の方や、こどもさんなども、スムーズに避難するのが難しいかもしれません。

対策としては、動けるお客さんに手伝ってもらうこと。
従業員は、そのための指示を出せるようにするのが大事なのだと。

そして、すぐに避難ができない場合に備えて、室内のなるべく安全な場所を把握しておくという話も出ました。
たとえば、なるべく入り口の近くとか、もし天井が落ちるとしたらこの辺りは危なそうだから避けるとか。
これは建物ごとに状況が異なるので、それぞれ日頃から確認しておかないといけません。

もし本当に裸だったら…?

今回の企画の中で、私の想像が及ばなかったのは、もし裸だったら?という点。

着衣で実施したのでスムーズに進みましたが、実際の非常時に、
ちゃんと服を着られるか?
そんな時間はあるのか?

災害弱者となる他のお客さんにまで気が回るのか?

銭湯で防災を考える特殊性は、「裸」であることだと思います。
この点は、もう少し踏み込んで対策を考える必要を感じました。

その一方で、だからこそ考えてみようという気になる、よいきっかけにもなるのではないでしょうか。
家のお風呂でも共通することはあるでしょうし、「銭湯(お風呂)」や「裸」を切り口に、災害時のことを考える人が増えたら良いなと思います。

画像3

防災において大切なこと

銭湯以外の防災の活動で話題に上がりますが、いざという時に助け合える人間関係や、日頃から災害時の状況をイメージしておくことの大切さが、銭湯でも共通すると感じます。

運営側として物理的に備えるとともに、客の立場の時にも冷静でいられるように、湯船に浸かりながらイメトレしよ〜〜〜と思います。

「もし裸の時に地震がきたら…」

と考えたらゾッとする人も多いと思います。
そこから一歩踏み込んで「じゃあ、その時どうすれば…?」と考えてもらえると、本当に災害が起こった時の行動が変わるかもしれません。

主催のみなさま、一緒に参加したみなさま、良い機会をありがとうございました!

おまけ 〜ひつじ、パンダになる〜

防災とは関係ないおまけショット。
会場のあべの橋さんでは、別企画「パンダ湯」も開催中でした。

私も大好きな絵本「パンダ銭湯」の世界観が楽しめる企画で、柄にもなく顔ハメしてしまいましたー!(あべの橋の女将さんと一緒に♪)

画像4

パンダ湯は9/4(水)までだそうですよ。まだの方は急いで!

ほな、おやすみやす!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?