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ライブに生きる理由

突然ですが、私の趣味はヲタクを生きることです。

仮面をかぶって生きる現代人

人はみな、誰もが何かの仮面をかぶって生きていると思っています。あるときは職場の肩書き、あるときは顧客の前での取引相手、あるときは親(あるいは子)、あるときは学生、など。
往々にして、多くの人が状況によってさまざまな「わたし」を取って出したり、剥がしたりしていることでしょう。そうすると、「わたし」を使い分けすぎて本当の「わたし」がどこに行ってしまうのかわからなくなる時があります。

仮面を剥がす=「わたし」に還る

元の私に還るためにするのが、推しユニのライブに行くことです。私は2020年頃からi☆Risを推しています。世間的にはそれほど有名ではないのが悔やまれるところですが、彼女らは確実に技術力とアイドル力が高いユニットの1つです。本稿でこのユニットを掘り下げることはしませんが、ぜひお調べになり、あわよくば沼に落ちていただいた暁には、ライブを楽しむ方の輪が広がることを願います。
コラムのテーマ「ライブ」。ライブに行くことにより私は自分をリセットし、「自分を生きること」をふりだしに戻している感覚があります。

人とのかかわりの中で得た知見

社会に出たばかりの2020年初春、世間がコロナ禍だったそのとき、私は人とこれほどにまで関われないことが苦しいことを初めて知りました。元々、まったく協調性のある方ではなかったため、不要なコミュニケーションを極力避けて生きた生半可な人間は、そこで初めて、人は寂しさが原因で心を病むことを実感したのです。
ライブに行くことで自分の生命力が回復するように感じるのは何故なのか考えてみました。それは「ライブでは何かとのつながりを刻み込まれる」からでした。
声が出せないあの時期でも、新規ヲタクに優しいヲタクとの交流は常にありました。グッズ買い占めヲタクからは優しく声をかけられ、交換や買取、時に無償でお菓子付きの過去グッズを恵んでくれたこともあります。たまたま隣同士の席に着いたはずか、うちわをほめてくれました。そのヲタクはまたどこかで!と言って二度と会えていないけれども、確かにライブでなければ出会えない感情を私に与えたのです。
そしてもちろん、ライブでしか味わえない没入体験は忘れてはいけません。

リアルライブに参加するということ

ライブに足を運ぶ文化に理解や親しみのない人は、「CD聞いてりゃいい」とか「テレビ番組でいい」とかを引き合いに出して物を言いがちです。しかしライブの醍醐味は、実在する生身の人間同士が場を共有することにあります。ライブを構成する要素は、演者の存在やパフォーマンス以外にも、音響、舞台装置、照明、衣装、客席、観客の動作や歓声、空間の広さ、空気の広がり、気温の上昇と下降など、枚挙にいとまがありません。五感を揺さぶる材料が満載なのです。
感情が揺さぶられ、誰かとのつながりを意識し、己がひとりではない場では、何者でもない「自分」をさらけ出さずにはいられなくなります。

あなたの趣味は何ですか

「ヲタクを生きること」が趣味です。なぜなら、「ヲタク」は、すべての仮面を引き剥がしたあとに残る、唯一無二の「わたし」だから。


I participated in the project of Webライターラボ.

Discord名:ちあ
#Webライターラボ2406コラム企画


おあとがよろしいようで。

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