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はんなり???!!!着付師物語 第3章❷未来のツキ

無事にチェックインを済ませた未来は、覚悟を決めてビジネスマンにお礼を言った。
「ありがとうございます。そしたら、明日の朝までお願いします。そこで解放してくれるんですよね?」

?????

ビジネスマンは、ポカンとした顔をしている。
「解放??何のことだい?
君のチェックインは済ませたし、飛行機の手配もしたから、私は、もう行くからね。
明日の飛行機に乗り遅れないようにモーニングコールも頼んであるからね。
それじゃ、私はこれで。」

ビジネスマンは、そのままホテルから出て行った。

未来は、ビジネスマンの背中に向かって、叫んだ。

「えっ??でもホテル代も飛行機代も私持ってないんだけど!!」

ビジネスマンは、後ろ手をふって立ち去った。

未来は訳がわからないので、レセプタントに単語を並べて主張した。
「ノーマネー。ミー、ノーマネー、、」

レセプタントは微笑みながら、ジェスチャー付きでゆっくりと説明してくれている。
どうやら、さっきのビジネスマンが、お金を払ってくれたようだ。

それでも未来は心配になって、もう一度尋ねた。
「ホテルOK?マネーOK?
でも、、、エアプレイン、、ミー、ノーマネー、、」

レセプタントがまた微笑んで説明してくれた。それもビジネスマンが払ったと言ってくれてるのだろうか。
レセプタントは、未来の手を取り、優しく撫でた。
「エブリシングOK!!」と言いながら、ルームキーをてわたしてくれた。

未来は、1人部屋のベッドに腰掛け、拍子抜けしたさっきの出来事と今の状況を吟味してみた。

〜さっきのおじさん、ほんとにいい人だったな。わたしって超ラッキー。
明日は、無事にタンパまで行けそうだし、ちょっと予定がずれたけど、まあ、1日ぐらい何でもないわ。
それにしても、おじさんはどこから現れてどこに行ったんだろう?
LAまでは日本人も結構いたけど、タンパまで行くとなると日本人はいなかったように思うんだけどな、、、
まあ、いいか?
こうして無事にホテルのベッドで1人で寝れて、明日は、タンパ行きの飛行機に乗れるんだから。〜


未来は持ち前の楽観主義で、もう明日のことでワクワクしていた。
本当にいい性格をしている。


翌朝の飛行機に乗った未来は、ようやくタンパに着いた。

トムが迎えにきてくれてるはずなのにいない。
「そっか。わたし、1日ずれて到着したんだった!」
未来は、カバンの中をゴソゴソと探して、トムの家の住所を書いた小さなメモ紙を見つけた。
「良かった、、これで、自分で行くしかないか、、、

でも、お金も日本円で5,000円しか持ってないしな、、

どうやって行こうかな、、」

ぶつぶつと独り言を言いながら、周りを見渡した。

すると、ダンボールの紙に矢印と何か英単語を書いたプラカードを掲げてる若い男が目に入ってきた。

「そうだ!!ヒッチハイク!!」

未来は、それを真似て、トムの家まで送ってもらおうと思いついたのだ。

未来は、空港内のショップで油性マジックを借り、手書きで、トムの住む街の名前と大きな矢印を白いTシャツに直接書き込んだ。
そして、さっきヒッチハイカーがいたあたりで大きく手を振ったりジャンプしてアピールした。

未来は小さくキャシャだから、アメリカ人にしてみたら小学生が、親からはぐれて迷子になってると思われただろう。
車はなかなか止まってくれないが、何人かの歩行者が、声をかけてくれた。

「ユアマム?ダディ?」という感じで、簡単な単語で聞いてくれる。
未来は首を横に振って、ヒッチハイクしてこの街に行きたいんだと説明にならない説明をした。

最後に声をかけてくれた小さな子ども連れの家族が、ヒッチハイクなんて危ない、キッドナップ(誘拐)されるからダメだとしきりに未来を止めようとした。
けれど未来はお金もなく迎えも来ないことを何とか伝えると、自分たちは、方向が同じだし、迎えが来るから一緒に送ってくれると言ってくれたのだ。

この未来の持ち前の強運は、生まれつきなのか、彼女の行動がそうさせるのか分からないが、少なくとも、未来はいつも自分は何とかなるし大丈夫だと確信している。
だからその信じている通りにことが動いて行くのだろう。

そして、起こってしまってることに対する開き直りの速さと機転、迅速な行動が、彼女をいつも行きたいところに連れてってくれるのだ。








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