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🇯🇵【ラーゲリより愛を込めて】収容所でも消えぬ想い

8月だね。8月といえば、終戦の月だ。

戦争映画を観たい気分になった。ちょうど観たい映画もあった。一昨年の2022年公開、二宮和也主演の『ラーゲリより愛を込めて』だ。

『ラーゲリより愛を込めて』が劇場公開されていた時は映画館でアルバイトしていた。作業がない時にちょこちょこ劇場に入って少しだけ見る、を繰り返していた。私の中でこの作品はアナボコだらけのパズルだったので、完成させたいと思ってAmazonプライムで観ることにした。


ソ連侵攻

8/6に広島、8/9に長崎に原爆投下され8/15の玉音放送で終戦が国民に伝わる、という流れは知っていても、8/9のソ連侵攻は影が薄い。

その日、ソ連は日ソ中立条約を破って満州に侵攻した。
歴史の教科書では、それくらいの文章で終わる。

満州侵攻では軍民合わせて約25万人が死亡したとされている。実に悲惨だ。

その侵攻でソ連兵により旧日本兵が捕えられ、極寒のシベリアのラーゲリ(収容所)で過酷な労働を強いらる。帰って来れたのは、なんと戦後11年後である。帰って来られなかった者も多くいる。

実在した山本幡男

山本幡男 (演:二宮和也)

この映画、なんと実話である。主人公の山本幡男は実在の人物で、現在の東京外国語大学でロシア語を学び、満州の満鉄で働いていた。

ソ連侵攻で家族と生き別れになってしまうが、希望を見失わず、仲間を鼓舞し、家族との再会を夢見てラーゲリでの日々を過ごす。

しかし幡男自身が病に侵されてしまう。帰国が難しくなり、家族に遺書を書いた。

山本幡男を演じるのは、二宮和也さん。今『ブラックペアン』2期で話題の俳優さんだ。
やはり演技はさすがだ。上手く言えないけど、良い感じに人間味が出てる。

驚くべき遺書の届け方

この映画の一番の見どころはどこかと言われたら幡男の遺書の届け方である。

ネタバレはしないように書くけど、「おい💢主人公の生死書いてんじゃねえよ💢」ってなった人はごめんね。でもこの映画はそこはあんまり重要じゃないと思ってるから書いちゃった。

ラーゲリというソ連の収容所では、スパイ行為を常に疑われ、持ち物検査があった。文章が書かれた物は没収されてしまうのだ。なので幡男の遺書が遺族に届けられない………。

なんとか遺書を届けたいと思ったラーゲリ内の仲間たちが、ある方法を思いつき、実行する。終盤のクライマックスだ。

幡男の家族への想い、それを伝えに行きたい仲間たちの想い、受け取る家族の想いを感じるシーンだ。込み上げてくるものがある。

戦争映画の意義

自ら戦争資料館に行ったり、戦争についての本を読んだりする人は少数派だろう。結構重い気持ちになるのでハードルが高い。

風化してしまわない為に戦争を知ることは重要だと分かっていても、機会がない。

そんな中で映画は比較的ハードルが低い気がする。人気の俳優がいたり、再現された映像で見ることができたりする。

何本か見て思ったことは、「戦争っていっても、全部同じじゃないんだな」ということだ。(当たり前だが………)

映画『ダンケルク』で第二次世界大戦の時の、連合軍のイギリス本土への撤退作戦を知った。戦争というと、命を賭して敵に立ち向かっていくイメージが強かったが、こういう場合もあるんだと知ることができた。

映画『ブラザーフッド』で朝鮮戦争を知るきっかけになった。共産主義者を弾圧する「アカ狩り」で犠牲になる人がいて、その痛ましいシーンはよく覚えている。

映画で戦争を学ぶのには限界があるけれど、入り口にはなる。今回も『ラーゲリより愛を込めて』を観てから、ソ連侵攻とその後の経緯について調べた。知らなかったことが山ほど出てきた。
頻繁にやっているわけではないが、この一連の戦争学習は大事にしたいと思っている。

来る8月9日、私は収容所にいた抑留者のことを思い出すだろう。。。

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