【イタリアの現状】

4月16日(53日目🏠)
現在の感染者合計:106607人(+3786人)
うち重症者:2936人(-143人)
完治者:40164人
死亡者:22170人(+525人)
感染者総計:168941人
検査数総計:1178403人
本日のみ検査数:61000以上

今朝は救急車の音で目が覚め、気持ち悪い程の静寂の中で、眠りにつきます。
日本が大変な状況になりつつある中、イタリアの報道は減っているかもしれません。もしかしたら、「ピークを脱して、落ち着いた」というニュースがあったかもしれません。
たしかに、ピークは通り過ぎたかもしれませんが、私は、まだこの数字を見て、安心なんて全く出来ないし、これだけ対策をしても毎日増え続ける感染者、止まることのない死亡者に、不安しかありません。
そして、ありえない数の検査をして、対策をとろうとしてくれていることに、感謝しかありません。
忘れてはならないのは、このコロナウイルスによって命を落とされた医療関係者の方々がたくさんいること。
医療者死亡者数合計:165人
医師:125人、看護師:31人、薬剤師:9人

いわゆるロックダウン(外出規制)が始まってから6週間目です。
生活に必要な食料や医療品以外の生産活動停止、販売店も強制的に休業。営業ができるお店は、スーパー、食料を扱う小売店、ドラッグストアー、薬局、ガソリンスタンド、タバコ屋など。レストランはデリバリーのみ営業しています。

でも、今週から一部の地域では、建設業や工場も動き始めました。イタリアの経済を完全に止めてしまうことの危機を防ぐためです。
そして、子供服店、文房具店、本屋、おもちゃ屋が加わりました。
私は、なぜこの店なの?!と思いましたが、考えてみると、
子供はたしかにすくすく成長するし、季節も夏に向かっていくし、服買わないといけないのか。
文房具は、学校はオンラインとはいえ続いているから、必要な人もいるのか。(スーパーでは食料品のみしか買えないため)
本屋は、このおうち生活を乗り切るために、ネット環境が整っていない人や、本を読むことで時間を過ごしたい人や勉強したい人には、必要なのか。
おもちゃ屋は、おうちでの外で遊べない生活を子供達が少しでも楽しめるようにか。
そして、ご存知かどうか分かりませんが、イタリアはまだまだアナログなモノや人がいっぱいなんです。オンラインで楽しめる人ばかりではありません。

なるほど。どういう基準でどんな話し合いがあったのかは知りませんが、子供のことを考えた少しずつの解除(リオープン)が始まっていることに、子供やお年寄りのことを優先することが自然なこの国の文化は素敵だなと思わされます。
お年寄りは、優先されるので、スーパーに並ばずに入ることが出来ます。お年寄りだけに無料デリバリーをしてくれるスーパーもあります。買い物に行けないお年寄りに、ボランティアが食料品を配達してくれるサービスも、市がやっています。
これらは、ビジネスとしてではなく、『当たり前』のこととして始まり、広がっています。
社会的弱者がいることを問題として捉えるのでなく、それを当然の存在として捉えて、ひっくるめた上での政策、社会を作っていくこと。『インクルーシブ教育』とかカッコいいカタカナに踊らされている日本人には分からない、当たり前のその感覚が溢れていることが、微笑ましくもあり、うらやましくもある、そんな日々です。でも日本にも、そんな時代があったんじゃないかなって。
この機会に新しく築けるものもあるだろうけど、取り戻せる『あたたかみ』『絆』『つながり』『やさしさ』もあるんじゃないかなって。

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