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18切符で列島縦断 5日目 秋田~長万部

5時。目覚ましと共に起きる。今回は個室だから遠慮なく鳴らせるのだ。ホテルのランドリーを使おうと思ったら、また全て使用中だった。もうホテルでなく近くのコインランドリー屋を使おう。

今日のルートはコレ。

Y!乗車案内で作成
秋田⇒長万部
2024年03月16日
07:27 ⇒ 09:30
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所要時間 14時間50分
運賃[IC優先] 11,450円
乗換 6回
距離 449.9km
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■秋田
↓ 07:27~10:10
↓ JR奥羽本線 弘前行
↓ 7番線発
■弘前
↓ 10:57~11:43
↓ JR奥羽本線 青森行
↓ 4番線着
■青森
↓ 15:31~16:08
↓ JR津軽線 蟹田行
↓ 5番線発
■蟹田
↓ 16:20~16:50
↓ JR津軽線代行バス 三厩行
■津軽二股
↓ 16:52~16:57
↓ 徒歩
■奥津軽いまべつ
↓ 17:01~17:47
↓ JR新幹線はやぶさ25号(E5系) 新函館北斗行
↓ 12番線発 → 12番線着
■新函館北斗
↓ 19:22~19:39
↓ JR函館本線 森行
↓ 1番線発
▼[乗換不要] 大沼(北海道)
↓ 19:39~21:08
↓ JR函館本線 森行
■森(北海道)
↓ 21:13~22:17
↓ JR函館本線 長万部行
■長万部

津軽海峡は普通列車では突破不可能のため、ここは青春18きっぷ北海道新幹線オプション券を購入し海峡トンネルを通る。

昨日の遅延の影響で北海道の長万部(おしゃまんべ)で野宿する事が確定している。帰りのLCCの時間だけはズラせないため、野宿してでも2日後晩までには稚内に着かなくてはならないのだ。

一応ワゴダで長万部の宿を探してみたが、ただ1つ空いていた民宿はチェックイン最終時間が早かったため予約は出来なかった。

青森に着いてからかなり時間があるため、そこでブランケットとかを買おう。

6時、ホテルを出て近くのコインランドリーに行く。オンボロの建物でランドリーと書かれたウィンドウシールが剥がれかかっており、潰れてるかと思ったが、中に入るとちゃんと洗濯機が稼働していた。

服を入れ30分回す。その間飯を食べながら店内を見回すと、本棚にダイヤのAやスラムダンク、ビリーバットが置いてあった。

30分経ったので洗濯機を開けると、なんと自分がコイン入れて回していたのは空の洗濯機だった。あわてて同じく蓋が閉じていた隣の洗濯機を開けると、まだ何も洗われていない服の束が入っていた。やってしまった。アホだ。ここから30分洗い直すとなると列車の出発時刻に間に合わないかしれない。もう諦めて服の束を袋に入れ、青森に着いてから洗うことにした。

秋田駅に行き、7:27弘前行列車にのる。

車窓を見ると、真っ平らな地表。どこまでも畑しかない。なんじゃこりゃ壮観だな

山間の方を走る。斜面は真っ白。太陽に照らされ輝いていた。路線の周囲だけ雪が断絶され、境界から雪の層が見えた。

10:10弘前に到着。50分ほど時間があるので辺りを散策する。改札から出るとまず目を引くのは大きなりんごのオブジェ。外に出ると、りんごの風という銅像。土産物屋にはリンゴジュースだのリンゴパイだの、りんご尽くしだった。

周辺の名所スポットを調べる。弘前城が近くにあったが、歩いて30分かかるため行くのは無理か

土産物屋でりんごスティックを購入。軽食がてら食べる

10:57青森行列車に乗る

11:43青森に到着。15時半まで時間があるので辺りを散策する。

改札前の窓から大きな吊り橋が見える。青森ベイブリッジだ。

駅の外に出ると商業施設が立ち並ぶ商店街で、かなりの賑わいを見せていた。

そこの百貨店でブランケット買おう

しかし売場を見ているとどれも1万円以上の手が出せない物ばかりだった。こんな高いんか。こんなに野宿するハメになるんだったら登山の時の寝袋持って来たら良かったな。店員のおばさんと相談し2千円のひざ掛けを買った。これで夜寒さを凌ぐか

近くのコインランドリー行く。洗濯機を回し、その間ヤマザキで昼食のカップ麺を食べた。

ベイブリッジ方へ歩いて見ると、巨大な三角形の建物が姿を見せた。行ってみると観光物産館だった。料金を払えば上の展望台に行け、海が見えるそうだが、実際に海を見に行こう

物産館を出て、ベイブリッジと並行して海を渡る歩道橋の青森ラブリッジを通る。前方に青函連絡船メモリアルシップの八甲田丸が見えた。船体は全体的に錆び付いていて、かなり年季が入っている。連絡船は青函トンネルが30年前に開通してから運行が終了したらしい。八甲田丸はその連絡船の軌跡を伝える博物館に今はなっている。

ラブリッジを渡りきった先にある、ねぶたの家ワ・ラッセという真紅の建物があった。ねぶた祭りの博物館だ。入場料650円で入る。ねぶた祭りの歴史と文化が紹介されており、実際のねぶたも数多く展示されてあった。

ねぶた祭りは歌舞伎や昔話、説話などの1場面を切り取った「ねぶた」と呼ばれる山車と共に、「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声をかけながら踊り子のハネトたちが街を踊り歩く祭りだ。

ねぶた祭りの出生は諸説あり、なぜ始まったのかは定かではないらしい。青森が小さな港町だったのから弘前藩が置かれて発展し、そのあたりで祭りが誕生、江戸時代後期には夏の風物詩になっていたそうだ。

歴史コーナーを抜けるとねぶた制作紹介コーナーへ。まず、ねぶたの下絵を絵師が描き、それを元にねぶた職人が設計図など無しで感覚で立体にしていくらしい。針金で骨組みを作り、紙を貼る。中に電球を入れ作る。小さいねぶたの一部を触れるコーナーがあったが、なんだか張られた紙は障子みたいな触感だった。

次は実際にねぶたが展示されているコーナーへ向かう。ホールには10ほどのねぶたが展示されており、どれも大迫力だ。

特に目を引くのが2023年度ねぶた大賞受賞の牛頭天王のねぶた。三体のが躍動感あるポーズで配置されていて、正面の牛頭天王は電飾で真っ赤に浮かび上がり、血が通っているようで今にも動き出しそうだ。説明文を見ると、「京都の八坂神社でスサノオと共に祀られている牛頭天王」として、牛頭天王の逸話と八坂神社の繋がりが説明されていた。こんな所で京都が出てくるとは。八坂神社つい最近お参りしたぞ。八坂神社の西楼門を抜けて正面にある末社に、たしか疫病社として祀られていたよな。「旅人が宿を乞うた所、金持ちの弟は拒絶して貧しい兄は受け入れたら、その旅人は実は神様で、恩としてその兄の子孫は生涯疫病を逃れた」とかいう八坂神社の末社の看板に書かれていた逸話と全く同じものがここでも説明されていた。

ラ・ワッセを出て駅へ向かう。もう15時、列車がそろそろ来るな

15:31蟹田行列車に乗る。蟹田まで30分ほど。少しうつむいていたら眠ってしまい、気づいたら既に終点蟹田に着いており、親切なお婆さんに起こされて目が覚めた。危ない。Yahoo乗車案内のバイブ通知は設定してあったのに寝ていた。もう少しで次のに乗り遅れる所だった。

蟹田から先の津軽線は2年ほど前の大雨の影響でずっと運休しており、代行バスが出ている。それ乗り30分ほど揺られて奥津軽いまべつ駅へ。

奥津軽いまべつ駅からは青春18きっぷ北海道新幹線オプション券を使い、青函トンネルを通って北海道入りする。

17:01新函館北斗駅行新幹線に乗車。青函トンネルへ入る。

20分くらいか?かなりの時間トンネルに潜る。よくもまあ海底にこんな長いトンネル通したもんだ。調べてみると2016年まで世界最長だったらしい。それを抜けると真っ暗な車窓がフッと明るくなり、白銀の世界が広がっていた。北海道だ。

17:47新函館北斗駅に到着。函館市の一つ手前、北斗市だ。駅舎はかなり大きく真新しい。次の列車は19時なので少し休憩、外に出る。

観光マップを見てみたが、どれもスポットは函館市にしか無く、徒歩で何か巡れそうな名所は見当たらなかった。駅に隣接している物産館の休憩所でコンビニ飯食ってしばらく待つ。土産物コーナーには案の定1番目につく所に白い恋人のブースがあった。

19:22森行の列車に乗る。可愛げな少年が運転席隣の窓にしがみついていた。辺境駅の普通列車なんて基本ガラガラで子供なんて見なかったから珍しい

停車駅で切符の確認をしていた運転手に男の子が手を叩いて拍手していた。運転手に笑みが溢れる。疲れた心にマジで癒やしだわ

今思ったが今の時刻なんて真っ暗で風景なんて見えないのに、正面の窓からあの子は何見てるんだ?

21:08森に到着、21:16長万部行列車に乗る。二人しか乗ってない。少年はここで駅を去った。

列車は1両編成で、天井から掛かっている広告のビラは真っ白な紙。こんな路線には掲げる広告も無いって事か?

ついに乗客が自分一人だけになってしまった

21:51八雲で二人乗ってきた。先ほどの森と同じ位の規模の町。良かった。多少なりとも安心感がある。

22:17長万部(おしゃまんべ)に到着。内浦湾に面する小さな町だ。ホームにはこんもりと雪が積もっており、芯まで冷える。駅舎の中に入ると、暖房が付いているのか、ほのかに暖かい。これは凍えずに待合室で寝れるぞ。

駅の観光マップを見ると、ここは温泉とカニで有名なようだ。かにめし弁当本舗があり、長万部温泉街がある。温泉街は旅館だが日帰り入浴も出来るそうだ。しかしもう22時なので入浴時間は過ぎていた。

駅のポスターに「まんべくん」というキャラクターが描かれており紙面内で観光案内の指南をしていた。人間とカニが中途半端に合体したような外見で、かなり不格好だが地元の子らか何かがデザインしたのかな

せっかくなので22時半だが町を散策する。

長万部町はかなり規模が小さい町だが、小学校と中学校が1つずつあり、町のはずれには東京理科大学長万部校舎(え?)がある。こんな所で何研究するんや

駅を出ると長万部へ歓迎を示すタワー看板と共に、新幹線を形どった看板に「2030北海道新幹線駅長万部開通へ!」と書かれていた。これはそういう目標を掲げているのか?かなり無謀だと思うが。

駅の前を横切る通りは店が立ち並んでおり商店街?のようだった。どれも年季の入ったレトロな建物で、ここだけ昭和から時の流れが静止しているような感じだ。

通りの脇道の先を見てみると、2本先で建物が無くなりその先が真っ暗になっていた。そこから町が消失したみたいに見える。googleマップを見るとそこから先は海であった。海岸線ギリギリに町が立っているんだな

通りを歩いていると、スナックシャンティという所からガヤガヤと男女が騒いでいる声がする。こんな場所、時間でも人の熱気を感じられるとは思いもしなかった。

真っ直ぐ進むとセブンイレブンがあった。そこで明日の朝飯を買う。本当にコンビニはどんな辺境の地でも全く変わらない均一な外観、内装で迎えてくれるな。

この通りには飲食店が結構ある。oogleマップを見ていると、1軒、0時まで営業時間があるアリス喫茶という店があった。見に行ってみると、一階が喫茶で2階はカラオケルームになっていた。入ってみると、受付にいたおばさんから今日はもうやってないんですと言われる。さすがに無理か。

一度駅に戻ってトイレを済ませ、今度は道の反対方向に行ってみる。

しばらく進むと小学校が見えてきた。校門前には小学生が作った挨拶啓発川柳。この校門前の風景はどこも変わらないな

線路の上を通る国道に階段を使い出て、線路を渡る。こっち側は住宅エリアって感じか?商店街は古びた建物が多かったが、住宅はけっこう新しい建物が幾つも目に付く。どれも片側の屋根にかなりの傾斜がついており、そして2重玄関だ。

真っ直ぐ進むと温泉街だ。どんな物かと気になっていたが、小規模な古びた旅館が10件ほど固まって建っていた物だった。こんな感じの雰囲気の宿は一度は泊まってみたくはある。道の下水溝からは湯気が立っていた。

自分が昨日アゴダで宿を見た時は1件しか予約可能な宿が検索に上がって来なかったが、そうなるとここの古びた旅館らは全て今日満室って事なのか?

少し歩いて踏切を渡る。こうしてぐるっと一周して駅まで戻る。

駅まで戻る道中「この先新幹線工事のため片側交互通行となります」との看板が。え?本当にここに新幹線駅開業すんの?

調べてみると現在、新函館北斗駅で止まっている北海道新幹線を札幌まで繋ぐそうで、その間の停車駅として長万部も新幹線駅になるらしい。マジか。こんな小さい町なのに凄いな。起死回生の観光事業だ。

先ほど行ったセブンイレブンまで戻ってきた。ぐるっと一周したな。駅に戻る。0時だ。待合室のイスで寝よう








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