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前向きなオーバードーズを

また思い出している。特定の何でもなく、景色や空気なんかから連鎖的に自分の記憶を覗いてしまう。

思い出が私の足枷になっている。成長を止めている。子供の頃は夕焼けにも思い出なんてなかった。まっさらな空を見て考えることは明日のこと、これからのこと。今は違う。どうしても思い出してしまう記憶がある。

まだ足を停めるほど大層な人生を送っていない。いや、大層な人生は送れているかもしれないが、これ以上思い出が増えないのはつまらない。10年後、20年後、夕空を見つめて今と同じ記憶を反芻しているのなら、私の10年、20年がまるで空っぽみたいじゃないか。また、新しく思い出せる何かを作るために。情報を、情緒をオーバードーズしなければならない。致死量でなければ私の心は踊らない。

小賢しい頭で言い訳をするな。逃げるな。死ぬ気で毎日生きろ。成長のために色んなものを喰らって、喰らって、くらって死ぬならそれでもいい。

一度記憶と距離を置く。まっさらな私を埋めて行って、またいつか全てを還元したとき、大きく成長していたい。

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