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イモづる読書【その46】こてん!と眠れる電子書籍 ・・・『マルタの鷹』から『ガラスの鍵』・・・・同一著者つながりで

もう一度読みたかった本や気になっていた本がkindleunlimitedにあるとうれしくなります。【うん、ほんまやで】

マルタの鷹』を読了。何度目かの再読でしたが、やはりおもしろかった。
初回の映画化はコケて、ジョン・ヒューストン監督がメガホンをとり、「腐心したのは、いかに小説中の科白を生かすか、ということだった」とよく引き合いにだされるように、セリフがキャラクターをつくりあげ、キャラクターがセリフを吐いているようです【なんのこっちゃ】

たぶん2回目に読んだときは、映画と小説の関わりが主眼でした。
「映画もよくて、小説もおもしろい」という評判を聞きつけてのことだったと記憶しています。

今回は、「小説としてのおもしろいさ」に注目しました。
ハードボイルド・スタイル」の、ヘミングウェイと一括りで、元祖といわれています。
「ハードボイルド・スタイル」の文体は、キャラクターの内面を小説の地の文に書き込まないのが特長で、キャラクターの葛藤は「セリフ」+声の調子とアクション、表情とか顔色で表現します。
地の文に、「考え・感情・感覚・記憶・夢」などを描かず、セリフとアクションでストーリーが展開していきます。いかに「セリフ」が大事なのかうかがいしれます。
このようなことで「戯曲のような・・・」とよくいわれています。
シド・フィールドによると、

演劇では、アクションもストーリーも登場人物のせりふを通して舞台上で語られる。考え・感情・出来事・記憶・目的・恐怖・葛藤を、登場人物は言葉で表現する。演劇は基本的に言葉で語るストーリーなのだ。

シド・フィールド 脚本術2

小説では、主人公の視点から、考え・感情・感覚・記憶・夢などが描かれ、ストーリーが展開していく。したがって主人公と読者はドラマや感情をともに経験し、共有し合う。小説では、アクションはあくまでも主人公の頭の中で起こるのである。

シド・フィールド 脚本術2

こんなわけで「ハードボイルド・スタイル」の小説は、ねちねちした地の文がなく、ドライな仕上りになっています。

実は、『マルタの鷹』を読了してから、現役の有名な日本人作家のスケールの大きな長篇作品を読んでいたのですが・・・かったるくて・・・【ほんまやで】

ダシール・ハメットのドライな世界へ戻りたくなりました。

長篇モノは、『マルタの鷹』の前件の『血の収穫』と3作目の『ガラスの鍵』です。幸い2作ともkindleunlimitedにあります

どちらを先に読もうか、少々迷いましたが、ダシール・ハメット自身のお気に入りということで、『ガラスの鍵』を選びました。

この作品は、オプ(探偵)モノではなく・・・ノアールの雰囲気が濃厚に漂う・・・コテンと眠れそうもない・・・作品のようです・・・・


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