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PERFECT DAYS


あらすじ

東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。
同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。
その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。
その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。
木々が作る木漏れ日に目を細めた。
そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を小さく揺らした。(公式HPより)

映画製作のきっかけ

ご存じの方も多いのかもしれませんが、この映画が生まれたきっかけは、ファーストリテイリング取締役の柳井康治氏(柳井さんの次男)が渋谷区内17か所の公衆トイレを生まれ変わらせる目的で2020年に立ち上げたプロジェクトである「THE TOKYO TOILET」。
汚い、臭い、暗いといったマイナスイメージのある公共トイレを生まれ変わらせ、トイレの価値や意味をしらしめ多くの人が考えるきっかけを作りたいというもの(日経X TRENDの記事より)。

実際に映画を観て

予想していた以上に、本当に淡々とした静かに紡がれる日々のドキュメンタリーを見ているような映画でした。
派手さは全くないけれど、規則正しく繰り返しのような日々の中にも小さな幸せだったりクスッとするようなことは見つけようとすれば見つけられる。
きっとどこに自分の幸せの沸点を持ってくるかによって、毎日の彩りが変わってくるのかなと。
ただ同時に、同じような部屋に住んで同じような仕事に就くことを望む人はどれだけいるだろうかと感じてしまったことも否定はできない。自分がどんな毎日を送りたいか、それを実現するために自分で選べる選択肢は広げておきたいなと思いました。

よく考えたらやはり私も、どこかへ出掛けた際は同じ公衆トイレでも出来るだけ室内にあるものを利用するようにしてたなと改めて気づかされました。
公衆トイレが無料でいつでも使えるということだけでも、海外と比較するとすごいことなんですが、住んでいるとつい忘れてしまうよなぁと。
そして使える状態になっているということは、つまり清掃してくれている方がいるということ。毎日誰が使ったか分からない、外だと時には酔っ払いの吐しゃ物があったりもするだろうトイレを定期的にまた次の人が使えるようにしてくれている清掃員さんがいるということに感謝。

会社で仕事していた時、清掃してくれる方にご挨拶はもちろんしてましたが、お礼はたまにしか出来てなかったなぁ。
前にお菓子を沢山貰って少し余った時にお渡ししたら、すごく喜んで貰えたのを思い出しました。

本編では、一見変化がないような日々にも何かしら違うところはあること
いつも穏やかに見える人にも、人には言わないけれど悩みも痛みも抱えながら一生懸命生きていることがひたすら描かれていました。

アップになった役所さんが見せるいくつもの表情の中に、主人公の人生の悲喜こもごものすべてが凝縮されていた気がして、ただただ静かな映画だったのに思い出す度に何か色んな感情がぐるぐると次から次に湧き出てくる作品でした。


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