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【3日目】破格のきっぷ!西日本グリーンきっぷで乗り放題の旅 ~京都の穴場を味わう編~


◆3日目(令和6年2月25日(日))

1 新宮→新大阪→京都

午前6時前にホテルをチェックアウト。
今朝の新宮市は雨が降っていて風が強いです。
空はうっすらと明るくなってきています。

駅前のローソンで朝食用のサンドイッチや温かい缶コーヒーなどを買います。
ちょうど店内に朋友Kが入ってきたところでした。
朋友Kは今回の旅の同行者で、私とはホテルが別です。

新宮駅のホームには、6時29分発京都行き「くろしお12号」がすでに停車しています。
これに乗って新大阪へ向かいます。
くろしお12号は6両編成で全席指定。
グリーン車指定席の乗客は我々を含めて3人だけです。

空が明るみ始めた新宮駅で発車を待つ「くろしお号」

列車内でコンビニで買ったサンドイッチと缶コーヒーをいただきます。
朝が早いからか、朋友Kは早くも眠りについています。

前日は、新大阪からくろしお1号に乗って新宮にやってきたわけですが、本日は同じルートを逆戻りします。
そのため、詳しい内容は前日の乗車記にゆだねることとして、新宮から新大阪までの内容は大幅にカットします。

紀勢本線に乗っていると気づくのが、架線柱に津波避難の案内看板がついていることです。
案内看板には緑色の矢印が書かれています。
座席の背もたれポケットに入っている説明書を見ると、線路外に出るための誘導矢印のようです。

左下の絵が架線柱についている案内看板

沿線は高速道路の建設が所々見られます。紀伊半島一周の高速道路実現に向けて工事が進んでいるようです。
高速道路が完成すると、紀勢本線にとってはますます不利な状況になるのかなと心配しています。

白浜で時間調整のため7分間停車します。

白浜駅停車中のくろしお号

湯浅駅で昨日乗った「くろしお1号」とすれ違います。
昨日と違って客は少なかったです。

外は相変わらず雨が降り続いています。

もう菜の花が咲き誇っています

和歌山を出ると阪和線に入り、指定席はほぼ満席とのアナウンスが入ります。
天王寺から大阪環状線に入り、大正を過ぎるころ、大勢のランナーの姿が見えました。
今日は大阪マラソンが開催されているのです。

雨の中を駆け抜ける大勢のランナー

10時51分、新大阪駅着。
結局、朋友Kは新宮から新大阪までのほとんどを眠り通していました。

キャリーバッグを預けるため、改札内のロッカーに向かいましす。しかし、空きが全くありません。
予定では新大阪で荷物をロッカーに預けて京都に向かい、観光するつもりでした。
仕方なく預けるのをあきらめて、キャリーバッグを持ったまま、11時5分発草津行き新快速に乗って京都に向かいます。車内は混んでいて、外国人が目立ちます。

2 京都観光

11時29分、京都着。
京都駅内でロッカーを探すことにします。
嵯峨野線のりば近くのロッカーに着くと、思ったよりも空きがあったので安心しました。
3年ぐらい前に京都駅を訪れたとき、コロナ禍にもかかわらず、ロッカーの空きが全くなくて、探すのに苦労したことがあったからです。
朋友Kの荷物と一緒にキャリーバッグを大サイズのロッカーに預けます。

地下鉄京都駅に行き、窓口で地下鉄・バス1日券を買います。
このきっぷは、磁気カードになっていて、1,100円で地下鉄と市バス全線が乗り放題になるというお得なきっぷです。
京都の地下鉄は市内を東西と南北で十字形に走っていて、バスは市内各地を網羅しています。
そのため、地下鉄とバスを組み合わせて移動すると、効率よく観光地を周ることができるので、この1日券は京都観光にはオススメです。

地下鉄・バス1日券

まず、京都駅から地下鉄烏丸線で烏丸御池に行きます。
地下鉄を降りて地上に出ると少し雨が降っていました。
駅から徒歩5分ぐらいにある「キッチンゴン六角本店」に入ります。ここで昼食をいただくことにします。
12時10分に事前予約していましたが、少し早く着きました。

店内は満席で外には並んでいる人が数人います。
ゴンランチ(ハンバーグ)を注文。これはミニピネライスとハンバーグのランチです。
「ピネライス」とは、聞きなれないメニューとは思いますが、チャーハンにとんかつがのって、その上にカレーソースがかかった京都のB級グルメなのです。

ゴンランチ(ハンバーグ)は1,200円

ピネライスは初めていただきます。今までに経験したことのない味で、チャーハン、とんかつ、カレーソースが絶妙にマッチしています。

これが京都B級グルメのピネライス!

満足いく昼食を終え、ここからは、①金閣寺→②銀閣寺→③蹴上(けあげ)インクラインの順で回る予定でしたが、朋友Kの提案で、①蹴上インクライン→②銀閣寺→③金閣寺と逆の順で回ることにしました。

まず、烏丸御池から地下鉄東西線に乗って蹴上に向かいます。
地下鉄蹴上駅で降りて、地上に出て少し歩くとレンガ造りのトンネルがあります。

「ねじりまんぽ」という蹴上インクラインの下を横断するためのトンネル

トンネルをくぐって右折すると蹴上インクラインのレールに着きました。

これが蹴上インクライン

「蹴上インクライン」とは何かというと、明治時代から昭和時代にかけて、舟を乗せて走る鉄道があった廃線跡のことです。
疏水上流の蹴上船溜と下流の南禅寺船溜の全長582mを結んでいました。
舟を台車に乗せて、ケーブルカーと同じ原理で運んでいました。
レール幅は、なんと2,540mmもあり、これはJR在来線1,067mmの約2.4倍もあります。
1891年(明治24年)から運航し、舟運の衰退とともに1948年(昭和23年)に役割を終え、現在、廃線跡は京都市の文化財に指定されています。

舟を乗せる台車

廃線跡を下流の南禅寺船溜へ歩きます。
沿線には桜並木があり、春は桜の名所としても知られています。

疏水上流の蹴上船溜方向を見たところ

南禅寺船溜に着くと京都市動物園が見えてきます。
蹴上インクラインをあとにして、動物園の横を通り、岡崎公園動物園前バス停まで歩きます。

ここからは、銀閣寺、金閣寺の順に訪問します。
朋友Kはどちらもまだ一度も行ったことがないということで、今回の行程に入れました。
まずは銀閣寺に向かいます。

銀閣寺前でバスを降りて参道を歩き、受付で入場券(400円)を買います。
入場券はお札の下が半券となっています。

ちょっと変わった銀閣寺の入場券

銀閣寺は正式名称を「東山慈照寺(とうざんじしょうじ)」と言います。
室町幕府の将軍、足利義政が1489年に建てたもので、禅宗の寺院である慈照寺の中心的な建物として観音殿が建てられました。
観音殿は世界遺産に登録されており、東山文化を代表する建築物とされています。
観音殿が通称として「銀閣」と呼ばれているのです。

観音殿銀閣

観音殿の前には、白砂を波形に盛り上げた銀沙灘(ぎんしゃだん)と円錐型の向月台(こうげつだい)があります。

観音殿の前に広がる銀沙灘と向月台のコントラストが美しい

銀閣寺を出て、次は白川通の銀閣寺道バス停から204番のバスに乗って、金閣寺に向かいます。
深刻なオーバーツーリズムで京都のバスは観光客であふれているというニュースをよく耳にしていましたが、天気が悪いせいか思ったよりも観光客は少なく余裕で座ることができました。

銀閣寺道バス停に近づく京都市営バス

途中、北大路バスターミナルを経由するのですが、ここで運転手が交代するため5分ぐらい停車しました。
金閣寺道でバスを降りて黒門から金閣寺に入ります。
銀閣寺に比べて観光客が多く、特に外国人観光客が目立ちます。

鹿苑寺黒門

黒門から真っすぐ歩くと総門に着きます。総門をくぐると受付があり、入場券を買います。
金閣寺の入場券も銀閣寺と同じくお札のようになっていました。

金閣寺の正式名称は「鹿苑寺(ろくおんじ)」と言います。
臨済宗相国寺派の寺院で室町幕府3代将軍足利義満によって造営されました。
舎利殿「金閣」が特に有名で、金箔が貼られた美しい姿から「金閣寺」と呼ばれています。

順路に沿って進むと、庭園に囲まれた鹿苑寺舎利殿が静かに現れます。
あいにくの天気ですが、その美しさに見とれてしまいます。

世界文化遺産にも登録された金閣寺

金閣寺をひととおり見物したあと、金閣寺道バス停から205番のバスに乗ります。
バス停は行列ができていました。
バス停ではスタッフが英語も交えて行列の整理をしています。

西大路御池でバスを降りて、西大路御池駅から地下鉄に乗り換えます。
16時15分発びわ湖浜大津行きに乗るために、乗り換え時間が2分ほどしかなかったので朋友Kと全速力で走ります。
皮肉なことに、地下鉄東西線の駅は地下の奥深いところにあるため、長い階段を駆け下りなければなりません。
電車には何とかぎりぎり間に合いました。

3 京阪京津線の魅力

さて、これから乗るびわ湖浜大津行きの電車は少し変わっています。
まず、西大路御池を出ると、地下鉄東西線を走行します。

地下鉄東西線を走行中の前面展望

そして、御陵(みささぎ)から京阪京津線に入り、地上に出ます。

地下を抜けて地上に出ました

追分駅を出ると、かつては関所として知られた逢坂山を越える区間に入ります。ここは最大61‰(パーミル)にもなる日本有数の傾斜となっています。まさに登山電車のような路線です。

無事に山越えを終え、上栄町を出ると車道との併用軌道に入ります。
ここからは路面電車になります。

併用軌道に差しかかるところ

つまり、この電車は地下鉄、登山電車、路面電車という3つの顔を持つ三刀流の電車なのです。

終点のびわ湖浜大津駅で降ります。
一日乗車券のエリア外なので、乗りこし運賃240円を支払います。

びわ湖浜大津駅前

駅前のペデストリアンデッキからは琵琶湖を望むことができます。

奥に見えるのがびわ湖。雨が降っていて肌寒かった。

びわ湖浜大津駅からJR大津駅まで歩き、17時17分発新快速姫路行きに乗って京都へ向かいます。

大津駅に入線する姫路行き新快速

京都駅のロッカーから荷物を取り出し、17時41分発サンダーバード32号の自由席に乗って新大阪へ向かいます。
西日本グリーンきっぷは在来線特急の自由席は乗り放題です。しかし、来月(3月16日)のダイヤ改正でサンダーバードの自由席が全廃されることになっています。
そうなると、このきっぷの指定席の制限が6回までなので、実質的に特急に乗ることができなくなるのだろうか。

JR西日本の在来線特急は全席指定席の運行に切り替えている。

新大阪で降り、普通電車に乗り換えて、1駅戻った東淀川で降ります。

今は橋上駅舎となっていますが、昔の駅舎の写真が展示されていました。

駅前にある中華料理「味悟空」という店で夕食をとることにします。

目立つ外観のお店でした。

「餃子どんからセット」を注文。丼は中華丼をチョイスします。
朋友Kも同じものを注文しました。

味はやや薄めだけど、ボリュームがある。

新大阪に戻って、お土産を買い、19時54分発鹿児島中央行きみずほ615号に乗って九州へ帰ります。

いよいよ旅も終わりに近づく

6号車グリーン車で博多までのぜいたくなひとときを味わいながら、22時18分、博多着。
西日本グリーンきっぷ乗り放題の旅が終わりました。

4 旅の感想

今回の旅は、北陸の金沢、紀伊半島の新宮、そして京都と、きっぷの特性を活かしてあちこちを飛び回った行程でした。
北陸と言えば、能登半島で今年(令和6年)1月1日、マグニチュード7.6の地震が発生。
輪島市の中心部「朝市通り」で発生した大規模な火災は衝撃的で、呆然と映像で眺めることしかできませんでした。
実は、この1年間で北陸を訪れたのは3回目で、昨年3月には能登半島の和倉温泉を訪れました。
観光需要が落ち込む北陸を旅することで応援しようと今回の行程に金沢を入れました。
近江市場、ひがし茶屋街、兼六園など、金沢の主な観光地は、思ったよりもにぎわいが戻っていたので安心しました。
しかし、最も大きな被害を受けた能登半島の復旧は時間がかかりそうです。復旧した際には、ぜひ能登半島を訪れてみたいですね。

                               おわり



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