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わたしの名前だから、解釈する。ー『それ、勝手な決めつけかもよ?』を読んで

麗。
名前を褒められることは少なくない。
でもずっっっと、コンプレックス。


コンプレックス

苗字3文字+名前1文字という字面は無駄に格好がつく。便利。覚えてもらいやすいとか、名簿で見つけやすいとか。

一方、字が持つイメージがあまりに自身とかけ離れているので損してるなあとモヤモヤすることは多々、でも実際に損をしたことはない(と思う。気づいてないだけかもしれない。)

名付けの権利を得たのは母親、なぜなら生まれたのが女子だったから。若いころX線の研究をしてみたかった(X-ray)、岸田劉生『麗子像』が好き、が由来だと聞いている(麗子にしなかった理由は長いので今回は割愛)。

文字の意味関係ないんかーい!って思うけど、まあ字を見たら大抵の人は「あー・・・(察し)」ってなるし、わたしもその相手の(察し)を先読みしてつらい。漢字を伝えるときも、うるわしいとは言いたくなくて「めっちゃ画数多くて難しいあれです、」みたいな曖昧な言い方。・・・ん?って反応がきたら仕方なく「きれい・・・の、れい、です・・・(あー言っちゃった・・・)」ってしょんぼりする。

もちろん親には感謝してる。
同時に「うるわしい、は勘弁してよ・・・」とずっと思ってきた。

ずっとずっとコンプレックスだったからこそ、
ずっとずっとどうにかしたいと思っていたこの気持ち。


自分のアイコン

あるとき、多分4〜5年前、なんでそう思ったのかきっかけはもう思い出せないけれど、麗の中に居る「鹿」に気づいた。

・・・いや、ずっと居たんだけど。
なんだか急に「あ、鹿が居るんだなぁ」って意識が生まれた。

そうしたら麗(漢字そのもの)とぐっと距離が近くなった気がした。
漢字のイメージばっかり注目して勝手につらくなっていたけど、鹿が居るって思えばなんかいける気がする、という妙な感覚。

いつからかTwitterのアカウント名に鹿の絵文字をつけて、鹿モチーフのアイテムをちょこちょこ見るようになった(中川政七商店の鹿の家族シリーズかわいい)。

鹿が自分のアイコン的な存在になったらいいな・・・
鹿が好きと思っていればいつか、自分自身のことも大切にできるようになるかもしれないという、願い。


わたしの名前だから、解釈する。

わたしの言葉の師匠(もちろん一方的に思っているだけ)である、コピーライター・阿部広太郎さんの著書『それ、勝手な解釈かもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』に、「自分の名前の解釈」があった。

前述した長年のコンプレックス、そして最近自分に向き合うことがしんどかったため、ちょっと読むのに時間がかかってしまったけれど。

 自分は名前をどう受け止めるか?
 どう解釈し、どんな意志を見いだすのか? 自分で決めてしまおう
 不思議なもので、名前みたいな人になっていくし、名前みたいな人生を過ごしていくから、自分の希望をそこに込めてしまおう。
 自分の名前の育ての親は、他ならぬ自分自身なのだから。
 (第1章 自分篇・自分の知らない自分と出会う より)


わたしが鹿を見つけたのって、解釈だったのか・・・

こういうのに合ってる間違ってるはないと思うけれど、ピンポンピンポーン!て正解音が聞こえた気がして嬉しかった。


もう少し具体的にしてみたいな。

鹿と、丽(レイ)(ふたつ)とから成る。二頭のしかが連れ立って移動する意を表す。ひいて「つらなる」、また、「うるわしい」意に用いる。
『角川新字源 改訂新版』(KADOKAWA)

鹿の上にのっかっている「丽」は角で、それが美しいの意味に、という記述も見かける。
・・・あれ眉毛と目じゃないよねそうだよね・・・(そう見えない?)
しかも角ってオスじゃん。まあかっこいいからいっか〜

・・・本来の意味はこのくらいのゆるさで捉えておくのもありかなと思う。
それはそれ、これはこれとして。

解釈するんだよ、こっから。だってわたしの名前だもんね。


直感を信じて

字の意味を考えれば、かっこいい角や二頭が連れ立って移動するってところに寄るべきなんだろうけど、やっぱりピンとこない。
この「ピンとくる」って感覚、自分のこととなると結構頼りにしちゃう。
好きの感情に近いし、その感覚自体は瞬間的なものだけど、長続きしそうな気がするから。


鹿の凛とした立ち姿がわたしはとても好き。そんな空気をまといたい。

いまのわたしはこれで十分だ。
自分の名前を、前に進むエネルギーにできる。

名前がコンプレックスであることは変わらない。
完全に取り払えるとも思っていない。

でもこの先もしかしたら、うるわしさを目指したくなるかもしれない。
連れ立ってくれるもう一頭が増えるかもしれない。

いま理解して終わりじゃなく、先も見えたから。
またきっと、名前を再解釈して自分と出会い直す日が来ると思う。


ちなみにキャラクターで言うと『もののけ姫』のヤックルがとっても好き。

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・・・鹿じゃないんかい!

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