トヨタ自動車が自転車ビジネスに参入してた?
自転車による物流配送事業のニーズが増えた影響だろうか、トヨタ自動車が自転車の物流産業へ自転車を供給し始めている。
結局、電動に勝るものがない以上、電動アシスト自転車に行き付いてしまう。
フリーパワー(フレキシブル・ギア)に勝る画期的な油圧ポンプでも付けてくるのかと期待したけど、チェーン駆動のままなのも期待外れ。
チェーン交換も不要で自動車のようにメンテナンスを行う必要性のない駆動システムを導入して欲しかった。
フリーパワーのようなシリコンゴムの反発力でペダルを軽くするというような発想は不要だと思う。
自転車のシャフト式の駆動システムは人気がない。
中華製の自転車では、ドライブ・シャフトにシマノ製の7段無段階変速式の駆動システムを使用してる物がある。
トヨタが一番得意とする遊星歯車機構を使った無段階変速システムなどを自転車に転用すれば、貨物運搬目的の自転車であればコストに見合うだろう。
中国が真似るからリバース・エンジニアリングの対策として、無駄な物を作らないという姿勢は、日本の企業精神やモノ作り精神が廃れて来てる証拠なのだろう。
車屋には、車屋にしかできないモノ作りがある筈なんだけど、その辺の考えも最近は合理的という言葉で片付けられる。
上の画像はドイツで考案され、セールス的にも構造的な理由でも失敗した「インタードライブクランク」システム。
反力の返りを受ける脚への影響を考えていなかった事が原因。
一般的な人達は、上死点と下死点という発想がないので、自転車を漕ぐ力を入れるタイミングを理解してない人が殆んど。
このシステム自体の考えはフリーパワーと全く同じなんだけど、インター・ドライブ・クランクはウケなかった。
ペダルを漕ぐのではなく、蹴るという発想に変えると普及したと思うんだよね。
貨物輸送も含めてドイツなどでは、機械システムを盛り込んだ自転車が作られている。
こちらは、赤いタンクが水素になっていて、水素を燃料電池の燃料として電気に変えて稼働するオモシロイ発想の自転車。
クロネコヤマトなどの配送も、こういうデザインの自転車だったら何となく良さそうな感じもするよね。
最近、やっとヨーロッパのデザインを取り入れて、少しはカッコウ良く見えるようになったよね。
音を聞いても分かるけど、重量物を運ぶ自転車では、約160kg前後の貨物を運ぶ。
チェーンの音が聞こえるほど、ペダルに荷重が掛かっている。
電動アシストするのは、日本の場合、クランク側をアシストするようになってる。
海外では、駆動輪をアシストする物が多い。
チェーンの負荷を下げる効果が認められる。
一定以上の負荷がチェーンに掛かったら、モーターでチェーンの負荷を下げるという発想なら良いと思う。
シャフト・ドライブ方式が普及しない理由の一つが、トルク伝達における問題。
チェーンの方がダイレクトに力を伝える効果がある。
例えば、ダンパを介したステップマシンというモノがある。
上の動画は、車のショック・アブソーバーを使って蒸気機関を作った例。
大勢の人達は、クランクを回すという発想しかないけど、色々な形で回転運動が作れる事を忘れてないだろうか。
自動車エンジンのピストン運動など、その典型だろう。
特に、ピストンを介して言うと油圧という面白い物がある。
私達は、車を止める時にブレーキを踏みますけど、ブレーキにはマスターシリンダーというモノが取り付けられていて、油圧でブレーキを押さえつける事で、倍力を使ってブレーキを利かせて車を停止させます。
容積率によっては、10倍以上の力を伝える事も可能なのです。
ピストンを踏み付ける運動量とストローク量にもよりますが、油圧を使う事で油圧ピストンを動かしてストローク運動を作る事も可能です。
ストーク運動は、そのまま自動車のエンジンと同じようにクランク軸を介すことで回転運動を作る事も可能です。
180°の上死点と下死点が、我々の自転車のペダルを踏む運動と同じだと理解できる筈です。
自転車のタイヤをダイレクトに回せば、一輪車と同じなので人間の足で直接タイヤを回すのと同じになり、膝の負荷も歩く時と同じだと理解できる。
油圧を使えば、5倍、10倍の力を伝達して回す事も可能になる。
油圧を回転式のピストンポンプとして活用することで、油圧を連続して送り続ける事ができる。
圧しているピストンの量を板の傾きで調整して、油圧(オイルの流量)をコントロールできる。
これに似たシステムを使ってるのが、OYO Bike の油圧式の駆動システム。
あちらはタービン式ですが、おもしろい仕組みを自転車に取り入れてます。
一般的な自転車では、装置の大型化は好ましくないのですが、輸送などを担う自転車には、油圧や機械式の制御があっても良いと個人的に思う。
本気で物流産業界を動かすだけの新規流通の分野を開拓するのであれば、電気を使えない時でも利用できる機械システムを導入して欲しい。
特に、チェーンに変わるアイデアをトヨタには見出して欲しい。
蒸気機関のバルブに学ぶ流体の流れと圧の関係。
流体の移動は、気体も液体も同じような形で流れる。
違いは、圧縮される圧縮率の違いにより、収縮するか押し出されるかの違い。
オイルを蒸気機関の蒸気に見立てて、オイルの流れでピストンを動かすというアイデアの商品は、油圧を使う重機くらいしか見当たらない。
人間の足で踏み込んだ踏力を油圧として送り出す事で、バルブの力の調節をしてオイルの圧を調整すれば、機関車と同じような動力が作れる。
考え方の視点を変えれば、色んな物がまだまだ作れるという事です。
既存の物に捉われない、自由な発想を持って欲しい。
※ インボード式のサスペンションやエンジンのロッカーアームなど、プッシュロッドを取り入れてる部分は沢山あるので、自動車製造を行う企業であるなら自動車メーカーならではのアイデアを盛り込んだ技術を見せて欲しい。
ホンダがトヨタのエンジンを作り続ける提案を断った事からも分かるように、日本の技術力は利益を求める余り、これから衰退して行く事が理解できる。
中身のない技術には、世の中は反応しない。
ロッカーアームやプッシュロッドのように、中間に物を介して動力を伝達するという考えや僅かな機械的なタイムロスを補う発想があって、物は作られている。
知恵と工夫を盛り込んだ斬新な発想に人は興味を持つ。
機械式の手巻きの時計を好きな人が、未だに大金を出して時計を購入するように、機械仕掛けには人を魅了する人の知恵が詰まっている。
最も画期的な油圧という発想を活かしきれてないのが、今の人間社会の現実なんだと思う。
油圧などで交互に物を圧したい時に、こうしたアイデアが生きてくる。
今の自動車会社に期待する物は何もないけど、こうした色々なアイデアは YouTube 上で幾らでも拾える。
青の動きだけ、赤の動きだけという、それぞれの動きを一つに分けて、二つの動きを別の溝に合わせて作ることで、円を上下して押す動きを一方向に作り出せる。
電気に頼り過ぎずに機械の重要性に気付けると、自動車産業界の考えも少しは変わると思うのに…
レシプロ飛行機のガソリン・エンジンの多くが、未だにマグネトー点火方式を採用するのは、電子制御による点火ロスによる失火でノッキングが起きるから…
自動車エンジン業界が捨てた技術が、未だに航空機エンジンでは採用され続けている。
※ マグネトー点火は、刈払機(エンジン草刈機)や昔のバイクで使用されていたエンジンの回転で発電して、発電した電圧を増幅してプラグに点火する最も古くて安定した点火方式。
航空機のように、一定の回転数を維持するエンジンであれば、マグネトー点火方式の方が安定して火花を得られる。
不安定な電気をバッテリーから得てコントロールする訳だから、実際にはタイムロスも生まれてる。
未だにEVの制御が難しいのは、バッテリーから得られる電力と電気エネルギーが目では見えない物だから制御が難しい。
季節や温度環境など、電気は一定の形では消費されない。
冬場は著しく走行距離が短くなる性質を克服してない。
それが欧州や北米で起きたEV離れの現実問題。
油圧などは、人の力と使用する環境で大まかな数値の範囲を確定して出す事ができる。
電気は、その辺の誤差が大きいのが特徴だったりする。
電子制御というのは、移動を常とする自動車のような環境では扱いづらい。
自動車でも扱いづらいものを自転車に応用してる訳だから、緊急時に充電が切れた時は、使い物にならなくなる事を理解してない。
機械はメンテナンスを続ければ、単純で壊れる場所も分かっているので対応しやすい。
もう一度、機械原理に立ち返る事をお勧めする。