ベトナム COVID-19第二波状況 Raffles Medical中島医師によるまとめ 2020年8月10日現在
◆私の自主隔離、明けました
さて2020年7月にCOVID-19第二波に見舞われたベトナム。中部地方ダナンで陽性者が見つかって以降、例によって素早い対応を繰り広げています。
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実は我が家も自宅隔離状態。7月の上旬に家人がダナンに行っていたため、
7月1日以降に、ダナンに行った人は健康申告をした上で検査を受けるように
と言う指示を守り、自主隔離。ダナンに行った当人だけが該当者でしたが、筋を考えれば、万が一陽性だった場合、一緒に住んでる家族も一蓮托生なので、私も義務はなかったけれど、自主隔離。
2週間内に健康申告と検査が終わり、検査結果までもらえて無事、陰性。よかったよかった。
ただ今回はあくまで該当者だけの自宅隔離措置だったため、街全体が都市隔離された第一波時よりもまだ開放的。一緒のマンションに住んでるお友達がお買い物を手伝ってくれたりしたこともあり、あまり不自由は感じず。
ともあれ、よかった。
と言うわけで、私もプライベートでお世話になっているRaffles Medical Ho Chi MInhの中島医師が、Facebookに色々とまとめてくださっていて、それが今回の概要をつかむのにとても的確なのと、ベトナムの状況がよくわかるので、私自身が記録として残しておきたかったのでこちらにまとめ。
◆陽性者の行動経路の確認・接触者の隔離と検査
まず陽性が判明した人からは行動経路を徹底的に聞いて、その人が立ち寄った場所や時間を公開して、該当場所・時間にそこにいた人に自主隔離なり健康申告からの検査を促す指令が出てました。
検査と隔離はセット。なぜならPCR検査は絶対ではないから。本気で感染拡大を防ごうと思ったらこれは大前提、と中島先生も言われてます。そして少しでも疑いのある人には優先順位をつけて検査。
我が家の例でいうと、同じ日にダナンの同じ場所に行った人でも、1区在住の方の方が早く検査され、中心街から離れている我が家は1週間ほど彼らに遅れての検査となりました。
人の流出入が多く感染拡大をより効果的に防ぐためには、1区の方が優先されるのは考えてみれば当たり前。なのに待っていてもなかなか検査の連絡がこない事に私の方がヤキモキ。当事者の旦那さんの方が冷静で、優先順位のことを冷静に諭してくれたものです。当事者から諭されてどうする(苦笑)
◆第一波時とは違う第二波への対策
正直初動時、まだ政府からの諸々の発表が出るまでは国民サイドで「また第一波の時と同じように大々的な年隔離になるのではないか?」という不安と予測が飛び交っていたのですが、そういうことにはならず…
第一波時の経験を踏まえて、最も効率的且つ、経済被害などが最小限で止まるように、という、非常臨機応変で的確・明確な目標を掲げて実行。それをただやるだけでなく、そのメッセージがちゃんと国民に届いている感があったのが、すごいなーと。
中島医師も言われてますが、非常に計画的。それをとても短期にパパッとやっていく。急な展開に巻き込まれた当事者の皆さんは大変だったかと思いますが、そんな方々が頑張ってくれたおかげで拡散が最小限に止まった、と思います。
◆アプリの活用
こんな試みもされています。
今現在、iOsではダウンロードリストに載っていないようですが、既にかなり活用されてる人も多い様子。これ、SMSやSNSで個人宛に国の保健局から「こんなアプリ作ったやで、活用してや?」というのがガンガン送られて来てました。
つまりは国が、個人の所有する携帯番号を把握しているということで、個人情報を優先されたらできないこと。なので日本では参考になりませんが、その他のお知らせも個々人に行き届くようにする術があるというのは、第一波時にも「有効だなぁ」と感じたものでした。
◆プロパガンダの有効活用
また実利的な決定・制限を課す一方で、
ここにあるようなプロパガンダが大変お上手。
FBではこのポストを引用させてもらって書いたんですけど(写真とタイトルにリンク貼ってます)、ほんと、最前線で多くの人の治療にあたり、それ以外の人の命を守ってくれてる医療関係者を避けたり暴言吐いたりというのはもってのほか。
ベトナムにもそんな言動が全くいないとは言いませんが、少なくとも「国が率先して彼らを讃えて敬意を示している」ことで、多くの国民もそれに倣っていると感じています。
というか、これは当たり前のことだと思う人が多いと信じたいところですが、国がまず姿勢を示す、というのは大事だなと。そして国全体の敬意が医療関係者に向くことによって、彼らの力に少しでもしてもらえれば、引いてはそれが国の安全につながり、国力になる。私はそう思うので、ベトナムのこの動きに関してはとても素晴らしいなと思ってます。
◆国民の自主的な取り組み
また医療関係者だけではなく…
群や市民が隔離状態にある人たちのために食事の準備をされたりなど、第一波時にも見られた「助け合い」の精神を躊躇わずに速攻行動に移すところは、この国の方々の素敵なところだなぁと。
元記事は↓になります。
◆自主隔離中の個人的雑感
さて、自主隔離をしている間に、自分が主催予定のイベント、打ち合わせなどで人と会う予定10件近く、取材に行けなくなったため約束していた案件の延期5件ほどなど、予定の変更を余儀なくされ、いろんな方にご理解をいただかないといけなかったのですが…
みなさん、こちらの都合で予定を変更されたにも関わらず、まずおっしゃって下さったのでが「お買い物とか、できることがあったら言ってください!」というもの。もしくは「賢明な判断だと思います!」と最大限の理解を示してくださったこと。
これがどんなに気持ちの上で助けてもらったかわからない。全くのこちら都合なので、予定変更に関して文句の一つも言われて仕方ないところ、そんな風に言ってもらえるとは、ありがたいことこの上ない。
そういう経験をしたので、引き続き自主隔離が必要になったという人の話を聞いても、私も「何かできることがあったら!」という気持ちになれます。そして同じように、多くの人が自粛する人に対しての理解がとてもあるように思えます。
第一波時に初めて「隔離」という言葉を聞いた時には恐ろしく感じた方も多かったかと思いますが、その経験が今はできていることと、「隔離」を無事に終えた人を労う場面を作ったり、感染・罹患しなかった人に喜ばしいことだと表現するなど、国が行ってきた対応が奏功している部分も大きそうだなと感じました。
いいことばかりじゃ、ないです。
第一波時の経済的ダメージが回復しきれない内のこの事態。なんとか持ちこたえてきた企業にも危機が及んでいるようで、苦しい側面もあることは事実なので、諸手を挙げて「ベトナムすごい!」とは思いませんが…
命あっての物種、という点を考えると、やっぱり上手にやってるなぁ、と。プロパガンダは常に良い方向にばかり使われるとは限りません。諸刃の剣です。ですがこのCOVID-19に関しては、実感として実に巧みに効果的に、客観的に見ても理にかなった賢い活用をされてるなぁという感想。
そしてこういう時に見習うべきベトナムの人の躊躇のない親切や行動力。外国人の自分にできることは少ないかもしれないけど、できることはやっていこうと改めて。
まだ完全終息したわけじゃないですし、一時帰国も気軽にできない(帰国がというより、ベトナムに戻ってくる時が大変)状況が続きますが、どうか皆さんご無事に過ごしてまいりましょうっ。
またきっと日本の方にはベトナムに遊びに来てもらえることを、そしてベトナムにお住いの方は日本にいるご家族やご友人に会いに帰れることを、そして恋しい日本食など必要なもののお買い物行脚ができること切に願いつつっ。(私、化粧品の在庫がそろそろヤバイですw)
2020年8月11日
ちぇり
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