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008 ちぇりがホーチミンを好きな理由 No Good is Good ?①

◆今回ちょっとこじつけです

別にこれはホーチミンに住んでなくても気づけたことかもしれませんから、本当なら「ホーチミンを好きな理由」には入らないかもしれません。

でもホーチミンの環境だから気づけたことでもありまして。
キーワードは、プール。

プールつきの家、では流石にありませんが、日本だったらマンションでも、プール付きってそんなに多くはないと思うんです。ってか、私の経験値なので地方での話ですが。

ジムやプールは、スポーツクラブに行って楽しむもの、という感じが自分の中にはありました。

が。

ホーチミンだと、結構マンションについてたりする。
大型レジデンスでなく、例えば5〜6階建て、全戸数20戸程度のこじんまりしたところでも、豪華ではないにしろ、プールがあることが珍しいくない。

まあ常夏なんでね。プール作っても数ヶ月しか使えない日本のような気候だと、屋内に作らない限りロスでしかないけど、ホーチミンなら年中使える。

ちなみにベトナムの方は泳げない人が多いと聞くので(学校の授業になかったり、そもそもプールが学校になかったりらしい)、おそらくは外国人居住者をターゲットにしたものであるっぽいのだけど、ともかくプールが日本にいる時よりは身近な気がします。

◆我が家のプールはショボいプール

さて、巨大マンションビル群が集うような施設内のプールは、どこのリゾートホテルのプールですか?!って感じなのですが、我が家はとってもこじんまりとしたマンションなので、プールもとってもこじんまり。

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20m、ギリギリあるかないかのこじんまりさ。
泳げる人にとっては、風呂に浸かるのと大差ない程度ではなかろうか。

ただ、自分にとってサイズは全く気にならない。もともとカナヅチに近い人間。あまり広いと途方に暮れる。時々ドザエモン式にぷかぷか浮いているうちに、溺れるほどではなくなったけども、やっぱり泳ぎは下手くそのまま。だからプールの広さは大して気にしてなかったのです。

さらに言うと、人を招待するわけでもないので、小さかろうがショボかろうが気にならなかった。ただ「ショボいな」と思ってただけ。

ですがっ。
気づいてしまったのですっ。

◆ファスティング時の運動に

ワタクシ最近ファスティングをしたのですが、その際に、軽い運動をするように勧められました。

ワタクシのライフワークとも言える「食う」という所業を一切絶っての人体実験、ファスティング。できれば、より大きな効果を上げたい。だから運動はした方が良さそうだ、と思ったものの…

ジムワークは大嫌いだし、外にわざわざ出かけてやる時間が惜しい。ウォーキングもピンとこない。そもそも膝を壊して以降は、ホーチミンのガタガタ道が辛い。激しい運動が難しい。

となると…水泳だ。
都合よく我が家にはプールがあるではないか。膝にも優しく、エレベータに乗る30秒しか時間もかからない。無理やりいやいやヤットコさ運動をしようと思うようになった意識の低い人間に対し、最大限ハードルを取り除いたソリューションが、我が家のプール。

灯台下暗しである。
そして実際に初めてみると…すごいことがわかったのですっ。

◆ショボいの万歳

なんども言うが、我が家のプールはショボい。
しかしショボいからこそ…

いつ行っても人がいない!!
常に貸切!!!(笑)

これが、私にとってどんなに気やすさを与えてくれたか、ご想像いただけるだろうか?

一応溺れない程度にはなったものの、犬かきにも及ばないちぇりかき、監視員がいるような施設なら、私が泳ぎ出した途端に彼らがすっ飛んでくる勢いの無様さである。これをもし…

リゾートホテルのプールさながら、優雅でゴージャスなプールで、且つ、多くの人が行き交う衆人環視の中でやるとなったら、ワタクシのガラスのハートはあっという間に粉々だ。

そしてワタクシの水着は、黒。
多少一部に柄は入っているが、黒のワンピース。

昔は着脱が楽なビキニだったが、ずーっとプールに入り浸ってたら人生初・腹の部分が真っクロ黒に日焼けして、すっかり腹黒い女になってしまったのでやめた。

そもそも旅行先でどうしても必要に迫られた時用に、念のために買っただけの水着なので、ほかバリエーションも持っていない。だから常に、黒だ。

限りなく球体に近づきかけていた生物が、黒いワンピースの水着を着て溺れる様にあがいた後、ぐったりしながらプールサイドにゼーゼー言いながら這い上がろうとする様子を想像してみてほしい。

すわっ、たまちゃん※の再来か?!
と、ホーチミンのB級新聞に載ってしまうかもしれないではないか!!

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※2002年、多摩川に突然現れたアザラシの愛称・写真はネットから拝借
https://karapaia.com/archives/52052132.html

悪いことをして新聞に載る様なこともしていないのに、アザラシと間違えられて騒がれでもしたら生涯の笑いものである。自分の人生・書くもので人に笑ってもらってもらえるのは本望、と思っているけど、そんな笑われ方は、いやだ。

ましてやここは自国ではない。不要におさわがせしては大変にご迷惑。

◆他にもあったぞショボいが良いこと!

なんだよ、ショボいプール、なかなかいいじゃん?と思い始めてさらに気づいたことがある。

小さいことが、大変具合が良いのです。
これがいきなり、一片50mの、深さが自分の身長以上しかないプールだったら、恐怖感もあろうし、たった一片、泳ぐだけでヘトヘトになり、体力は使えても、たったそのためだけにどこかのプールに出向くと言う手間が大変煩わしかったろう。

しかしこのショボいプールは、一片が20m弱である。とりあえずちぇりかきでもなんとかなる。そして達成感があるのでやる気が湧いて、もう一回、もう一往復だけ、とやっているうちに、今では1kmを泳げるようになってしまった。休み休みではあるけれど。

そして貸切なので、いろんなことができてしまう。
例えばこれ。

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フローティングバー。まあ体を浮かせるためのものなんだけども、これをヨイショとまたぐとですね、立った姿勢で水に楽々浮けるのですよ。とっても安定感を保ちつつ。

で何をするかと言うと、自転車漕ぎ。
水中で歩くのって良いって言うじゃないいですか?膝に負担がかからずに、でも水抵抗は大きく受けるので、カロリー消費にはとても良いと。股関節も動かせるし。

しかしうちのプール、半分は足がつくけど半分は深い。なので歩ける範囲はほんのちょっと。でもこれで浮けば…?

立った姿勢で全身に水抵抗を受け、しかもなかなか進まない自転車漕ぎの要領で、がっつりカロリー消費ができる!ただその姿は…

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できれば魔女宅であって欲しかったけど、自分がまたがると、イメージするのはどうしてもこちら。これもまた、アザラシ報道に次ぐ忌避案件。できれば人に見られたくない。

それ以前に…例えば浮き輪だったり、泳ぐための補助備品(水かきみたいなのとか、水中ウォークマンとか)の持ち込みがフリーというのが大きい。これ、さすがに大きなプールや、利用客がごっそりいるようなところだと、難しいケースもあろうと思う。

とある公営プールなどは、男性のことしか知らないけど、水着のタイプまで厳しく指定されることがあると聞いた。

でも、自宅のショボいプールなら、誰もいないから誰にも迷惑かけないし、よほど水を汚すなどのこと以外は特に何も言われない。ショボいプール、万歳である。

◆ショボいはヘボいが悪くない

おそらく我が家にあるこのショボいプールは、一般的なスペックに照らすとダメダメだろう。

ここにシャンパンを持ち込んでも絵にならないし、泳げる人には使い物にならない規格。一般的に考えられる「素敵なプール」という基準だけで選んだら、最下位グループに入ると思う。

ただ、「一般的に良いとされるもの」だけが良いものなのかと言われると、私の場合はそうじゃなかった。

自分にとっては、「狭く」「ショボくて誰も来ない」「すぐに泳ぎ切れる小さいプール」であることが、大変大きな利点となった。広く豪華で広大なプールだったら、こんなにも習慣づくことは無かったでしょう。

転じて…

例えば人付き合いが悪いと言われる人も、実は黙々と研究を続けるのはとても得意な人かもしれない。派手なもてなしで人を喜ばせるデートができない人も、実はとても穏やかで、逆にいろんな人を受け入れてあげられる懐の広い人かもしれない。

高級品ではないけれど美味しいものはいっぱいあるし、煌びやかさはないけど落ち着きのある居心地の良いレストランは山ほどある。もちろんそれらの逆もあって、要は…

何がその時、自分にとって良いことなのかはその人次第。

人の基準ばかりを尊重するのは、本当に自分が必要とするもの、好きなものを逃すことにもなりかねんよな、という話。

No Good is Good

いやー、ショボいプールでよかったよかった。
ホーチミンの、人に見られない一角で、今日もちぇりアザラシは浮いてます。自分の気が向いたときに、いつでもすぐさま、お水にチャポン。

言ってみれば、これもホーチミンならではのお楽しみかな?
と思われます(^・^)

2021年1月30日
ちぇり

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