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認知症の急速な進行

10月21日 「近いうち限界がくるかも」と感じる。

今日の午前中の父親のようすは話しかければ反応があるし、トイレに自分から行きたいと言ったりと、割かし調子が良かった。

今後お世話になる訪問看護師の方が家にきてバリアフリーの状況を確認したりして、時刻は昼を回った。

私は風呂の大掃除をしたり、洗濯物をたたんだり、インフルエンザの予防接種に行ったりして、夕方まで忙しくしていた。その間父親は目を開けたりもしていたが、ほとんど寝ているようだった。

問題は夜だった。夜ご飯の時間に、普段はスプーンに適当に一口分を盛れば、自分で口に運んで食べる父親が、初めて「食べる順番」を気にして不機嫌になり、食事が中断したのだ。寿司を食べていたのだが、最初にいくらの軍艦をスプーンにのっけられて、とても嫌がった。その後も、自分で食べたい寿司ネタを選ばないと、スプーンをよけたりして、なかなか食事が進まなかったのだ。時間をおいて、ほとぼりが冷めるまで放っておけば、また食べ始めるが、それまでに毎回5分~10分ほど休まないといけなかった。これが、認知症患者によくある「強いこだわり」というものだ。

一つのことにこだわりすぎて物事が進まず、途中で飽きてしまったりやめてしまったりして、生活の動作が中断される。父親の場合はもとから几帳面できれい好きだったため、それが顕著に出てくる。たとえば、洗濯機の蓋が半開きで洗濯物がのぞいているのを見ると、全て中にしまって蓋をきちんとしめたがったり、突然ハンカチを並べて端からきれいに畳み始めたり、机に置いてあるお菓子をきれいに並べて整頓したがったり、裏返っているものを表に直して並べたり、シャワーの際に風呂場の壁についた泡をいちいちきれいに流したがったり...そんなことが今日の夕方以降で一気に増え、正直困惑し、「限界はいずれ来ること」を悟った。

今日は、みかんのネットに入っていた商品名・産地・ご当地キャラが書いてある紙をやけに気に入って、父親は何かをしたいようだった。でも、手が上手く動かず、言葉もあまりしゃべれないため、まわりに思いが伝わらずイライラしているようだった。私は、父親が気に入ったものをすぐにスマホの透明のケースの中に挟むことを知っていたから、それだと分かって解決できたが、できなかった場合癇癪を起すかもしれなかった。こういう時、もっと父親と一緒の空間で生活していればな、と思う。

「こだわり」については、多くの介護士が対処法を紹介しているので、うまく自分が疲れすぎないように改善していきたい。父親の場合は普通の認知症ではないので、「こうすれば進行しない介護の仕方」というものは一切ない。ある程度は自分の裁量で、うまく効率よくやっていきたいが、父親が嫌がることは極力したくない。明日は今日よりもっと悪くなっているだろうから、その方法を見つけられればと思う。

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