私の隣で 眠るように

12月24日 パパが天国へ行く。56歳だった。

午前2時まで父の隣で起きていたが、呼吸が落ち着き安定したため、安心して隣で寝ることにした。

午前3時30分ごろ目覚めた。寝息が聞こえないので心配になり、顔をのぞいた。呼吸をしていなかった。父は、静かに息を引き取っていた。

最期の時、隣にいることができたが、その瞬間を確認することはできなかった。父は、きっと私が眠ったのを確認して、安心して自分も眠ったのだと思う。

悲しかった。今までの人生で、一番悲しい出来事だった。苦しくて、悲しくて、涙が止まらなかった。一通り泣いて気がすむとしばらくは平気なのだが、また少しすると自然と涙が出た。父がこの病気だと知った時と同じぐらい、泣いた。

同時に、父はやっと楽になれたんだな、と思った。顔はにこやかに口を少し開けて、目は閉じて、眉間にはシワの1つもなかった。父は、笑っていた。

また、父は最後の最後まで私のことを忘れなかった。私が声をかければ、重い瞼を上げようとした。私が手を握れば、手を震わせて反応した。私は、こんなにも愛されていたことを、最後の最後で知った。親不孝な娘を忘れなかった父親の意地が、何よりも嬉しかった。

葬儀車が施設に到着し、父のことを気にかけてくれた職員全員にお礼を言った。車の中から、深々と頭を下げる職員たちが見えた。父と私は、この人たちに出会えて幸せ者だった。

これから一旦父と家に戻り、葬儀や相続のことを片付けて、2月から仕事に復帰する予定だ。残された私たちは、この出来事を乗り越えていかなければならない。父も、それを望んでいると思う。

今まで読んで応援してくれていた方々、本当にありがとう。短い間だったけれど、私とパパの経験が誰かの役に立てばとても嬉しいです。一旦このノートは終わりになると思いますが、また父との思い出を振り返るかもしれませんし、全く別のことを書くかもしれません。最後に、クロイツフェルト・ヤコブ病という恐ろしい病気の治療薬が、一刻も早く完成されますように。一人でも多くの患者さん、ご家族が救われますように。祈りながら、終わりにします。

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