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さのさんの研究#7 モデル反応による光源の評価

さのさんの研究#6によって,可視光(青色LED)でもTiO2による1-フェニルエタノールの酸化が進行することがわかった。なんと言うことでしょう。おそらく,東本先生の論文と同じことが起こっていると思う。以下,東本先生の論文の簡単な説明。

ベンジルアルコールは可視光を吸収しない。TiO2も可視光を吸収しない。なのに,ベンジルアルコールが酸化チタンに吸着すると可視光を吸収する。しかもそのエネルギーで光触媒的に駆動して,ベンズアルデヒドへと酸化される。

つまり,TiO2は可視光応答型光触媒ではないけれど,ベンジルアルコールが基質の場合は酸化されると言うこと。ちなみにこの論文で使用されているTiO2はST-01(石原産業)である。これはアナタース型のTiO2であるが,これがまた後々厄介になる。溶媒にアセトニトリルをしようしているが,これもまた厄介になる。実は,かなり限られた条件でしか駆動しないようだ。

さのさんの研究ではP 25(ルチル+アナタース)を使用すると可視光で駆動するが,アナタース(和光)では駆動しなかった。このことからルチル型TiO2が必要なのだろうと思っていたが,少なくともベンジルアルコールの系ではそうではないようだな。

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