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さのさんの研究#5 ブランク反応

反応条件の一つをわざと外すことで,その条件の影響を検討する。この反応をブランク反応という。例えば,触媒の影響を観たいなら,触媒を入れずに反応させてみればよい。これを触媒ブランクの反応と呼ぶ。

さて,この研究で検討したい反応条件は,1)フルオレセインで修飾したTiO2(光触媒),2)1-フェニルエタノール(反応基質),3)酸素,4)光照射あたりである。

ブランク反応

ちょっとわかりにくいな。反応条件(Entries)ごとに説明する。

Entry A

Photoirradiation(光照射)とFl-TiO2(光触媒)を入れない状態で4時間攪拌しても,Acetophenone(生成物)は得られなかった。酸素があっても,攪拌するだけでは反応が進行しないことがわかる。

Entry B

4時間光を当てても,光触媒(Fl-TiO2)がなければ反応はほとんど進行しないことがわかった。つまり,光化学反応は起こらないことがわかる。

Entry C

Fl-TiO2を入れて,光を当てずに4時間攪拌している。これでもほとんど反応は進行しなかった。

Entry D

これは通常の反応条件。光触媒と光照射の両方が揃って,初めて反応が進行することがわかった。つまり,本反応は光触媒反応である。ということが(ざっくりだけど)言える。


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