見出し画像

人に薦められた小説を素直に読む人になったよ【鬼人幻燈抄】


友達から何かをオススメされることがある。上のツイートの場合は「鬼人幻燈抄」という小説だ。
できればその気持ちを素直に受け取り、気前よく「鬼人幻燈抄」を読み始めたいものだ。

しかしながら、大抵の場合重い腰が上がらない。今回もそうだった。
たぶん「予定」っぽさがあるからだろう。自発的に「やりたい!」「読みたい!」となるゲームや小説とは違い、「人に言われたから読まなきゃな…」といった予定っぽい感じが苦手だ。自分の都合を一番大切にしたい。

だから今回もオススメされたものをスルーしてしまうだろう。申し訳ないが……。





まあそこまで言うなら読むか……。






【鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々】とは?

江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年・甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会う――江戸から平成へ。刀を振るう意味を問い続けながら途方もない時間を旅する鬼人を描いた、和風ファンタジー巨編の第一巻。

https://www.futabasha.co.jp/book/97845752418530000000?type=1

今回、私が読むのは小説「鬼人幻燈抄」の一作目、「葛野編 水泡の日々」です。「和風ファンタジー巨編」とあるように、シリーズ全体で300年にわたる物語らしい。表紙を見る限り、主人公は侍の人間っぽいですが、どうやって300年も経つのか気になる……タイムマシンがあるわけでもなさそうだし……。




※注意!!!!!!!!!!!!
このnoteは鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々のネタバレをめ~~~っちゃめちゃ含んでいます。読んだことがない人や読んだけど内容忘れた方が楽しめるよう配慮をしています。
逆に読んでなくて今から読みたい人への配慮はしていないので、そういう方は記事を閉じて今から読みましょう。kindleアンリミデッドで無料で読めるぞ!






序 みなわのひび

この章のだいたいの内容

5歳の甚太と妹の鈴音は、妹を虐待していた父親から逃げ出し、当てもなくさまよっていた。つらい境遇ながらも無邪気さを失わない鈴音を、甚太は「妹が何者だとしても最後まで兄でありたい」と誓うのだった。
甚太たちを救ったのは侍のような風貌で「巫女守」だという元治に救われる。元治の住む「葛野」という村で、元治とその娘の小雪と4人暮らしをすることになる。
小雪は母親と会ったことがなく父親も仕事で忙しいために寂しがっている。そんな小雪に甚太は「俺はずっと一緒にいるから」と伝えるのであった。5歳だよな?





この章の感想

重要キーワードが二つ出てくる。一つは「巫女守」でありもう一つは「二十代半ばでありだらしなく着物を着崩し飄々とした態度の元治」だ。
なぜなら、巫女の存在はたいてい神にまつわる奇習がある村の存在を意味するし、飄々とした成人男性の存在はこの世界は捨てたもんじゃないことを意味するからである。

小雪の母は「巫女」であり父はそれを守る「巫女守」であるから、小雪は日中寂しいっぽい。だからこそ甚太たちが家族になることを喜んだわけである。
ただ油断してはいけない。序盤に解消される寂しさはどうせ後で再発するからである。つまり、少なくとも甚太と小雪は悲しく別れることになるだろう。ゆるせね〜〜〜〜〜けどこの作品を進めてきた友人の趣向を鑑みるにこの推測は間違ってないだろう。





1章 鬼と人と

この章のだいたいの内容

甚太は18歳。鬼を斬り葛野と巫女を守る「巫女守」となっていた。小雪は葛野の社で祈りを捧げる「いつきひめ(巫女)」となり「白夜」と名乗っていた。
二人は葛野を守るという重い責務を真っ当するため、人前ではその役割に徹し子どもの頃のように仲良く話すことはなくなっていた。
しかし二人っきりの時だけは互いに「甚太」「小雪」と名前で呼び合い、なんかすごい良い感じの雰囲気になるのだった。
ただ唯一の気がかりは、甚太が鬼退治に行っている間白夜と一緒に過ごしている男、もう一人の巫女守「清正」だ。
あと妹の鈴音の成長が7歳で止まっている。なんで?




この章の感想

巫女の「白夜」〜〜〜!?そんでもって白夜の近くにいる若い男だれ〜〜〜〜!?NTRか〜〜〜〜〜!?
ハアハアハアハアその若い男名を清正というらしいハアハアそんでもって白夜と結構仲が良い〜〜〜〜〜!?!?殺す殺す殺す殺す

元治死んどるやんけ〜〜〜
鬼との戦いに殉じたらしい。甚太、この世界を滅ぼさないか?

甚太ってクラウドな気がする。
素直じゃなさと喋り方と強さにクラウドイズムを感じる。じゃあ白雪ってエアリス!?死ぬやんけ!!!!

ハアハアハアハア甚太と妹と小雪の仲睦まじいシーンはほっこりしていいんだけど清正から感じるNTRの波動により何も安心できない。
最後の村長と白雪が話してる内容、白雪と清正の婚姻とかじゃないだろうな!?!?オイ!!!!

妹やっぱり七歳で成長止まってるらしいんですけど、これ甚太の幻覚説ないですか?幼き頃の思い出を神格化していて、甚太以外には普通に17歳に見えているとか……。虐待のせいで妹の精神が発達不全だったりしません?





2章

この章のだいたいの内容

甚太の父親が妹の鈴音を嫌い虐待していたのは、鈴音が鬼であるからだった。
鬼の特徴として「目が赤いこと」があるが、鈴音は片目だけ赤く、その上成長が止まっているため人では無いことは村人の目からも明らかだった。しかし、それを黙って受け入れてくれていることに甚太は幸せを感じる。

甚太は筋骨隆々のムキムキ鬼と対決する。善戦したが、女の鬼からの横槍が入り倒すことはできなかった。二人の鬼は大いなる目的と計画があることを語り、また鈴音を「同胞」と呼ぶのだった。




この章の感想

妹鬼らしい。ほ〜ん

甚太と鬼の掛け合いがいいね〜〜。甚太の皮肉っぽい軽口が染みるぜ。「昼間からご苦労なことだ」って僅かに笑いながら言うのクラウドすぎる。櫻井孝宏の声、再生いたしますね……。

昼間でも動ける鬼は特別らしい。つまり妹の鈴音も特別なのかな?今は引きこもってるみたいだけど昔は昼間に外で遊んでましたよね。





3章

この章のだいたいの内容

強大な鬼に挑んだ元治の遺言
『甚太。お前は、憎しみを大事にできる男になれ』だった。甚太はこの言葉の意味をまだ理解していない。

甚太が鬼退治に行っている間に、清正は自分の書いた本を白夜と共有するほど打ち解けていた。その事実に甚太は心を曇らせるが、白夜は甚太をデートに誘った。なにやら大事な話があるらしい。




この章の感想

元治「──惚れた女さえ守れない……ったく、情けねぇなぁ、俺は。」

↑100点かよ


甚太の知らないところで白雪と清正がほっこりしてる〜〜〜
おい鬼!ここの平和は破壊していいよ。

清正の顔を真っ赤にしておきながら甚太とデートの約束を取り付ける小雪とかいうこの女……魔性か!?!?





4章

この章のだいたいの内容

白雪は母親が亡くなった9歳の時、村の礎となる覚悟を決め「いつきひめ」となったのだった。いつきひめは神格化されるため、一度なれば村長や巫女守以外とは会えなくなる。それを知っている甚太は「なら俺が会いに行くよ」と巫女守になることを決めたのだった。

甚太は社を抜け出した小雪とデートに出かける。それを鈴音は「にいちゃんが幸せだと嬉しいの」と楽しげに、または寂しそうに送り出した。
村人に恋仲だと思われるほど仲睦まじく歩く二人。
お互い役割のために「自分」よりも「立場」を優先している二人。しかしこの日だけは、一見それを忘れてはしゃいでいる小雪だったが、甚太は小雪が必要以上にはしゃいでいる時は言いたくないことがあるときだと見抜いていた。その予想通り小雪は「私、清正と結婚するね」と告げるのだった。




この章の感想

小雪「甚太は、いつか私のことをお嫁さんに選んでね!」

↑こんなことを言っておきながら小雪お前……。けど誰にでも天真爛漫なところが甚太は好きなんだよね。けど清正は殺しときません?

小雪が甚太よりも上手なのがいいですね。クールでカッコいい甚太も小雪の前ではタジタジでままならないってワケ。だからこそ小雪と清正への嫉妬をコントロールできてないところもあるんですが……。

ハアハア甚太と小雪が腕組みながら恋人っぽく歩いてますよ!?ここで完で良くない?


元治「あらゆるものは歳月の中で姿を変える。季節も風景も、当たり前だったはずの日常も、変わらぬと誓った心さえ永遠に続くことはない。どんなに悲しくても、どんなに寂しくても、多分それは仕方ないことなんだろう」

↑これ重要そう。つまりこの幸せなシーンもそろそろ終わると言うことなんですね。は?マジでそうだったんだが……。





5章

この章のだいたいの内容

小雪が清正と結婚するのは非常に合理的な理由からだった。いつきひめとして鬼に殺される前に後継を産まなければならず、相手の清正は次期村長かつ巫女守。対する甚太は葛野の血をひいてないよそ者であるため相応しいとされなかった。
甚太と小雪は両想いだ。しかし幸福になるよりも自分の信念を貫くと決めてしまった二人だからこそ、納得してしまったのだった。




この章の感想

立場に自由を奪われるシーンが多いな…。葛野を守りたいって気持ちは嘘偽りないんだけど、小雪は巫女としての使命感が爆裂に強い……。
けど「私、甚太が好きだよ」はダメでしょ。甚太を振り回すな!!!!!!!魔性の女!!!!!!!甚太、オレの女になれ……

甚太、清正より先に小雪と中出しセックスしとかへん?

おい鬼!この村滅ぼさへん?結婚する前にさ…

ハアハアハアハア…………





6章

この章のだいたいの内容

巫女守として、いつきひめを狙う二人の鬼を倒しに行こうとする甚太に対し、清正は「それでいいのかよ。お前、何考えてんだ」と怒りを露わにし、そしてうなだれた。

鬼は二匹いる。甚太が向かった洞窟にはムキムキ鬼が一人いるのみだった。
二人は激戦を繰り広げる。そんな中ムキムキ鬼は甚太に「生き方」を問いた。
甚太は左腕を失いつつもムキムキ鬼を撃退した。かのように思われたが、ムキムキ鬼は「俺の目的は葛野に鬼神を降臨させること」と説明した後、斬り落とした鬼の左腕に首をつかまれ、そのまま気絶してしまうのだった。

一方、女の鬼が向かったのはいつきひめの下ではなく、鈴音であった。




この章の感想

清正も小雪が好きで、けど小雪と甚太が想い合っているのを知っているんだな……。だからこそ村ぐるみで自分と小雪の結婚を画策されたことに思うことがありそう。清正もまた立場上自由じゃなさそうだな。物書きの才能がありながら巫女守として刀持たされてるわけだし……。

ムキムキ鬼が武人で、イイね…。武人の敵キャラ大好き。あといろいろ教えてくれた。鬼には特殊能力がそれぞれあり、ムキムキ鬼は「喰らった鬼の能力を手に入れる」能力らしい。こいつが主人公のゲーム面白そうだな……。

星のカービィ?

あと鈴音が鬼神っぽい。そして葛野は鬼の国になるらしい。じゃあ小雪と清正の結婚はなくなることになる。よっしゃ!!!!!!!!!!みんな使命とかなくなるから自由だ!!!!!!!!!!!!!!!!

『否。己が為にあり続けるこそ鬼の性よ。ただ感情のままに生き、成すべきを成すと決めたならば……その為に死ぬ。それが鬼だ』
『ならば、今一度問おう。お前が守るべきと誓ったもの、それに守るだけの価値がなくなった時、お前は何に切っ先を向ける?』

↑これらのムキムキ鬼のセリフ重要な気がする。「何のために生きるか」とか「自由」、「使命」あたりがこの作品の重要キーワードっぽいな……。

あと甚太左腕失ったけど、甚太が切断したムキムキ鬼の左腕がくっつく気がするな……。連作のこんな序盤に主人公が隻腕になるのは、これからの殺陣で困る気がするので……。





7章

この章のだいたいの内容

女の鬼は未来を見る能力を持つ。鬼はその能力で、鈴音に「白夜が清正の前で服を脱ぐ」光景を見せた。鈴音は兄のことが大好きだからこそ、鬼と共に真相を確かめに行くのだった。

一方、社で甚太の帰りを待つ白夜に、清正が無理矢理襲いかかる。白夜は一度は抵抗するも、苦渋の表情を浮かべる清正を見て困惑する。
白夜は「葛野と甚太のため」に、今度は自分から服を脱いだ。鈴音がやってきたのは、ちょうどその時である。

「にいちゃんが、幸せなら」と甚太と白夜の仲を受け入れていた鈴音は激昂し、一瞬のうちに金色の長い髪で16歳程度の大人びた風貌に様変わりした。そして鈴音は、白夜を殺そうとする。

あと清正は女の鬼にやられました。




この章の感想

鬼の未来視
「脳裏に映ったのは、兄以外の男の前で、自ら着物を脱ぐ白夜の姿。」

ハアハアハアハアSEXしてるーーーー!!!!!!おかしい…村は滅びるはずでは!?!?


清正「なんで、お前らは……」  「違う、違うんだ、俺は……俺はただ……俺が望んだものは」  

清正………。正直清正が主人公だったらそっちに感情移入した感じがあるな……。清正が卑屈で正直な凡人であることはかなり好き。自分で決めた使命もなく、人が決めた流れの中で、不本意に想い人と結婚する……。つれ〜〜〜。

江戸時代が舞台であるが故、恋愛と結婚の理屈の合わなさがかなり痛い。
結婚は家柄同士の結びつきが主な目的の政略的なものだけど、恋愛は明治時代に日本に入ってきた、好きな相手と自由に結ばれる概念なんですよね。
甚太・小雪・清正の三角関係は結婚と恋愛の関係が分かりやすく表れている……。

妹の鈴音がバチギレましたね。まあ、キレるわな……。私で言ったら大好きな甚太と白雪のラブラブシーン見た後に、今度は白雪が別の男とヤってるシーンに場面転換したようなもの。文字通り鬼ですね。

清正がやられてしまった……、ってことはギリギリNTRはなくなりましたか!?
なんかずっとこんな感想しか出てないけど、けど感想って素直なことが大事じゃないですか?それが、1番大事……。





8章

この章のだいたいの内容

彼女からは甘やかな香りと──ぶちり──鉄錆の匂い。

目を覚ました甚太は社に向かう。
鬼に殺されそうな白夜を間一髪で救い出した、かのように思われたが、助け出した白夜には首から上が存在しなかった。
甚太は白夜を殺した鬼が鈴音だと知り激しく動揺するも、白夜と葛野の人々への想いを踏みにじった鈴音に対し憎悪を湧きあがらせるのだった。その気持ちに応えるかのように甚太の左腕と眼は変容し、甚太もまた鬼となった。

唯一大切だった甚太に捨てられた鈴音は「全てを壊す」と告げ、去っていった。女の鬼は「170年後、甚太と災厄となった鈴音は再び葛野の地で殺し合い、その果てに鬼神が生まれる」と語り、死んだ。
何一つ守れなかった甚太は、白夜の亡骸を抱きしめながら慟哭した。



この章の感想

鈴音に白雪が殺されたーーーー!!!!甚太に助けられたと思わせつつ、クッソ暴力的に白雪を殺す描写、アツいな……。この小説漫画もあるんですけどそっちの絵が気になる。
あと白雪が死んだからNTRの心配がなくなった。あぶね〜〜〜。
ただ鈴音を殺したのが妹の鈴音であることが複雑ですね。そうでなければ100%復讐の炎を燃やせるものを……。
しかし甚太は鈴音に立ち向かうことになる気がする。こう思う理由は2点あります。一つは鈴音がマジでクソ強いこと、もう一つは甚太が「同化」をもつ鬼の力を手に入れてそうなこと。「同化」で鬼の力をいろいろ手に入れられるなら甚太の強さには上限がないことになる……。つまり立ち向かえるってワケ。アツい……。


「あ、でもさ! これで、ひめさまが他の男の人と結婚するところなんて、見なくてもいいでしょ?」

同意見(照)。
“優しさ”ってさ、人の機嫌を取ることじゃなく、その人に対する合理的な配慮だから…。


↑私の想像する左腕がムキムキの甚太

やはりムキムキ鬼の能力を手に入れた。これで甚太は、最強に“成”る……。
あと憎しみに心が染まっているのが気になる。これが発動条件?
「憎しみを大切に」という豊治(名前忘れました なんだっけ)セリフも今になって気になる。気になることだらけだな…。


───じゃあ、試しに殴ってみて? こつん、でいいから。  
あるいは、どんなに怒っていたとしても、兄が本気で殴るなど想像さえしていなかったのかもしれない。

鬼となった甚太が鈴音を殴った!!アツいな…。存在した日常の回想が入るのが良いですね。こんなアツい兄妹喧嘩ある?あの優しい甚太をここまで非情にさせる憎しみがアツい。コリャ来年は憎しみが流行るだろうな…。
鈴音がマジギレの兄に困惑するのも良いですね。余裕のある無邪気なキャラが出し抜かれる描写で得られる栄養素を、摂取……ジュルジュル(栄養を啜る音)。

読み始めた時はなんで300年分も物語が続くのか不思議でしたが、それは甚太が鬼になるからだったんですね。え?つまり、これからずっと復讐の物語ですか?


鬼は、鬼である己からは逃げられない。一度成すと決めたなら、たとえ何があっても成す。

以前の甚太は己で決めた「巫女守」として村を守るが使命でしたが、鬼となった今は復讐を絶対に曲げられなくなったのかな。「巫女守」は自分で選んだことで、言ってみれば巫女守をやめて白雪と駆け落ちできる選択もあったけど、鬼になることで選択の自由がなくなる可能性…。
上の方で「この作品は自由がテーマ」みたいに書いたけど、それとつながるかも。


大きな使命に身を賭した鬼をリスペクトするところに、甚太の誠実さが出ていていいですね。敵であろうとも敵の正義に共感して、尊重できる。カッコいいぜ。





9章

この章のだいたいの内容

一夜明け、甚太は為すべくことを為すため旅支度をする。鈴音を憎んでいるものの妹を斬ることを想像できない甚太に対し、村長は白夜を殺した刀『夜来』を持っていかせた。
甚太は「百七十年か」とつぶやき、長い長い旅路を歩き始めた。




この章の感想

そ、村長!?さすが最も甚太を曇らせ続けた男はやることが違う……。

甚太は鈴音に対しどういうスタンスで向かうか激迷いしているらしい。鬼となったことで復讐を絶対に曲げられなくなったと思ってましたが違うのかな。村長のいうように、まだ完全には鬼となっていないのかも…。




☆全体を通しての感想☆

感情~~~~~~~!!!結構終始ハアハア思いながら読んでました。
甚太と白夜がデートしてるシーンなど、ほっこりできるシーンもたくさんあるのですが、常に不穏さが影に潜んでいたので全然読んでて安心できませんでした。他作品の名前を出すなら「ちいかわ」読んでるときの気持ちに近いかも。どんなに可愛くメシ食ってても、いつ怪異に襲われるかとヒヤヒヤしながら読む感覚…。


ただ油断してはいけない。序盤に解消される寂しさはどうせ後で再発するからである。つまり、少なくとも甚太と小雪は悲しく別れることになるだろう。

これ序章読んだ時の私の感想なんですけど、的中しちゃった。まあ当たるわな…。ただ鈴音とも悲しく分かれると思ってなかった。
序章に、

白雪と鈴音の二人が手を差し出す。木刀を持っていたから片方しか取れなかった。

っていう表現があったのでどっちかとは別れるんだなあと思っていたんですが、まさかどっちもとは…。
これ結局どっちの手取ったんだろう。私の予想……鈴音。いくら白雪に気を惹かれているとはいえ、妹のために家出したほど妹想いの甚太だから鈴音の手を握ってあげるはず!
手を取らなかった白雪は失ってしまった。そうなると鈴音とは仲直りして失わないことになるのか…?しかし妹として許せる部分とそうであれ絶対に許せない部分が甚太にはあるはず…。そう簡単に白黒つかないんでしょうね。
「憎しみを忘れるな」から考えても、鈴音に対する憎しみは解消はず。むしろ全ての感情・想いを背負ってこそ、甚太は主人公や……。


あとムキムキ鬼たちが良い敵キャラだったのがすごい好きです。単純な悪役ではなく、己らの正義や使命で敵対するのが好物です。しかもパワーキャラでコピー能力持ちだからな…… え?魅力的すぎません?このキャラ殺しちゃって大丈夫でしたか?けどまあ甚太が受け継いだいいか…。
右腕に夜来、左腕にムキムキ鬼を受け継いだ甚太の活躍が今から楽しみです。

これからの甚太の活躍が楽しみです!感想、完走……。




次作

鬼人幻燈抄 江戸編 幸福の庭


今回読んだ葛野編の次がこれらしい。鬼人幻燈抄を進めてくれた友人によるとめちゃくちゃ癒される作品らしいです。ホンマか…?甚太がここから癒されることなんてあり得るのか…?と思ったら甚太が幸福とは言ってないらしいです。詐欺師がよ……。読みます。



ハアハア…覚悟…。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?