「”割と”楽しくやってます」

新しい環境に身を置くと、当然のことながら今まで属していた集団との距離は離れる。

中学や高校の友達、離れて暮らす家族、研究室配属の前によく一緒に居た友達。
こういう人たちと久しぶりに話す機会がある。
そんな時に、ほぼ間違いなく聞かれるし、こちらからも聞く言葉がある。

「最近どう?」である。

この言葉に対して、返す言葉はほぼ決まっている。
「まあ、”割と”楽しくやってます」
である。

なぜだかわからないのだが、
「楽しくやってます!」
と言えないのだ。どうしても、”割と”の枕詞がついてしまうのである。
なんというか、この枕詞をつけないようにするには、何か一つ越えなきゃいけないハードルがあって、そのハードルを越えるのがめんどくさいから「割と」をつけて話しているのだ。

でも友人の中には
「最近どう?」
に対して、
「すごく楽しい!」
と自然に言えている人たちがいる。
何のハードルも存在せずに、さも当然かのように言えているのだ。

そんな人たちと自分を隔てているものは何なのだろうか?
また、何が自分に”割と”をつけさせているのだろうか?
そして、それは例えるなら「身長」と同じような先天的なものなのか、もしくは生まれ育った環境がそうさせた後天的なものなのだろうか?

先天的なものならもうしょうがない。
後天的なものなら、今から「”割と”」を消す努力をしてみるのもありなのだろうか?

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