化学プラント設計業務の進め方(1)

はじめに


ざっくりですが、化学メーカの生産技術として、
最低限知っておきたい設計業務の進め方を書きたいと思います。


設計はざっくり2段階ある!?


設計業務は、基本設計と詳細設計の2つに大別できます。
基本設計は、設計の初期段階で実施し、
プラント仕様の大枠を決める設計となります。
詳細設計は、実際の施工を念頭に、配管/配線、電気計装、制御、土建、
設備の内容を決める設計となります。

基本設計で最低限、必要な資料は以下のようなものとなります。
(業務経験上、バッチ式反応器のプラント設計に
 絞って説明させていただきます。以下、同様。)

  1. プラントの基本条件をまとめた資料

  2. 設備機器リスト

  3. 計装機器リスト

  4. 配置図

  5. P&ID

  6. バッテリーリミットが分かる資料

詳細設計では、最低限、以下のようなもの。

  1. 配管平面図

  2. アイソメ図(あるいはスプール図)

  3. 設備製作図

  4. 土建設計資料(建屋建設などを含む場合)

  5. 盤図

  6. 電気計装資料

  7. ループ図

  8. 制御システム設計資料

  9. 試運転資料

基本設計では何をどうすればよいか?

とにもかくにも、どこにどれくらいの生産ができるものを設備導入
しなくてはならないのか?
ここを明確にする必要があります。
そのために、基本設計(1)の資料が必要となります。

  • 必要な生産量は?

  • どこのスペースに新設するのか?

  • 設備の種類は(バッチ?フロー?)?

  • 適用法規は?

  • ユーティリティは新設?既設活用?

ウルトラザックリですが、こんなもんでしょうか。
バッチ式反応器のプラントであれば、
生産量が決まり、スペースが決まれば、
反応器サイズ・基数が決まってきます。

適用法規は、過去実績も踏まえ、きちんと初めに整理
しておくとよいでしょう。

ユーティリティは新設or既設活用では、
設計や工事、コストなどが大きく変わってきます。
反応器基数などが決まった段階で、
1基あたり、蒸気、工水、窒素、エア、溶剤など
何をどれくらい必要かを概算し、既設でカバー可能か?
あるいは、新設し増強しないといかんのか?
このあたりを明確にすると、スムーズに進むと思います。

次回、基本設計(2)以降の資料を順に解説していこうと思います。


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