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物語を必要としている

最近仕事が繁忙期で、ばたばたした日々を送っているのだけれど、
同時に久しぶりに「小説を読みたい」という気持ちになり、家にある小説を読み返している。

まずは『蜜蜂と遠雷』を手に取った。
昔から好きな恩田陸さんの作品で、直木賞と本屋大賞同時受賞というのももちろん理由の一つだけれど、カバーが素敵で買わずにいられなかった単行本。
最初に読んだ時は、仕事をしている時以外ずっと本を開いていて、重いのに電車の中で立ちながらでもページをめくる手が止まらなかったことを思い出す。
相変わらず音楽の詳しいことはわからないけれど、今回読んでもやっぱり夢中になった。
映画もとても好きだった。また見たい。

そして立て続けに、『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ短編集である『祝祭と予感』を読んだ。
世界が地続きだからなんだか余計にしみる気がする。
『蜜蜂と遠雷』の単行本が二段組で500ページのボリューム感で、ぐいぐいページをめくってしまうのに対して、
『祝祭と予感』は改行も多く余白が多いので読むのもゆっくり、味わいながらになって、その対比もおもしろい。

こちらもあっという間に読み終わったので、次に読む本も決めている。
自分の好きな物語で自分を満たしたい。
たぶん、TO DOで頭がぱんぱんなので、それを冷ましたくて、ちょっと現実逃避したくて物語を必要としているのだろう。
私は昔からファンタジーよりは現実に起こり得そうな物語のほうが好きで、それは適度に現実逃避できて、適度に感情移入できるからだと思う。
そういう場所を持てていることは、本当に幸せなことだな。
昔の自分に感謝だなあ。

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