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読書記錄 202404 

「今度生まれたら」 内館牧子

70歳で問う私は何者なの?
20年先輩の日常が私にも迫ってきます。
終活女子、ポジティプ女子とは一線を画したい何物でもない私は、自分軸で生きようとした時に何から行動するのか。人との関わりにおいてどう生きるかという人間の本質に関わることは、人生の先輩が言うことをよく聞いておこうと思います。


「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」 樺沢紫苑

・起床後3時間が脳のゴールデンタイム
・午後も運動すると脳が復活
・アウトプットで記憶に定着させる
・寝る前15分は記憶のゴールデンタイム。覚えたいものを読んでから、Good&Newを振り返っ てから寝るべし。
・使い方次第で、時間は何倍にも有効に使える

「成瀬は天下を取りに行く。ありがとう西武大津店」 宮島未奈

今年の大賞をさっそく一気聴き
オムニバス形式、スピンオフ形式の小説はこのところ立て続けてに青山美智子さんの本を読んでいたので驚かなかったけれど、 tips が散りばめられているので途中何回か巻き戻しながら楽しみました。

主人公の女の子成瀬さんがすごく個性的で笑っちゃうくらいひたむきで。そして彼女を取り巻く人々のエピソードが繋がっていくのが楽しい仕組みですね。私としては彼女のお母さんが彼女と世間との距離感についてどう感じていてそれがどう変化していったのかも知りたかったです。(まさに私の問題だからです。)

そしてそうそう、女の子って中学生くらいになると自己規制できるようになって空気読みすぎてつまらなくなっちゃうところあるよね。(女子校だとまた違うのかな?)と思いました。
スキップとローファーもそうだけど、高校生活のびのび成長し合える仲間ができるといいな。バカだと思われるようなこともたくさんやってさ、とまたもや高校生の母目線が止まりませんでした。
この本、成瀬さんシリーズ1と書いてあることも発見!
シリーズ2は7月に配信(Audible)されるみたいで楽しみが増えました。

「スピノザの診療室」 夏川草介

神様のカルテの著者 最前線から患者の顔の見える終末期医療に転向し、京都の美味しいお菓子と 一緒に訪問看護に回る日々。亡き妹の落とし子の甥っ子ちゃんはまだ良い子を演じてそうですが確 実に彼と彼をとり巻く世界に影響を受けて成長しています。ひとりひとりと向き合える現場ってそうそうないのでしょうね。

「同志少女よ敵を撃て」 逢坂冬馬

今回、夫がこの本を読んでいないものの、実在のソ連の女性狙撃手リュドミラさんのことを知っていて、その史実に基づいて書かれた話なんだねということで話が盛り上がったのがレアケースでした。夫婦間でYoutubeにしろ本にしろ嗜好が乖離しているので普段はあまり盛り上がりません。身近なところでアウトプットして話が広がったので面白かったです。

私にとってはそもそもロシアは本当に馴染みがなく、中田敦彦さんのYouTube大学で「カラマーゾフの兄弟」とか「罪と罰」を聞いたり、漫画「宇宙兄弟」で見聞きしたぐらいなのですが、ロシアの人名であるとか、地理とか歴史に少しは馴染みました。歴史上繰り返されるウクライナの焦土作戦についても、話には聞いてはいたけれども、それが肉感を伴って共有されたことにストーリーのパワーを感じました。とは言え主人公の名前セラフィマは最後までうろ覚え。愛称のフィーマならすぐ覚えられるのですが、これはオリガやイリーナと違って初出の名前&耳で聞いているからでしょうか。

キーになる質問が2つ物語を貫いています。
「あなたは何のために戦いますか」
「特殊な戦時下の状況に最適化した兵士は戦後何を支えに生きるのが良いか」

女性目線で描かれた戦争、独ソ戦の狙撃班。狙撃手のお話なのですけれども、性差やいろいろな女性の立場が細かく描写されているのが印象深く、リュドミラさんが、釘づくりの名手やエレノアルーズベルト大統領夫人を話に持ちだすのも象徴的でした。
そして何といってもクライマックスで主人公セラフィマが撃つ相手の配役がこのストーリーの肝とはいえ切なすぎました。

「葬送のフリーレン」全28話

ファンタジー畑は幼いころからけっこう耕してきたので、すぐにハマりました。映像の美しさ、ストーリーどちらも感受したく、耳だけ、目だけのながら視聴ができず、時間がかかりましたが全28話しっかり見ました。

フリーレンの回想が旅をより色濃いものにしているのだけど、人間はエルフと違って寿命が短く、人生一度きりだということが際立って、長い長いエルフの寿命を思うとやはり気が遠くなりました。

永住組と駐在組で海外で暮らすスタンスや人や日本との距離の取り方が違います。そんな機微や、仲良くなった人々、土地と離れる時のさみしさも思い出されました。

「らんたん」 柚木麻子



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