見出し画像

草木染め油鞣しジビエ鹿革総手縫いスポーツジャケット完成

皆様こんばんは。
今年もまだ序盤ですが、朝寝朝起きの毎日で気分と体調は常にクライマックスです。
既に予定はギッチギチです。
オーダーのご用命は納期に余裕を持って頂けると私の寿命が伸びます。
そんなギッチギチクライマックスの最中、作品が出来上がりましたので写真で綴ります。

パターンメイキングまで

先ずは採寸を元に製図し。

厚手の帆布で型出し。

試着から修正を経てパターンメイキング。

元来オーダーメイドであればパターンに縫い代は不要なのですが、鹿革は伸びやすく後々のチリ合わせがやりやすいように縫い代付きで製図しております。

準備工程まで

刃物も対鹿革用に研ぎ直し。

先ずは荒裁ち。

今回使用している革はVARIEDさんに特注で用意してもらった広島ジビエの油鞣し鹿革です。
手触り、強度、質、厚み、いずれも最高です。

それから草木染めに移ります。
今回は既に染料化してある柿渋を使用し、先ずはウエスで刷り込みます。

1.5リットル使いました。
それから鉄媒染、加脂、目止めを経て。

染色の影響で固くなったり、シボが弱くなるので八方に揉み込みます。

これがいくら柔らかい鹿革でも、ジャケット一着分はなかなかな労力です。

裏衿や身返し等のパーツは漉き機でベタ漉きし(超絶高難度)
それから本裁ちです。

これで全パーツ揃いました。

漉き機と手漉きを駆使して。

大量にヘリ返し、貼り合わせたら準備工程終了です。

これから縫製工程へ移ります。

各パーツの仕立てまで

ヘリ返し同士が揃うと気持ち良いです。

カフスも同様に仕立てます。
ヘリ返し、菊寄せ、貼り合わせを経て。

縫製。

ボタンホールも手縫いです。

ボタンはオイルとワックスを一晩染み込ませた紫檀製を使います。

各パーツ組み上げ

前身頃と。

後ろ身頃。

両袖完成。

ショルダーライン、サイドシームを縫い合わせ身頃完成。

衿と身頃と身返しを縫い合わせ。

この辺りから難易度が更に凶悪になってきます。

それから身頃のボタンホールを縫い。

最終にして最凶難易度の袖の縫い付け。

最後にタップリとワックスを染み込ませ筋肉痛になりそうなくらい乾拭きしブラッシングして、、、

完成です。(満身創痍)

先ずは正面から。

サイド。

バックスタイル。

襟元。

後はディテールです。

バックベルト。
色々仕入れてみたものの、シンチバックは頼りなかったので真鍮の尾錠を採用。
雰囲気が合ったので敢えてなにも手を加えずに使いました。

カフス。
一手間加えたボタンが良い味です。

衿。
癖取りよりもより高いフィット感を得られる衿腰を作りました。

パッチポケットは腰回りの立体感とモノを入れた時の立体感、両方を加味して縫い付けております。

力ボタンも革で制作。

ポケット口等には薄く漉いた共革で裏から補強しております。

以上となります。

では完走した感想ですが、、、

デザインはアメリカの30'sのスポーツジャケットをベースに20〜30'sのフレンチワークのディテールを混ぜて考えました。

それを広島のジビエレザー、それも油鞣しの鹿革というタフネス&マニアック極まりない革を使い、更に草木染めで染め、総手縫いで仕立てる。
他に類のない一着が出来たと自負しております。

肩幅は実寸よりほんの少しだけ狭めにし、袖山のいせ込みでピッタリになるようにする事で着用時の窮屈さを軽減しつつタイトに見える工夫をしております。

袖山は強く前に振ることでバイクに乗るときの姿勢にも難なく対応出来ます。

ボタンも敢えて色の濃淡を統一させずわざとバラけさせてるのは遊び心です。

随所にオーダーメイド、テーラーメイドならではの工夫を凝らしております。
恐らく、私が死んだ後の世にも残せる作品が作れたのではないかと思います。

今回も良いオーダーを有難う御座いました!!

今日は久し振りに残業無しで布団で寝ます。
明日からまた全力でオーダーの制作を進めます。

それでは皆様また合う日まで。


Instagramアカウント
お問い合わせ用メールアドレス
info@chelsea-leather-art-work.com

広島県広島市中区東千田町2-13-18-101
chelsea leather art work
北崎厚志

宜しければサポート下さいませ。 日々より良いモノづくりの為に切磋琢磨し邁進して参ります!