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ブライドルレザーブリーフケース完成。

皆様こんばんは。

久し振りに布団で寝たら肩と腰と背中が痛くなりました。
安眠と縁のない体質です。

そして夢でも革細工してました。
安眠と縁のない体質です。

山越え谷越え山脈乗り越え、時に海を渡り、時に来た道を引き返し、艱難辛苦乗り越え激闘45日間。
その殆どが残業で寝落ちという優良ブラック個人業っぷりを遺憾無く発揮して無事に鞄が完成しましたので写真と共に綴っていきます。

先ずは各パーツを組み上げていく工程から。
本体身頃にベルトループパーツを縫い付けます。

ここが今回の最厚、1.8cm以上の厚みがあります。

それから同じく身頃にポケットパーツを縫い付けていきます。
先ずはフラップから。

それからポケット、これは前身頃側です。

これらも厚みは9mmを超えてます。
既に磨いてある小端を傷付けないように神経を使いながら、この分厚く重たいヶ所を縫い進めます。

それから後ろ身頃側。

いかんせん5.2mm厚のブライドルを曲げて作るポケットですから、外側への反発力が並じゃありません。
しかもしかもこの形状、最終的な工程を想定した上で作業を進めないと詰んでしまいます。

これでようやく前後の身頃が完成です。

もうこの辺りから強烈な大きさと重さで何するのも大変になってきます。

次はマチと前身頃を縫い合わせます。

はい、実に難所です。
非常に分厚く、且つマチが邪魔で目打ちも錐も垂直に当てれない、という悪条件で1m程縫います。

これが済んだら、最後は後ろ身頃と縫い合わせます。

はい、こちらも難所です。
こちらはそもそも錐が届きません。
更に普段の針では長さが足りません。
厚みもいよいよ1cm超えてきました。
という悪条件で1m程縫います。

これで本体の縫製工程は終了です。

一旦置いといて、細かいパーツを制作します。

錠前のキーケースとカバン底の保護パーツです。

細長いループをチクチク縫い、、、

後は小端磨き、、、

を経て、、、

最後に細かい縫製と全体と金属パーツの磨きを経て、、、

完成です(白目)

ブライドルレザーブリーフケース

先ずは正面。

それから背面。

かぶせを開けた所、正面フラップ部。

背面フラップ部。

サイドから。

正面底部。

背面底部。

ハンドル部分。

バックル部分。

キーケース。

最後は内装です。

中仕切りと背面には大きくポケットを、それから細かく5箇所に折り畳み式のポケットを設けました。

分かりにくいですがカードポケットには手描きのロゴです。

以上、フルオーダーブライドルレザーブリーフケースでした。

完走した感想ですが、、、

くぅ〜、疲れました。(おやつさんのパクリ)

お客さんの要望を10割組み込んだ、実にオーダーメイドらしい作品になったかと思います。

というのも、普通なら実用性を重視する所を要望通り見た目を重視する、といった部分が多かったです。
背面のポケットに関しては用途が限られ過ぎてます(笑)

「とにかく分厚く、重く、いざとなったら武器に出来そうなブライドルレザーの鞄。」

という事でした。
むしろ多少の銃弾なら防げそうです。

正確には分かりませんが、ちょいとしたダンベルより重たいです。
まるで猛獣と戦い、または調教し手懐けつつ、それでいて普段の繊細さも欠かせない、そういった感じの制作でした。

それと、いつもの事ですがメンテナンス性の高さを意識してます。
つまり修理が可能な造り、という事です。

良い製品、良い道具、良い物、の判断基準の一つに永く使える、というのがありますが。
これは言い換えれば修理が出来るか、手入れ次第で復活するか、とも言えます。

革小物だと然程気にしなくても良い部分でも、鞄規模になると事情も変わってきます。
この鞄はどこがどう故障しても修理が可能な作りになっております。
それだけ永く使う事を想定してあります。
いくら見栄えが良くとも修理が出来なければ永くは使い難いですからね。

そして今回使用したピット槽鞣しのブライドルレザー。
長所と短所のハッキリとした、滅茶苦茶に尖ったステータスの革でとても勉強になり、且つ面白い仕上がりになったと思います。

予算の範囲での持てる限りの知識と経験と技術、そして新しく会得した知識と経験と技術。
出しきった感はあります。

これ以上となると1からブライドルを作るしかないです。
予算に限りのない方がいらっしゃいましたらお任せ下さい。

今回も良いオーダーを有難う御座いました!!!!


という訳で非常に長くなりましたが、とても良い経験をさせて頂きました。

それから、大変永らくお待たせしてしまっているオーダー、メンテナンス等のお客様方。

すぐに次の制作に着手したいのは山々ですが、いかんせん燃え尽き症候群です。

英気を養ってまたモリモリ作業に勤しみますので、今暫くのご容赦、何卒ご理解の程を宜しくお願い致します。

それでは皆様また会う日まで。


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北崎厚志

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