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29歳の時に突然難病になった話をする〜入院初期編〜

こんにちは。

元々闘病記を書いていたんですが、途中までになっていたので思い出しながら書き留めておこうと思います。
リアルタイムではないので、今の時点での感想も踏まえながら書きます。
こちらの続きになります。

メンタルを完全に病んでしまう

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入院が決まってからは、現実なのかもよく分からないまま時が過ぎ去っていたのを覚えています。

この時点では「再生不良性貧血」か「白血病」のどちらかという状況で、1週間程度診断にかかるとのことでした。

この1週間が最も精神的にキツかったです。人生で最もキツかったかもしれない。
現代はネット社会。調べれば、いくらでも情報が出てきます。

良い情報も悪い情報も調べれば出てくるので、それに振り回されていました。
また僕の世代は「世界の中心で愛を叫ぶ」が流行った世代なので、白血病の悪いイメージが先行してしまい、もしかしたらここで終わりかもしれないと完全に病んでしまいました。

人生で初めて夜中に叫んで起きたのは、今でも覚えています。文字通り「絶望」していました。

この経験があるので病気になった時には、ネットで検索しても人と比べずに参考程度にした方がいいと思っています。
同じ病気の方に何人かSNS上でコミュニケーション取らせてもらいましたが、本当に一人一人全然違います。

無菌室へ移動

入院から1~2日経って、無菌室というところに移動になりました。
免疫を司る白血球がほとんどないので、綺麗なところで過ごす必要があったためです。

こんなところです。ドラマ等で見たことある人いるかもしれません。

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皆さんがイメージする一般病棟と何が違うかというと、

・基本ベッドの近くに貼られたビニールの中で過ごす
・部屋から一歩も出られない(トイレも部屋の中にある)
・面会者も限られる(3人まで)
・ご飯が火が通った物しか出ない
・本が持ち込めない
・面会者など部屋に入る人は全身消毒した後に、防護服を着ないといけない

など

想像を絶する異常な空間でした。
看護師さんが「無菌室は綺麗な牢屋」って言ってましたが、その通りだなと思います。

免疫がないため「手洗い・うがいを日に8回」「床に落ちた物は拾わない」「火を通っていないものは食べられない」など
制約も多い中で過ごしました。

ベッドの足元にトイレがある。毎日清掃が入るので清潔です。

入院で一番辛いのとは暇なこと。そしてWiFiがないこと

入院中は本当に暇です。
本も持ち込むことができなかったので、スマホを見るしかないですが、病室にWiFiがなく1日で通信制限が来てしまいます。
WiFiルーターも友達に持ってきてもらったりしたんですが、こちらも制限がかかってしまう状況。

対策としてNintendo Swichを購入しました。ただびっくりするぐらいできませんでした。なぜかと振り返ってみると新しいことだったからだと思います。
本当に体がしんどい時はエネルギーの消費を最小限にするのか、新しいことを始めたりはできないなと感じました。

結局元々の趣味の音楽鑑賞したり、スマホのゲームしたり、スマホで漫画読んだりしていました。

このことから分かるように、病室には全室WiFiを引くべきだと思います。Zoom等も普及した現代、WiFiを引いてあげるだけでも全然患者の負荷が違うのではないでしょうか。

テクノロジーが発達したので、治療は耐えるにしても入院生活はできる限りしんどいことをなくしていける環境作りが必要だと思います。

空を眺めるのも好きでした。これは入院中一番綺麗だった空。

病名が分かった途端にメンタルが前向きになる

入院から1週間後、診断結果が出たとのことでインフォームドコンセントというものをしました。
ドラマでよく見るこんな感じのやつです。

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実際はこんなに笑顔ではない。相当重苦しい雰囲気

ここで「再生不良性貧血(ステージ5劇症型)」と判明します。

・ステージは1~5まであって、最も悪い5ということ
・劇症型という免疫が0に近く、現段階で全く戻っていない状況ということ
・1万人に8人程度の珍しい病気だということ

など病気の情報や治療方針を聞きます。
親は相当びっくりしていましたが、僕は病名が分かって少し前に進んだような気がして非常に前向きに捉えていたのを覚えています。
開き直るというのはこういうことを言うのだと思います。

命が危ないかもと思った瞬間

病名が発覚して本格的に治療が始まるのですが、一向によくならない日々が続いていました。

特に白血球が0の状況が1〜2週間続いていて、ずっと熱も出ている状態でした。
このタイミングで感染症に罹って、肺炎になるのはまずいと聞いていてかなり丁寧に過ごしていました。

そんな最中もう消灯もした23時頃。突然悪寒がして、40度近い熱が出てしまいます。
何とかナースコールを押して看護師さんに来てもらい、担当医にも連絡を取ったりして、多数の点滴を急遽打ってもらって処置してもらいました。

あの瞬間だけは今でも覚えていて、本当にしんどかったしこれで終わりかもと思ったのを覚えています。

次の日、肺炎の可能性もあるとのことでレントゲンも撮りに行きました。結果、肺炎ではなくて担当医も含めてホッとした瞬間でした。

ちなみに、病室出る時はこんな特別な車椅子に乗ります。

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車椅子にビニールついていて、中は換気してあるという優れもの。本当に医療は凄いですね。

続きはこちらです。

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