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「イシューからはじめよ」要点まとめ

目次

良いイシューの見極め方
イシューにおける解の質を高めるために
イシューに答えを出せないとき

良いイシューの見極め方

イシューとは?
イシューとは、訳を調べると様々出てくるが、
ここでは下記図のAとBの条件を満たしているものをイシューとよぶ。

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(引用:安宅和人(2010) イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」)

イシューからはじめることで本質的な仕事を選び実行できるようになるため
結果的に生産性があがり、最短の道筋でステップをかけあがっていくことが可能になるのだ。

本書でいうところの生産性は、「どれだけのインプット(投下した労力と時間)でどれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」である。

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(引用:安宅和人(2010) イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」)

上記図にならうと生産性をあげるためには、より多くのアウトプットをより短時間で生み出さなければならないことになる。
また、ビジネスパーソンにとってのアウトプットとは、対価がもらえるレベルのものでなければならない。
本書では、対価がもらえるレベルのアウトプットを出すことを「バリューのある仕事」という。
このバリューのある仕事は2つの軸から成り立っている。
1つ目の軸が「イシュー度」、2つ目の軸が「解の質」である。

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(引用:安宅和人(2010) イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」)

本書のイシュー度とは「答えを出す必要性の高さ」解の質とは「イシューに対しどこまで明確に答えを出せているかの度合い」となる。
イシュー度が高く、解の質も高いマトリクス右上の象限に入るものが「バリューのある仕事」となるわけである。
多くの人はタテ軸である「解の質」が何よりも大事だと考えているが「イシュー度の低い仕事」=「今答えをだす必要のないもの」に対しどれだけ高い水準の解を出したとしても、誰(クライアント・評価者?)がその解を求めているのだろう?誰も求めていないとき、その解は価値はゼロに等しいものとなるのである。

「量でカバーは犬の道」
「バリューのある仕事」をしたいなら絶対にやってはならないのが「一心不乱に大量の仕事をする」ことだ。
これを本書では「犬の道」(散歩に行った犬は飼い主が引っ張って帰るまで寄り道、寄り道を繰り返すことが由来?とちぇるが推測)と呼んでいる。
世の中の「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば本当にこの局面で白黒はっきりさせるべき問題=イシュー度が高い問題はせいぜい2、3である。イシュー度の低い問題を大量に解いていてもいつまでたってもマトリクスの右上に到達することはできない。

良いイシューとは?
さて、それでは生産性を上げるためには「バリューのある仕事」をしなければならないことがわかった。最初のステップである、イシュー度の高い=良いイシューの条件を3つお伝えする。

条件①本質的な選択肢である
良いイシューとは結論によって大きく意味合いが変わるものでなければならない。選択肢があり、そこからどちらになるのかによって先の分析に大きな影響がでるもののことだ。
例えば「あるコンビニチェーンにおいて売上が下がっている」場合、最初のイシューとして何があげられるだろうか?
「競合の方がクオリティの高い商品が多い」などは残念ながら最初のイシューではない。
ここで最初に考えるべきは、「店舗数が減っている」のか「1店舗あたりの売上が下がっている」のか、である。
前者と後者では次のアプローチが全く異なるものになるため前提となる事実の把握を分岐点ごとに確実に行っていくこと、つまりそのイシューが本質的な選択肢であるかどうかを吟味する必要がある。

条件②深い仮説がある
本質的な選択肢があるイシューであったならば、次の条件として深い仮説を立てることができるイシューなのかどうかを判断する。
深い仮説にできるかどうかは個人の力量にも関係してくるため、ここでは
良い仮説を深めるための方法を2つ紹介しよう。

1 常識を否定する
仮説を深める1つ目の方法は「一般的に信じられていることを並べて、その中で否定できる、あるいは異なる視点で説明できるものがないか考える」ことだ。
古典的な例としては、日常的に生活している中では「太陽が地球の周りを動いている」ようにしか見えないが「実は地球が太陽の周りを動いていた」ことがこれにあたる。
ビジネスの視点で言い換えると「コア市場のシェアは拡大しているが、成長市場のシェアは縮小している」という仮説があげられるだろう。
「実はそうではない」という主張を使うことで目からウロコとなり、仮説をより深めることができる手法である。「人は見慣れたものに対してこれまでにない理解を得ると真に大きな衝撃を受けるもの」という考えを反映させたものである。

2 「新しい構造」で説明する
2つ目の方法は「つながりをつくる」ことである。
これまであまり関係していないと思っていた情報の間につながりがあると、わたしたちの脳は大きなインパクトを感じる。
「ひとが何かを理解すること」=「2つ以上の異なる既知の情報に新しいつながりを発見すること」と言える。
この構造的な理解にはパターンが4つある。ぜひ覚えておいてほしい。

●共通性の発見
2つ以上のものに、何らかの共通なことが見えると人は急に「理解をした」と感じる。たとえば「あの人はメキシコの建国の際に2つの対立陣営が束ねる大きな役割を果たした人です」と言われるより「あの人はメキシコにおける坂本龍馬です」と言われたほうが圧倒的に理解したと感じるだろう。
また、腕と鳥の翼が実は同じ器官が異なるかたちに進化したものだと知れば詳細な器官構造や進化のプロセスは度外視に、すべてを理解した気持ちになるのではないだろうか。
これは2つの既知の情報=翼と腕、に新しいつながり=翼と腕の元は同じ器官という共通性が発見されているためである。

●関係性の発見
完全な全体像がわからなくとも、複数の現象の間に関係があることがわかれば人は何かを理解したと感じる。例えばポール・ジョン・リッチ3人の中でリッチの行動を把握したいと思う。ただし完全な全体像=リッチの行動はわからないとき、
「ポールとジョンは親友でおおむね同じ行動をしている」
「ジョンとリッチは対抗しており、まったく反対の行動をしている」ということを知っていれば、ポールの行動を見ればおおむねリッチが何をしているかがわかる。
これが科学分野になると「まったく異なるホルモンに関わる脳内の2つのレセプターの動きに関係性がある」となる。
このように複数間の関係性を発見することでより深い仮説とすることができる。

グルーピングの発見
検討対象を何らかのグループに分ける方法を発見することで、これまでひとつに見えていたもの、あるいは無数に見えていたものが判断できる数の固まりとして見ることができるようになり、洞察が深まる。
例えば、「クミン・ターメリック・コリアンダー」をそれぞれ単体で説明を受けると記憶に残すことは容易ではないが「これらは全てカレーに入れるスパイスの名前です」と言われると急に理解ができたと感じるだろう。

ルールの発見
2つ以上のものに何らかの不変的なしくみ・数量的な関係があることがわかると、人は理解したと感じる。物理法則のほとんどがこれに当てはまる。
「机の上から落ちる鉛筆」と「地球から見る月が安定して浮かんでいる」というのが同じロジック(=万有引力)で説明できる、というのもそのひとつだ。
ビジネス上で「ガソリンの工場的な取引価格が上下すると10カ月遅れでサトウキビの農産品価格が同様に動く」といった決まったパターンがあることは見えると、深い理解につながるのもルールを発見しているからである。
遠くはなれたように見える2つの出来事にルール性を見出すことで深い構造的な理解へとつながる。

2つの手法のうち1つ目の「常識を否定するイシュー」を発見することは簡単ではないが、2つ目の「新しい構造」で現象を説明できないか、を使えるようになれば深い洞察とインパクトを与えることができるはずだ。

条件③答えを出せる
明確な答えを出せない問題はどんなに「本質的な選択肢があって」「深い仮説があって」も良いイシューではない。
「イシューだと考えるテーマが本当に既存の手法、あるいは現在、着手得るアプローチで答えを出せるかどうか」が最後の良いイシューの条件である。
どんなに時間や労力をかけても「答えを出せる見込みがない問題」は必ず存在することを念頭に入れておこう。

それでもイシュー特定ができないときの5つのアプローチ
よいイシューの条件に従い、本質的な分岐点を探し、構造的な理解ができないか試み、また現在信じられている常識の否定ができないか検討した。
それでも「何がイシューなのかわからない」ということはあるだろう。
そのために具体的な5つのアプローチ方法をご紹介する。

①変数を削る
関連する要素が多すぎてどこのなんの数値を見ればよいのか、複雑に絡まりアプローチが難しいことがある。このような場合、「変数を削る」もしくは「固定する」のだ。
例えば「twitter・FacebookなどのSNSサービスが商品購買行動にどのように影響しているか」という問題があったとする。これは前述のとおりあまりにも要素が多く、すべての相関をとるようなアプローは難しいことがわかる。
「商品購買行動」では広すぎるので、商品分野を「デジタル家電」のみに絞る、それでも広ければ「デジカメ」「プリンタ」などさらに絞り込む。次にSNSについても「ミニブログ・ブログ・交流サイトなどにグルーピングをする」こうすることで変数が減り、追うべき本当のイシューがはっきりしてくることが多い。

②視覚化する
人間は目で考える生き物である。わたしたちの後頭部のほぼすべては「ものを見る」ということに使われているとされている。
よって、かたちが見えると急速にその対象についてわかったと感じることが多い。検討するテーマに空間的な広がりがある場合、言葉でつくられたその空間を頭に描き続けることは難しい。そこで、相互の関係を並べて絵にしたり重なるものであれば上や下に重ねて絵にする。すると、どこのつながりがはっきりしないのか、どことどこの並びが問題なのかなど、見極めが必要なイシューが見えやすくなる。

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引用:安宅和人(2010) イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」

③最終形からたどる
「最後に何がほしいのか」と考えることも有用だ。
たとえば、「自分の事業の3~5年の中期計画」という最終形がほしい場合、ここから何がわかれば決められるのか、と逆算的に考えていくことが可能となる。
すると、ゴールにたどり着くために必要な要素を分解して考えることができる。今回のテーマであれば下記あたりが要素としてあげられる。
ーーーーーー
1. 現在の事業の状況(市場視点)
2. 事業はどのような姿を目指すべきか
3. 3~5年後の目的関数をどう置くか(相対的地位を守るか、市場を活性化するかなど)
4. そのときの強み、自社らしい勝ちパターンをどう考えるか
5. それは数値的にどう表現できるか
ーーーーーー
このように考えると必要なイシューが見えてくる。

④「So What?」を繰り返す
何度も自分、あるいはチーム内で「So What?(だからなに?)」を繰り返すことで仮説がどんどん具体的になり、検証すべきイシューが磨かれていく。
例えば、
1「地球温暖化は間違い」
という文章をイシューとして設定しても何を間違いとしているのがわからず答えを出すことができない。これを「So What?」で問う。
2「地球温暖化は世界一律に起こっているとは言えない」
とすると答えを出すポイントが見えてくる。「So What?」を続けると
3「地球温暖化は北半球の一部だけで怒っている現象である」
と地点を絞り込むことができる。さらに、
4「地球温暖化の根拠とされるデータは、北米やヨーロッパのものが中心であり、地点に恣意的な偏りがある」
となれば検証が明確なイシューとなる。
さらにあいまいな「恣意的」に対して「So What?」を続ける。
5「地球温暖化を主張する人たちのデータは、北米やヨーロッパのものが中心であり、地点の偏りに加え、データの取得方法もしくは処理の仕方に公正さを欠いている」
とすれば、答えを出すべきポイントがより明確なイシューとなる。
この手法は1人では難しいためチームや複数人で行うことをおすすめする。

⑤極端な事例を考える
要素や変数が入り組んでいる場合、いくつかの重要な変数を極端な値に振ってみると、どの要素の動きがカギになるのかが見えてくることが多い。
例えば、ひとつのビジネスにおいての収益構造を明らかにして、収益向上を目指したい。ただ、収益源も商品、会員費、広告利用費など複数ありどの収益源が1番のインパクトを持っているものなのか見えてこない。
このような場合、「市場規模」「市場のシェア」など、基本的な要素を極端な数値にしたときに何が起こるのかを考えてみる。
「市場が10倍になったら…」「シェアが5分の1になったら…」と考えていくのだ。カギとなる要素の候補を3つ程度の絞り込むことができれば大きな要素はどれかをはっきりさせることができイシューを特定しやすくなる。

イシューにおける解の質を高めるために

「生産性を高める=バリューのある仕事をする」ためにイシューを見極める方法はすでに述べた。ここではバリューある仕事の2つ目の要素である「解の質」を高める方法について述べていく。

▼イシューを解くときの2つの前提

1 イシュー度の高いものから優先的に手をつける
「解きやすさ」「取り組みやすさ」といった要因にだまされてはいけない。
何度も記述の通り、イシュー度が高い=バリューのある仕事である。

2 イシューに対して分析・検討を繰り返す
解の質を上げるために十分な時間を確保すること。
解の質はアウトプットに対して繰り返し周囲にFBをもらい、成功体験を重ねることでしか得ることができない。
これを繰り返すうち、だんだんと一定レベルを超えた解を生み出せる頻度が上がっていく。
2で十分な時間を確保するために、1の工程が非常に重要となる意味のため、「意味のない仕事を断ち切ること」を十分に意識してほしい。

▼イシュー分析
イシューは基本的に分析によって答えを出していくものである。
ではイシューにおける「分析」とはなんだろうか?
「分析とは比較、すなわち比べること」である。フェアに対象同士を比べ、その違いを見ることだ。
つまり、なにとなにと比較するのか、「比較の軸」の選定がそのままイシューの答えに直結していることとなる。

例えば「ジャイアント馬場はデカい」ことを理解してもらいたいとする。
ただ、この文章だけでは説得は到底難しく、この文章を分析の結果だという人はいないだろう。
しかし、下記図のようにジャイアント馬場の身長を日本人と他国の人の平均身長と比較して見せた場合、ほとんどの人は「これは分析だ」「ジャイアント馬場は確実にデカい」と答えるだろう。

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引用:安宅和人(2010) イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」

先ほど既出のように人の理解は情報をつなぐことにある。
比較は既知の情報(ジャイアン馬場はでかい)と新しい情報(日本と他国の平均身長)を入り混じらせることが容易であることから情報と情報の「つなぎ」が発生しやすくなり理解が進むのである。

解の質を高める方法としてイシューの分析が必要であり、
「イシューを解く=イシューを分析・比較すること」であると述べた。 

その分析に必要な要素が「ストーリーライン」と「絵コンテ」の2つである。この2つによってイシューのアウトプットまでの全体像を作ることが可能となり、イシュー検討の内容を明確にすることから最終的なプレゼンテーションにまで生きてくるものとなる。

●ストーリーラインづくり

イシューの分解

多くの場合イシューは大きな問いなのでいきなり答えを出すことは難しい。
そのため「答えを出せる範囲サイズ」まで分解していくことが必要となる。この分解したイシューを「サブイシュー」という。
分解するときには「ダブりももモレもなく」砕き、「意味のある固まりで」砕くことが大切だ。

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引用:安宅和人(2010) イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」

イシューを分解することで課題の全体像が見えやすくなるに加えて、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる。

イシュー分解の型
イシュー分解は多くの人にとって難しいが幸いなことに基本的な型がある。
それが「WHERE・WHAT・HOW」というものである。

●WHERE‥どのような領域を狙うべきか
●WHAT ‥具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか
●HOW‥具体的な取り組みをどのように実現していくべきか

「ある病気の原因を考える」場合であれば
「このような神経の働きの異常が起き」(WHERE:機能)
「このような神経系の変化をもたらし」(WHAT:形態)
「それにはこの遺伝子の変化が引きがねになっている」(HOW:仕組み)
といった感じとなる。

分解したサブイシューにはイシューと同じく仮説を立てていく。

ストーリーラインを組み立てる

人に何かを理解してもらおうとすれば、必ずストーリーが必要となる。
研究であれば論文であり、ビジネスであればプレゼンの流れだ。
「仮説がすべて正しいとすれば」という前提でストーリーをつくることになるため、どういう流れで人に話をすれば納得してもらえるのか、感動・共感してもらえるのかを考えなければならない。

典型的なストーリーの流れは次のようなものだ。

1 必要な問題意識・前提となる知識の共通
2 カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
3 それぞれのサブイシューについての検討結果
4 それらを統合した意味合いの整理

論理的にストーリーをつくるとき、2つの型がある。

ひとつ目の型がWHYの並び立てである。
最終的に言いたいメッセージについて、理由や具体的なやり方を「並列的に立てる」ことでメッセージをサポートする。
例えば、「案件Aに投資すべきだ」と言いたい場合、少なくとも3つの「WHY」が必要となる。

1「なぜ案件Aに興味があるのか」
市場・技術視点での展望・成長性、経済的な想定リターン、相場からみたお買い得度、不連続な経営リスクの有無とレベル感など

2「なぜ案件Aを手がけるべきなのか」
関連事業におけるその案件のもたらす価値、スキル・アセット・スケール、あるいはその他の競合優位性、参入障壁の生み出しやすさなど

3「なぜ案件Aを手がけることができるのか」
投資規模、投資後のハンドリングの現実性など

このように「なぜすべきなのか」をモレなくダブりなく並び立てることで、断固たる理由に成り得るだけでなく、評価者や意思決定者から「この論点はどうなんだ」という攻撃も防ぐことができる。

ふたつ目の型は空・雨・傘とよばれるものだ。

この型はストーリーを組み、最終的に言いたいことを支えるかたちを取っている。

●「空」‥〇〇が問題だ(課題の確認)
●「雨」‥問題を解くには、ここを見極めなければいけない(課題の深堀り)
●「傘」‥そうだとすると、こうしよう(結論)

今日出かけるときに「傘をもって出るべきかどうか」というのは、日常によく起こるイシューだが、これに答えを出そうとすると、

●空‥「西の空がよく晴れているな」
●雨‥「今の空の様子では当面雨は降らなそうだ」
●傘‥「だとすると今日は傘をもっていく必要はない」

「傘をもっていく必要はない」という結論に対して空と雨がサポートをし、傘(結論)部分に正当性を持たせている。

イシューに答えを出せないとき

イシューの解が中々見つからないとき、停滞を引き起こす要因として「丁寧にやりすぎる」ことがあげられる。
「60%の完成度の分析を70%にする」にはそれまでの倍の時間がかかるとされている。さらに「70%の完成度の分析を80%にする」にはさらに倍の時間がかかる。
一方で60%の完成度の状態で再度はじめから見直し、もう一度ゼロから検証のサイクルを回すことで「80%の完成度にする半分の時間」で「80%を超える完成度」に到達する。
丁寧にやることはスピードだけでなく完成度まで落ちてしまう結果となるのだ。
また、「情報の集めすぎ」もこれに該当する。
情報収集にかけた努力・手間とその結果得られる情報量にはある程度正の相関があるが、そこを過ぎると途端にスピードが鈍ってくる。
大量に時間を投下しても実効的な情報が比例して増えることはない。

「完成度」よりも「回転率」を実践することで、最終的に受け手にとって価値のあるアウトプットを軽快に生み出すことができるようになるだろう。

~余談~
この本を読んで、「そうか、価値のあるアウトプットを出していない、あるいは出し方はもうわかってしまった」から私は前職をやめる道を選んだんだなと腹にすっと落ちてきた。
言い訳になるかもしれないが、前職ではもう解が出た同じイシューをずっと目の前におかれているような感覚だった。
それを何とかして違う方法で解こうとしている自分。
量をこなせばなんとかなる、毎日日付を超えて家に帰っているんだから成長しているはず、という自身の甘い考えが間違っていたことに気付かされた。
前職では日々の業務に忙殺され、イシュー度の高い問題には取り組めてはいなかったように思う。
もちろん、まだまだ未熟な私に選べる仕事は少ないがその中でも改めて「イシューからはじめる」ことで今後の成長指数は如何様にも変化するのでは、と期待を抱かせてくれる本となった。
読んでいただいた皆さんにもこの記事で何か気付きがあればうれしく思う。




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