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日記2023/08/08

わたしは楽器がほとんどできない。
両親は音楽に興味がない。
興味がないものを子供に習わせるとは思えない。
しかし、小学三年生の時、わたしは無性に鍵盤楽器を習いたかったので親に頭を下げた。
ピアノは集合住宅である我が家では難しかろうということでヘッドホンをつけて練習できるエレクトーンならばと両親は認めてくれた。
エレクトーンを始めてから知ったのだが両手だけではなく足もかなり使う。不器用なわたしは手足をばらばらに動かすことに全然慣れなかった。
さらに習う曲習う曲つまらん。
そのうち練習にも身が入らなくなっていった。
先生が練習もしっかりしてこない駄目生徒にしびれを切らしたのか、この曲弾いてみる?とあるスコアを渡してくれた。
「サザエさん」
あー!知ってる曲、面白そう!
この一曲だけはかなり積極的に練習した。
帰宅するとヘッドホンを装着してガンガン「サザエさん」を弾いていた。
先生は「サザエさん」を練習してきたわたしを褒めてくれたが、他の曲には一切興味を持たず、相変わらず練習をしてこない生徒に辟易としていたと思う。ごめんなさい。
わたしは小学三年から2年間しかエレクトーンをやらなかったけれど一曲だけに全集中したことに後悔はない。
それが「サザエさん」だったとしても。

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