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シェフの7日間日記3日目 Lucky me!

ボナセーラシェフです。「オーシャンズ14」では料理人として出演して、いい感じのスパイスを効かせたいですね。そろそろクランクインしてもいいんだけどな。

さて。きょうはラッキーについてです。ここまで生きてこれたのも数々のラッキーなことがあったから。ポンテボッカ7周年。だいぶラッキーです。ラッキーでしかないです。

シェフのラッキーの始まりは小学校2年生の頃。当時、体が華奢で運動音痴。足は遅いしリズム感もなく力もない。そんな子どもでした。

その年のマラソン大会、前の年より順位を上げたいと思ったらしく、早朝ランを始めました。家から近くのお寺まで往復2kmもない距離です。

たしか1月か2月の寒い頃。さて3日目に高熱を出して運ばれました。肺に水が溜まり、とにかく安静にしなさいってことで、学校にいけなくなりました。でもそれは苦じゃなかったように思います。覚えているのは、だれかクラスの子が来てくれてすごくうれしかったってこと。よかったね。シェフ友達いたよ…

ある日担任から「これ以上欠席すると進級できない」と連絡がありました。危うく小学生でダブるところでした。ギリギリで登校できて、いま皆さんとここにいるわけです。よかったなぁ。

もうひとつ。この話は何度かしてるのですが、ここにも紹介しとこうおもしろいから。

ソムリエの実技試験のお話。その年のワインは、シャトー・アンジェリュスでした。アンジェリュスて!舌噛みそうなシャトーです。まさかそんなところに罠が仕掛けられているとは…シェフには多大なプレッシャーがかかりました。

アンジェリュスはね、噛まずに言えたんですよね。奇跡的に。でもね、語尾を、噛んでしまったのです。

「こちらがご注文の、2004年シャトー・アンジェリュスでごじゃります」

ごじゃります。真顔でね。カッコいい〜〜

試験官のおじさんとしばし見つめあったまま時は流れ。おじさんの微笑みに促されて、抜栓、デカンタージュを進める中で「これはもう落ちた」と諦めたシェフは、肩の力が抜けた見事なボトル捌きを見せ、その場を後にしました。

ね。これも相当ラッキーですよ。ある意味。合格したからね。よく考えたら「ごじゃります」で落とされるわけないので、ごじゃります。

それではまた明日