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12月のシーズナル|洋梨にカブ、ビーツの今月のメニューは最初の試作から完成度高い!

SHIBUYA CHEESE STANDで月替わりで販売しているシーズナルメニューは、月に2回の試作会を経て試行錯誤をしながら、皆様にお届けをしております。その試作会に潜入し、SHIBUYA CHEESE STANDの店長の佐伯日向とキッチンのマナ、代表の藤川真至の試食・意見交換を通じて、どのようにメニューを作っていくのか、”おいしいを作る現場”をレポートしていきます。

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洋梨に重ねたエキゾチックなスパイスの香り
「ル・レクチェのブッラータ」

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ル・レクチェのブッラータ|2,500円

ブッラータのシーズナルメニューのテーマは「フルーツ」です。季節のフルーツとブッラータの組み合わせを月替わりで楽しんでいただいています。

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9月のシーズナルのフルーツブッラータでシャインマスカットを使わせていただいた新潟市「阿部農園」のル・レクチェ(洋梨)をふんだんに使用したフルーツブッラータです。

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香り高いル・レクチェを楽しんでもらいたくて、フレッシュのル・レクチェと、刻んだル・レクチェをバターと砂糖でキャラメリゼして(焦がして)、ベルモットとジンジャー、和歌山県の「くじら柑橘農園」さんのレモンの皮と果汁を加えて煮詰めたソースをたっぷりまわしかけました。

最後にフェンネルとブラックペッパー、フランボワーズのパウダーをふって、塩とオリーブオイルで味を整えてあります。

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前回の試食では、色味やアクセントがほしくてピンクペッパーをかけていたけど、あとに残る苦味がわずかに気になっていたんだよね。

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(参考:最初の試作)

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はい。そこでピンクペッパーをフランボワーズ・パウダーに変えてみました。

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苦味がなくなって、後味がすっきりしたと思う。ジンジャーが利いたエキゾチックなソースがまたいいよね。

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キャラメリゼした"焼きル・レクチェ"だけだと、どうしても単調になってしまって、お客様も食べ飽きてしまうと思ったんです。ニガヨモギやコリアンダー、ナツメグといった数十種類のハーブやスパイスを白ワインに漬け込んだベルモットとジンジャーで軽いジャムのようなソースを作ってブッラータにたっぷりとかけてあります。

ル・レクチェの香りの相性もいいですし、ソースの甘味と酸味がミルキーなブッラータと相性がいいと思います。

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初回の試食のときから完成していたからね、とてもおいしい!

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ありがとうございます、よかった! 阿部農園さんのル・レクチェは12月中旬で終わってしまうそうです。お店に届いてから、状態を見て追熟をさせてから使ってはいますが、もしかしたら12月いっぱいは難しいかもしれません。

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その場合は、10月のリンゴのブッラータにしてもいいかもね。シーズナルのなかでもさらに販売期間が短いので、ぜひ早めに食べにきていただきたいよね!

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ビーツがみんな好きになる!
「ビーツとサーモンのタルティーヌ」

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ビーツとサーモンのタルティーヌ|1,560円

東京・六本木けやき坂の人気ベーカリー「Bricolage bread&co.」のシグニチャーブレッド「ブリコラージュ・ブレッド」を使ったタルティーヌもシーズナルメニューで提供しています。

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3種類のビーツの特徴を活かしてマリネやペーストにそれぞれ仕立てて、ビーツと相性の良いスモークサーモンに、たっぷりのディルを盛り付けました。ビーツ初体験の方も、おいしく食べていただけると思います。

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(マリネした黄色のビーツと渦巻状のビーツ「キオッジャ」

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ビーツとサーモンをタルティーヌにするのは、かなりチャレンジングだったけど、前回の試食のときからかなりまとまってよね。

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前の段階で、全体の方向性は問題ないということだったので、あとは食べた時の味のバランスを気をつけて見直してみました。

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(参考:最初の試作)

ポイントとして考えたのは、ビーツらしい土の香りです。それがビーツの特徴なのですが、やっぱり初めて食べる方や、苦手な方にとってはハードルになってしまうと思うので、良さを残しつつ食べやすくしようと思いました。

まず一般的な赤のビーツは、土の香りが強いので、ゆでてペーストにしてリコッタと合わせてあります。このペーストの割合を前回よりリコッタの量を増やして、よりマイルドにしています。

これをパンの表面に塗ってから、サーモンと、黄色のビーツと「キオッジャ」という渦巻き状のビーツ、2種類のビーツを2時間ローストしたのち、ディルと一緒にマリネして盛り付け、最後にディルと削ったリコッタサラータをかけています。

ローストした2種類のビーツは、どちらも赤いビーツにくらべて香りが少ないのが特徴なんです。とくにキオッジャはえぐみがなく加熱すると甘くなるので、ビーツが初めての方や食べなれていない方でも、おいしく食べていただけると思います。

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最後にかけているリコッタサラータもいいよね。

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はい。塩味の効果もありますし、全体をうまくまとめる役目もしてくれていると思います。あとは、ほんすこしケッパーを刻んでかけてもいます。

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前回あったビーツらしい香りがあるのもおいしいけど、今回の方が、より多くのお客様に食べていただけるような味になっていると思うよ。

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ありがとうございます! やっぱり赤いビーツだけでは、ひと皿食べきっていただくのは難しいと思うのですが、今回のようにいろいろな種類を、それぞれの特徴に合わせて調理すれば食べやすくなるんじゃないかなと思っています。

じつは、最初の試食のときに藤川さんから「ディルをもう少し増やしてほしい」といわれていたこともあって、黄色のビーツとキオッジャのマリネに入れていたディルの量を増やしているんです。さらにひと口の大きさも小さめにして、香りが立ちすぎないように注意したのもよかったと思います。

タルティーヌの横には、リコッタを加えていないビーツのピュレを添えてありますので、ビーツが好きな方は、そちらをつけて食べていただいてもいいと思います。

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タルティーヌにしないで「サーモンとビーツの前菜」として夜のメニューに載せてもよさそうだよね。藤原(一三)さんにワインを選んでもらいたい。それくらいよくできていると思います。

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カブとリコッタのほっこり甘味のある
「カブのリコッタピッツァ」

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カブのリコッタピッツァ|1,300円

グラハム粉(小麦の皮や胚芽を丸ごと製粉した粉)のクリスピーな生地のピッツァです。酸味や香ばしさがチーズとよく合います。季節の食材を使った月替わりのピッツァをお楽しみください。

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茨城県土浦市の「久松農園」で採れた新鮮で甘いカブの実と葉を贅沢に使ったひと皿です。クリスピーなピザ生地と相性バツグンだと思います。仕上げに和歌山の「くじら柑橘農園」産レモンのレモンの皮を削りかけてあります。

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前回の試食では、塩味のバランスが悪かったのと、カブのほっこりしたおいしさを出せないかなというのが課題だったよね。

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塩味を利かせないと」というのがあって、全体的に強めになってしまったていたので、そのあたりを調整してありますが、全体の構成はあまり変えていません。

ピッツァの生地にリコッタをぬって、スライスした生のカブ、モッツァレラを重ねて、アンチョビとパンチェッタ(イタリアの塩漬け豚)と一緒にソテーしたカブの葉をかけてから焼き上げてています。

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(参考:最初の試作)

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最後に粉チーズとブラックペッパーと一緒にかけていたレモンピール(皮)を提供前に削るようにしたら、レモンの香りがすごく良くなったよね。

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ありがとうございます。前回は、皮を細かい千切りにしていたのを変えました。

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アンチョビもだいぶ少なくしたのかな? しょっぱかった全体の味がずいぶんまとまっているよね。

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そうですね。アンチョビは風味のアクセントになっているので、外したくなかったので、分量を減らして調整しました。

カブの葉のソテーは、塩で味付けしているのはかわらないのですが、カブのスライスを倍くらいに厚くしたので、塩味はやわらいだのではないかと思います。

さらに、スライスしたカブを前回はまわりにちらしていたのですが、中央にまとめて盛り付けています。ひと口目のカブらしさが強まったのでバランスも良く感じてもらえたのではないかなと思います。

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カブのスライスを分厚くしすぎても食べずらいからね。これくらいがベストだと思う。

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久松農園さんのカブは葉付きで送られてくるんですけど、今回は、カブも葉っぱも1個分まるまるぜいたくに使っています。ほのかに甘いカブとリコッタのクリーミーさの組み合わせを味わってもらいたいです。

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今月の3品は、どのメニューも初回の試作のときから完成度が高くておいしかったです。さらに2回目の試作ではクオリティも上げることができたので、お客様に食べていただくのが楽しみだね!

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このようにすべてのシーズナルメニューは、1品1品、どうやったらおいしくお客様に食べてもらえるかを考え、ほぼ1カ月かけて作り上げています。

12月のシーズナルメニューは、現在SHIBUYA CHEESE STANDで絶賛販売中です。ぜひご利用くださいませ♪

12月のシーズナルメニュー(価格は税込)
ル・レクチェのブッラータ|2,500円
ビーツとサーモンのタルティーヌ|1,560円
カブのリコッタピッツァ|1,300円

SHIBUYA CHEESE STAND
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8
東京メトロ「代々木公園駅」2番出口より徒歩6分
JR「渋谷駅」より徒歩10分
営業時間/11:00〜22:30(L.O.22:00)
     日曜日のみ11:0〜20:00
※緊急事態宣言発出中の営業時間は、11:00〜20:00
定休日/月曜日・年末年始
(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)
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文・構成、撮影=江六前一郎






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