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なんで結婚するの?と言われたから。

ぼくが結婚すると決めた時、24歳だった。妻と付き合ってちょうど1年がたったタイミングで結婚することが決まり、両親や親戚、友人や会社の先輩に報告した。みんな、「おめでとう!」「相手どんな人なん?」とお祝いの言葉をくれる。みんな心から祝福してくれて嬉しかった。

そして、次に聞かれる一言が、決まってぼくを困らせた。

『なんで結婚するん?今まだ24歳やろ?』


もちろん、なんの悪気がないことはわかってる。ちょっとした興味。ぼくの同い年で、まわりに結婚している人はほとんどいなかった。

聞いてる人は軽く聞いてるはずだから、ぼくも軽く笑いながら答えていた。

『そんなん決まってるやん、結婚したら幸せになれると思ったから。』


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別に結婚が全てなんて思ってるわけじゃない。時代は令和で、昭和じゃない。父も母も、ぼくに早く結婚しろなんて言ってきたことは一度もないし、ぼく自身、妻と出会うまでは35歳くらいには結婚できたらいいかな〜とか思っていた。

でも、結果的にぼくは25歳で入籍する。それはみんなに答えてきたように、結婚することが、ぼく自身、そして彼女の幸せに繋がると信じているからで。でも、その一言の裏にはたくさんの想いが隠れている。


妻とぼくは一度も喧嘩をしたことがない。喧嘩をするほど仲がいいって言われているけれど、ぼくは、喧嘩をしなくても仲のいいカップルは世の中たくさんいると思っている。

よく二人で「初めての喧嘩は何になるんやろ」って冗談を言っているけれど、僕たちは二人とも、自分の意見は主張して、相手の意見を尊重する。喧嘩はしないけど、意見が別れることは普通にある。そんな時、お互いに相手の声を大事にする。その上でどっちの意見を採用するかは議論する。(議論って書くと固いけど笑)

妻と一緒にいると、妻の意見を最大限に尊重したいと思えるし、でも、自分の想いはちゃんと聞いてもらえる、という安心感がある。

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妻とぼくは全然違う世界を生きてきた。

ぼくが知らない世界を教えてくれる妻の話は面白い。生まれた場所も違えば、出会ってきた人も違えば、過ごしてきた環境も違う。自分一人でいては決して興味を持たなかったこと、決して目に入ることがなかったこと、決して知り得なかった世界。

あんまり話がうまくないぼくは、妻の話を聞くのが大好きだ。



妻とぼくは、旅行が好きで、旅のスタイルも似ているみたいだ。

もともとぼくは旅行が大好きで、一人の時はいつか彼女ができたら温泉旅行とか海外旅行に行きたいなと妄想していた。

でも人によって旅行に求めること、旅行でやりたいことは結構違う。

海外には絶対に行きたくない人もいる。旅行中は寝る時間も惜しんであちこち行きたいって人もいる。お金をかけるポイントも、ホテルにこだわる人もいれば、食事にこだわる人もいれば、移動手段にこだわる人もいる。

ぼくは大学生の時、友達とシンガポールに行ったことがある。

3泊5日の弾丸旅行で10万円。お金のなかったぼくたちは、格安飛行機に格安のホテル、ご飯も安くすませた。その代わり、るるぶに載っている観光地にはたくさんまわった。

大学生らしい旅行でめちゃくちゃ楽しかったし、今でも良い思い出だけれども、今も同じような旅行をしたいかと言われたらそうではない。

できたら宿泊施設にはお金をかけてぐっすり眠りたい。観光地をぐるぐるするより、温泉とかホテルの施設をゆっくり満喫したい。海外で食べるご飯は現地のモノじゃなくてパスタとかでいい。

そんなスタイルがいいと思っていて、妻もそうだった。

だから妻と付き合い始めてあちこち旅行に行ったけど、どれも最高に楽しくて、どこもまた行きたいって思えてる。温泉も海外もそれ以外も、もっと色々一緒に行きたい。



妻とぼくには覚悟がある。

結婚すると決めた時、妻は大学生だった。ぼくも「なんで」と聞かれたけど、妻はもっと多くの人に早くない?って聞かれたはず。当然妻はそんなことわかっていて。それでも、ぼくと結婚することを望んでくれた。

「幸せだ」って、言葉で言うのは簡単で、でも実感するにはコツがいる。

誰かと見いだす幸せは、自分だけがgiveしても、自分がtakeするだけでも築けない。

二人で一緒にいれることは幸せだ。でも、死ぬまでの数十年、幸せを築き続けるにはお互いの覚悟がいる。努力もなく、誰もが結婚するだけで「ずっと」幸せになれるなら、コロナ離婚なんて言葉は拡がらない。

プロポーズの時、ぼくは一生この人を大事にすると覚悟を決めた。妻も、ぼくを幸せにする覚悟があると言った。

二人が感じる幸せを、ずっと、二人で積み重ねていく。

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妻と出会ってから、いろんな話をし、いろんな場所に行き、お互いのことを理解しあい、お互いの想いを伝え合い、2人の時間を大切にしてきた。

その積み重ねが、あのセリフの裏には隠れている。


『そんなん決まってるやん、結婚したら幸せになれると思ったから。』

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