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いま、1年の育休中でして。

「パパさんは今日お休みですか?」

平日の昼間、娘と2人で行く先々で聞かれる質問。
スーパーに行っても、病院に行っても、地域の児童館に行っても子連れのパパは自分ひとり。

「いえ、2人目の子どもが生まれたのでいま育休中でして。」

「あら!そうなんですね!どれくらい取られるんですか?」

「1年です。」

「1年?!!!!」

ここまでがセットの会話。

ぼくが育休に入ってから約1ヶ月。おそらくこの会話を10回はしている。
(いや、7回くらいか、、)

ここからは「奥さんも喜んでくれてるんじゃないですか?」とか、「娘さんも嬉しいでしょうねぇ」とか一言二言会話してこの話題は流れていく。

最近男性の育休が少しずつ話題になったりしてるけど、やっぱり自分の周りに男性で育休を取ってる人はあまりいないし、それこそ1年取得した経験がある知り合いは1人もいない。

だから、さっきの会話はまあ想定通りの反応で。

でも、多分やけど「なんで1年もとることにしたのか」とか「育休取るのに不安はなかったのか」とか気になってそうな雰囲気を感じたので(勝手に感じてるだけ。実際そう思ってるは知らんけど)、今日はぼくが育休に対してどんな考えを持って取得したのか残しておこうと思う。

***

「大丈夫?仕事なくならへん?」

2人目の妊娠がわかり、自分の中で育休を1年取ると決めて妻に報告すると、びっくりと、嬉しいと、不安が順番に顔に表れた。
そして育休を1年も取ることでぼくの仕事がなくなって会社で居場所が失われるんじゃないかと心配している。

「大丈夫やから心配せんといて」と言いつつも、ぼく自身育休を取るかどうか検討したときに出てきた一つ目の不安はやっぱり自分のキャリアのことだった。

・自分が勤めているのはベンチャー企業。当然1年もあれば組織もプロダクトも状況も全然違ったものになってるはず。
・その1年の間で自分が役に立たない人間になったらどうしよう。
・1年もいないと当然今の自分の仕事は他の人がやっているはず。
こんな考えが頭をよぎる。

よぎったが、仕事なくなるんじゃないか問題については「1年後の自分が本気出してなんとかしてるはずやからまあ大丈夫だろう」と数秒考えて自己解決。


***

「育児給付金、取得後半年以降は給料の50%になるんやって。。」

ぼくはびっくりして妻に相談にいく。

育休についてググったら、「育児休業給付金」なるものをもらえて、大体給料の2/3がもらえると書いてあった。それをチラッと見て育休取っても生活は大丈夫かなと考えていたのだが、後日よくよく見てみると半年以降は50%に減らされるらしい。(世の中的には常識なのか、、)


なんでやねん。


キャリアの不安は自分が頑張ればどうとでもできるけど、これから2人の子どもを育てるとなるとお金については色々考えておかないといけない。
娘1人の状態でも別にめちゃくちゃ余裕があるわけではないのに、子どもが1人増えて、毎月入ってくる手取りが50%になるのはさすがに厳しい。

どのように家計を回していくのかは妻と相談し、2人目の子どもが生まれてから3ヶ月は夫婦ともに仕事をしない、4ヶ月目以降は妻が仕事復帰、5~6ヶ月目以降はぼくの副業を検討する、という結論に。
(もちろんその時の妻の体調が最優先。)

***

こんな不安もあるもんだから、世の中一般的なように「育休は取らない」とか「3ヶ月だけ取ります」みたいな選択肢が自分の中にあったかというと、全くなかった。

2人目の妊娠がわかり、育休を取ると決めた。期間は1年。
育休を取ることで出てくるであろう諸々の問題はなんとかする。
こんな感じ。

改めて「なんでだろう」と自分自身で考えてみると、答えは結構シンプルだった。

***

『人生で大切にしていることは何ですか?』


普段、あんまり聞かれることはないと思う。
ぼくも、誰かに聞かれた経験はほとんどない。

聞かれることはないけど、割と常々考えているのでぼくには明確な答えがある。

『大切な人を、大切な人との時間を大切にする。』

なんじゃそりゃという感じかもしれないけど、これを日々意識して、実践し続けるというのは簡単じゃないと思ってる。

例えばドラマや漫画でよくある話。最初は熱々のカップルだったはずなのに、付き合って5年記念日のお祝いディナーに彼氏が大事な仕事が入っていけなくなる、みたいなこと。

人生の中で、環境や、状況が変わるのはよくあるけれど、その中で自分は何を最優先事項とするのか。
これは常に考えておかないと、後になってから、失ってから気づきましたパターンに陥ってしまう。

育休を取るかどうかを考えた時、迷いがなかったのはこの考えがあったから。

もうすぐ2歳になる娘と暮らしていて本当にびっくりするのだが、子どもの成長、変化は凄まじい。
身長や体重がぐんぐん伸びるだけじゃない。これまでできなかったことに果敢にチャレンジし、どんどんできることが増えていく。表情も感情も豊かになっていく。

この子どもの変化を、どんな小さなものでも見逃さないでいたい。
これから生まれてくる息子の成長と、新しいことがどんどんできるようになる娘の成長をしっかりと見ていたい。
そして、妻と、その喜びを分かち合いたい。

すごく当たり前だけど、0歳の息子との時間は今しかないし、2歳の娘との時間も今しかない。

そう思った時、育休を取ることは必然だった。

もし仮に、万が一育休を取ったことで職場に仕事がなくなろうとも、死ぬ時に家族とすごしたこの時間を後悔することは絶対にないという確信がある。

ぼくは自分の大切にしていることに照らし合わせ、決断した。

***

本当にかわいすぎる

1月に息子が生まれ、育休に入って早1ヶ月。

息子のオムツ替えにミルクに娘とのおままごとに公園に買い物に家事に料理にそれはもうやることはいっぱいだ。

1日の終わりには疲れ果てて、娘と一緒に夜8時に寝てしまうこともある。

それでも、布団の中で感じるこの幸せは、、、


明日もまた、答えているかもしれない。
「いま、育休中でして。」



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