小川らん

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【第6話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~窓の大きい部屋を探す~

これまでのお話 第1章 もう一人の私との出会い  第1話 / 第2話 / 第3話 / 第4話 / 第5話 第2章 窓の大きい部屋を探す  第6話  夢広がる部屋探し 家に帰ると静かに夕日が差し込んでベッドがオレンジ色になっていた。 出かけている間に放置された真夏の暑さで部屋がサウナのようだ。 私はエアコンをつけて一息つく。 私の幻覚「あっついねー!早く部屋涼しくならないかな〜」 私「そうだね。…今日何が食べたい?キャベツがあるから豚しゃぶサラダしようかと思ってる

    • 【第5話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

      これまでのお話 第1章 もう一人の私との出会い  第1話 / 第2話 / 第3話 / 第4話 / 第5話 夏感じる花火 今日は土曜日。 昨日休暇を取ったから来週月曜が不安だが、一旦全て忘れて目の前のことに集中しよう。 朝目が覚めてキッチンに行くと、私が何かを作っている。 ジュー 「お、おはよ」 「あ、おはよう!フレンチトースト食べる?」 「え、あ食べます」 「好き?」 「うん、好きです」 「だよね!持っていくから待ってて!」 リビングで戻って床に座る。作ってもらっ

      • 【第4話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

        これまでのお話 第1章 もう一人の私との出会い  第1話 / 第2話/ 第3話 / 第4話 / 混乱する村山美澄、クリニックへ行く 心療クリニックについた。 歩くだけで白ティーに汗が滲みるが、1枚皮の下はひんやり冷えた感覚がした。自分は異常なんだと自分で自分を突き刺す時の冷たさだ。 仕事でミスした時も同じような感覚に陥る。 「初めてですか?」 「はい」 「でしたらこの問診票をご記載ください。あとカウンセリングはお一人30分ですのでご了承ください」 「…はい」 私は一番

        • 【第3話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

          これまでのお話 第1章 もう一人の私との出会い  第1話 / 第2話 / 第3話 6:54 起きたての冷静さ 6:54 起きてしまった。 夢の中でも昨日の出来事を考えてた。 クローゼットの方に視線を移すと、、、いる。。 ただ1日たったからか気持ちは落ち着いる。私は白い木目のカラーボックスから昔しまったと思われるピンク色のお薬手帳を取り出した。 カラーボックスが他家具と擦れて黒い線や傷が走っていることすら目を向ける冷静さもある。 「大学生から使ってるからね。棚もいっぱ

        【第6話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~窓の大きい部屋を探す~

        • 【第5話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

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          【第2話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

          これまでのお話 第1章 もう一人の私との出会い  第1話 / 第2話 私の姿をした幻覚 そこには私と同じ姿をした、というより私がいた。目の前で起きていることが信じられず凝視したまま私は固まる。 「本当外の世界に振り回されて嫌になっちゃうよね!」 「…」 「驚いてるよね!自分と同じ姿の人物が目の前に現れたらそれも無理ないね!」 「…誰ですか?」 「嫌だな!敬語なんて使わなくていいんだよ?だって私はあなたなんだなら!簡単には説明すると、誰にも吐き出せないあなたの悩みやモヤ

          【第2話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

          【第1話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~

          気分が晴れない村山美澄 酔っぱらってうるさいサラリーマンや、自惚れの絶頂にある女子大生の声が呼応する道玄坂。美澄は渋谷駅に向かって急ぐ。1日中履いているパンプスの中で浮腫んだ足が痛む。 誰にも話しかける隙を与えない程真っ直ぐに線を引いた唇と、絶妙な角度で明後日の方向を見つめる目線。 「早く家に帰って納豆ご飯が食べたい」 信号待ちをしている人混みなど目をくれることもなく急いで地下鉄の階段を降りた。 半蔵門線はいつもの帰宅ラッシュ。もちろん座ることも出来ず、痛む足に神経が通っ

          【第1話】村山美澄、もう一人の私との共同生活を始める~もう一人の私との出会い~